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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成12年度
 思春期  平成12年11月

今年の3月のことです。3学期の終わり2週間前に、中学2年生の男の子を持つあるお父さんが、私のところに相談に来られました。その息子が、担任にかなり反発していて、授業中、先生が黒板に向かって何か書いているとき、スリッパをなげつけたのです。それ以後も、時々、担任に反発しては、似たような事件を起こすのだそうです。親は何回も学校に呼び出され、そのたびに謝り、子供を引き取って家に帰ってきていたといわれるのです。
相談に来られたその日も、父親が学校に呼び出されて、校長先生が、その子に厳重注意を与えた後、子供の前で、「お父さんも今夜しっかりとしかってください」といわれたそうなのです。そのことがあって子供も、「明日から学校には行かない」と言い出すし、自分の性格では叱ることも苦手だし、どうしたものかと悩んだ末、私のところに相談に来られたのです。詳しく訊いてみると、スリッパを投げたのが最初の事件で、その発端は、教室にある備品が壊されていたことで、担任から、いきなり、「おまえがやったんだろう!!」と、頭ごなしに叱られたことが、荒れる引き金になったようです。そのうえ、その担任の方は、怖くて登校拒否?を起こしているというのです。外の先生に対してはそのような反発の態度も余り見せないし、特に、教頭先生を尊敬していて、叱られることもよく叱られるけれど、いろいろな相談相手にはなってもらっているようでした。
そこで私は、お父さんに向かって、「じゃ〜、教頭先生に話してもらったら?」というと、「その教頭先生が、転勤になるらしいと聞いて、本人がショックを受けている」といわれるのです。そこまで訊いたとき、「あ〜、この子は立ち直る」と直感しました。まだ、子供と会って話を聞いていませんから、本当の気持ちは分かりませんが、担任に対する不信感は持っていても、大人を信頼する気持ちは、まだ、しっかりと持っていることだけは確かなように感じました。
その時のお父さんに対するアドバイスは、「校長先生や教頭先生から、何回もしかられたり注意を受けても直らないということは、 今夜、お父さんが叱っても反発するだけで、解決にはならないと思いますよ。思春期の悩みは自分と自分との心の葛藤なのです。自分で何かの悩みを解決できずに荒れているのだから、しかることより、心の悩みを引き出せるよう、語りかけるようにしてやってください」というような内容でした。それでも不安そうなお父さんに、今夜、子供が帰ってきたら、「そんなに荒れているのも、おまえも何か悩んで苦しんでいるのだろうから、お父さんに話してごらん。きっと楽になるよ」というような言い方で話してみてください、と伝えて帰ってもらいました。
その後、気になっていたので、春休みに入った間なしに、家を訪ねました。お父さんは留守でしたが、お母さんと1時間ぐらい話ができした。訊いてみると、お父さんが相談に来られ夜、アドバイスのとおり、なにか話し合ったようです。お母さんが、「何を話しとったん」と訊いても、お父さんも息子も「べつに」といって話の内容は訊けなかったそうです。
ところが、次の朝、「今日、学校に行く。担任にも謝る」と、ずいぶんと明るくなって学校に行ったそうです。まだ、荒れているのがすっかり直ったわけではないのですが、だいぶ素直になってきた感じがするといっておられました。
お母さんと話をしていて、お母さんの干渉の有り様も気になりました。それは、「息子が、夕方6時に帰るといってあそびに出て、10分過ぎても帰らなかったら、心配で、遊びに行った場所まで探しに行き、物陰から確認する」といわれるのです。もう少し、子供を信頼して、心配しすぎるその姿勢も考え直すよう話しをして、その日は帰りました。
それから7か月が経ちました。最初に相談に来られたときに、お父さんに読んでもらおうと思って渡していた2冊の本を、先日、返しに来られました。私は、出張のため、車に乗ろうとしていたときでしたので、時間がなく、詳しく話を聞くことができなかったのは残念でしたが、「どう、変わってきた?」と訪ねると、「まだ完全にとまでにはいかないが、ずいぶんと落ち着いてきた」といわれ、胸をなで下ろしたのです。
子供たちは、思春期には、いろいろなことで悩みます。社会の在り方や大人に対しての矛盾や不信感、人生に対しての不安や性欲衝動、恋の悩みに直面します。たいていの場合、いろいろなことに悩みながらも、心の中で葛藤しながら、自ら問題解決していきます。
この問題解決能力は、幼児期から児童期の育ちの中で、具体的で直接的な体験を通して育みます。楽しさや喜び、悲しみや悔しさ、恐怖等、感動したり我慢することを通して獲得していきます。その発達年齢に応じた、解決できる程度の体験をしっかりしていることが、困難や人生の壁にぶつかったときの、問題解決能力の原動力の基となるのです。



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