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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成12年度
  子供を台所に 平成12年6月

皆さんのご家庭での食生活はどのような感じなのでしょう。
他人の食生活は、親しい人の家以外では、「隣の晩ご飯」とかいうテレビ番組や、ドラマでしか見ることはほとんどないことに気付いてみると、もしかして、以前より大きく変化しているのではないかと気になり始めました。
以前よりというのは、私の育った戦争直後の物のない時までさかのぼらなくても、今の、お父さんお母さんの子供の頃、いや、高校時代の頃から比べてみても、ずいぶんと変化しているのではないかと思われるのです。その一つは、夕食の時の家族構成、もう一つは、食材の変化です。夕食時の家族構成で見ると、まだ皆さんが子供の頃は、家族全員がそろってから食事が始まるご家庭が多かったのではないかと思います。今でも、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らされているお家では、家族そろって食卓を囲んでの夕食がまだ多く見られても、核家族のお家では、家族全員で食事をするご家庭の割合がずいぶんと減っているのではないかと感じるのです。子供とお母さんだけが、先に夕食をするというご家庭や、子供だけが先に食べたり、それぞれが思うときに食べたりという話も聞きます。家族全員で食卓に座ることが少なくなっているのではないでしょうか。電子レンジで、簡単に、「チン」すると食べられますから、家族全員がそろわなくても、それぞれが食べるときに温かい物が食べられるので、一緒に食事をするということもいらなくなってきているのです。
食材の変化で見ると、「食の外部化時代」といわれるように、子供たちの食卓にも加工食品、調理食品が増え、お母さんの包丁の音が余り聞こえてこない夕食になりつつあるのではないかと思われます。
これらも、時代の流れなのかと思ってみても、手作り料理の減ってきていることは、子供の育ちの面から見ると、ずいぶんと寂しい感じをいだかずにはおれません。
「食」は、ただ栄養を補給するというだけにとどまるのではなく、食卓を囲んで食事をすることは、家族団らんの場であり、お互いのコミュニケーションのとれる時間でもあります。何よりも家族全員そろって食べられる楽しさが、子供たちの心を育ててくれるのです。
そして、お母さん(お父さん)が、愛情を込めて食事の準備をしている姿は、子供たちにも、親の愛情をしっかりと体感できる場面でもあるのです。
最近知ったのですが、キッズ・イン・ザ・キッチン(Kids in the
kitchen)という運動が盛んになってきていると聞きます。「子供を台所へ」という運動なのです。今、皆さんが子育ての中で感じられていると思いますが、お母さんが台所に立って食事の支度をしていると、子供がそばに来て、お母さんと同じようにしたがることが度々あると思います。子供は、大好きなお母さんがしていることを、自分もしたいのです。その時の子供の気持ちは、とてもほのぼのとした幸せな気分でいるのです。食事を作る手伝いや、箸やお茶碗を並べたり、料理を運んだりすることは、本人も家族の一員としての役割をしているという存在感でもあるのです。家族の中での存在感を味わって育つことは、将来、社会での役割とそこでの存在感を得るためのとても大切な準備をしているのです。
このようにして、家族の愛情を感じながら、家庭での役割と存在感を持って育った子供は、家族の絆をしっかりと持つことができて、心豊かに育つことができるのです。こうして育った子供は、決して非行には走りません。家族の温かい愛情と深い絆から生まれる信頼関係は、子供のしつけもしっかりとしてきて、正義感や生活行動の規範意識を高め、望ましい発達をより確かなものとするのです。
だんだんと難しい話になってきましたが、簡単にいえば、子育てを楽しんで欲しいのです。料理に関していえば、料理を楽しんで欲しいのです。「料理は愛情」とよくいいます。私も毎日料理をしていますから分かるのですが、料理をしているときの気持ちは、相手のことを一生懸命考えています。栄養のこともそうですが、「少しでもおいしいものを、いかにおいしいものを食べさせてやろうか」と苦心しながら作っています。その気持ちは愛情として相手にしっかりと通じます。ところが、仕方なしにしている料理は、下準備もおろそかになり、味も極端に落ちます。嫌々している気持ちは相手にもすぐ分かります。皆さんも経験がおありと思いますが、夫婦喧嘩をした後、食事を作る腹立たしさは、そのまま料理の味となってあらわれます。子供は何もいわないかもしれませんが、愛情がこもっているかいないかはしっかりと感じているのです。食事は毎日のことですから大変です。でも、家族での幸せを感じながら作ることは、その大変さも、楽しみに変わってくるはずです。
幼児は、「未来」のことを考えては生活していません。「今」を生きているのです。「今」を大切にしてやることが、子供の未来を豊かなものとするのです。



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