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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成14年度
     初恋?  平成14年10月

一学期の終わりに、お父さんの転勤で、広島市内の幼稚園に転園して行った年少組(うめぐみ)の女の子、ちーちゃんが、あたらしい幼稚園の運動会が終わり、振り替え休日になった24日の火曜日に、お母さんと一緒に遊びに来てくれました。4月に入園してきた頃は、お母さんが恋しくてよく泣いていたのですが、5月半ば頃からは、友達もいっぱいできて、元気に遊んでいました。やっと幼稚園生活の楽しさがわかってきた間なしの転園でした。
その子がお母さんと妹と一緒に、幼稚園の動物園で山羊さんや羊さんを見ている姿を見つけた、同じクラスだった子供たちは、「ちーちゃんがいる」と大喜びして、「お部屋に行こう」と手を引いて誘います。最初は照れくさそうしていたちーちゃんも、部屋の入り口までついて行きます。ちーちゃんはすぐにお部屋に入れず、入り口で部屋の様子を見ていました。すると、下駄箱に、ちーちゃんの名前も上履きシューズも無いことに気付いた友達が、「シューズを探してあげる」と、どこからか見つけてきます。それでも、シューズを履こうとしない、ちーちゃんの様子を見て、「サイズが合わないから履かないんだ」と、もう一度、探してきました。それでも履こうとしてくれません。すると、自分のシューズを脱いで、「私のシューズを貸してあげる」と言って、上履きシューズを履かそうとします。結局は、彼女も遠慮して履くことはしませんでしたが、意を決して部屋の中に入りました。ままごとコーナーで一緒に遊び始めます。いろいろな遊び道具を見つけて、「これ、まだある」と懐かしそうにしています。毎朝、「今日のお休みのお友達はいますか」と担任が出席の確認をすると、いつも、転園して行った、「ちーちゃんとこうせいくん」といまだもって言っていた子供たちは、「ちーちゃん、やっと来たね」、「明日も来てくれるよね」と、転園したことの意味が十分に理解できない3歳児たちです。
部屋での遊びをしばらくした後、子供たちは、ちーちゃんを園庭に連れ出しました。もう、お弁当の時間ですが夢中になって遊びます。ところが、ちーちゃんのカバンが無いので、お弁当の無いことに気付いた他の女の子が、砂場道具のなべを使って、その中に砂や葉っぱや水を入れて、「ちーちゃんのご飯を作ってあげる」と言って、友達と一生懸命作ってくれています。ところが、ちーちゃんの方は、園庭を走りまわっています。男の子たちが、「ちーちゃんを捕まえる」と言って追っかけまわしているのです。よく見ると、しつこく、いつまでも追っかけているのは、2人の男の子です。そうなのです。ちーちゃんのことが大好きだった男の子なのです。他の友達はというと、もう、いつものとおり、ままごとをしたり、泥んこ遊びをしています。3歳児でもすでに自分の大
好きな相手を意識しているのです。その男の子にとって、もしかしたら、初恋だったのかもしれません。
次の日、今度は高校2年生の卒園児、男女4人が遊びに来てくれました。プレイルームの子供たちや児童クラブの子供たちと日が暮れるまで、3時間近く遊んでくれました。男の子はお兄ちゃんたちとサッカーをしたり、ボール投げをしています。女の子はお姉ちゃんにまつわりついています。憧れのまなざしです。その後、職員室で先生たちといろいろと話しこんでから、帰って行きました。自分たちが幼稚園のときの担任が、今でもいてくれることを、とても喜んでくれていました。「幼稚園のとき、大好きな先生に出会えたから、先生のためにもがんばろう」と、今でも思っていると言うのです。
実はこの高校生は、お互い恋人同士なのだそうです。4人とも、とてもまじめそうで、清潔感のある高校生ですが、高校生が恋人と一緒に、堂々と、自分の卒園した幼稚園に遊びに来てくれる状況には、さすが、時代の変化を、つくづくと感じざるを得ませんでした。とうとう、私も2時間ぐらい付き合いましたが、とってもさわやかな気分にさせてくれた素敵な高校生でした。
この幼稚園には、本当によく卒園児が訪ねてきてくれます。社会人になって立派に成長した姿を見せに来てくれる子、逆に、挫折したとき心を癒しにやってくる子、あるいは、自分の生き方に悩んでいるときに、いつの間にか足が幼稚園に向いていたという子、結婚が決まったからと彼氏を連れてくる子、中学や高校に入学したり、卒業したりした区切りのときに来てくれる子等々、たくさん来てくれます。この6月にも、結婚式に出て欲しいと招待状を持ってきてくれました。先日も、大学2年生になった男の子が、やっと彼女ができたと、九州出身の1年生のかわいい彼女を連れて、東広島からやってきてくれました。そういえば、この男の子は、広島の中学に行っているとき、「急に幼稚園に行きたくなった」と、一人、芸備線に乗ってきてくれた子でした。
卒園児の子供たちが尋ねて来た時、「幼稚園のときのことを覚えている?」と聞くと、結構、いろいろなことを覚えてくれています。それが、面白いことに、遠足や運動会等の行事のような大きな出来事ではなく、日常の小さなこと、大人から見たらなんでもないようなことの方を、しっかりと覚えているのです。覚えていることは、その子その子によって違う場面ですが、共通していることがあります。それは、先生とのかかわりの中での思い出です。「あのとき、先生がほめてくれたから自信が持てて、いろいろなことができるようになった」とか、「あの時、先生が声をかけてくれたからとてもうれしかった」。あるいは、「先生が一緒に泣いてくれたから、この先生のためにがんばろうと思った」等々、たいていの場合、何気ない先生の一言で、子供たちの心が救われたり、意欲を呼び起こしているのです。こちら側から見れば、先生としても当然の言葉がけが、子供たちの心の琴線に触れているのです。当然の言葉がけというより、先生たちが、その子その子をちゃんと受け止め、心から発している言葉だからこそ、子供たちの心の中にしっかりと残っているのだと思います。幼稚園は心のふるさとなのです。



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