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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成14年度
     チャレンジ  平成14年11月

秋日和の幼稚園の園庭では子供たちのにぎやかな声が響き渡ります。
その様子を見ていると、それぞれのグループがいろいろなあそびを思い思いにしています。
砂場や鉄棒で遊ぶ子、アスレチックやわんぱくトリデで遊ぶ子、小川やわんぱく山で遊ぶ子、ブランコや遊動木で遊ぶ子、サッカーや縄跳びをして遊ぶ子、あるいは、園庭に座り込んで泥団子作りに夢中になっている子と、花が咲いたように元気いっぱいに遊んでいます。その様子を静かに見ていると、とても楽しく、いろいろなことが発見できます。
3歳児のある男の子は、小山の岩の上から何回も飛び降りています。「ここからも飛べるよ」と、だんだん高いところに移動して飛び降ります。
私が見ている間、ずっと飛び続けます。吊り輪にぶら下がって大きなタイヤに渡っている3歳児の子も、「みて! みて!」と言っては、ぶら下がっています。小川を飛び越えている子のそばに行くと、「ここも飛べるよ」といって、より川幅の広いところを飛び越えて見せてくれます。しかし、少し無理だと思ったところは決して飛んだり飛び越えようとしたりはしません。自分の能力の限界点を心得ているのです。
このように、年少組の子供たちは、出来るようになったことをしきりに「みて! みて!」と周りの大人に訴えます。「すごいね〜」といってやるとうれしそうに「ニコッ」とします。「自分にも出来る」という喜びを伝えたいのです。
ところが4歳児の年中組になると、この、「みて! みて!」という言葉はだんだんと減少してきます。吊り輪で遊ぶときも、ただぶら下がるのではなく、大きなタイヤに渡ることに必死で挑戦をしています。アスレチックでは、ロープにぶら下がって上に登ろうと繰り返し挑戦しています。ターザンロープもうまく飛び乗るために何回も小川の橋の上から試みています。年中組にもなるとちゃんと自分に目標があるのです。年長組のお兄さんやお姉さんがやっているように自分もしたいと、憧れて見ていたことが、だんだんと出来るようになったことで、更なる目標を自分自身に課して挑戦しているのです。見てもらうことより、年長組さんのように出来るようになることのほうが重大なのです。
5歳児の年長組にもなると、あそびがよりダイナミックになってきます。わんぱく山の端にあるハント棒にぶら下がっている吊り輪で、今度は年長組の女の子二人が遊んでいます。見ているとやはりあそびが違います。吊り輪にぶら下がり大きく体を揺らしてハント棒に飛び移り、腕の支えだけで回りながら降り、ときにはハント棒の上まで登っています。私が見ていることは意識していますが、「しらん顔」を決め込んでいます。「こんなことへっちゃらよ」とでも言いたいようです。年長組にもなると、いろいろと出来るようになったことを組み合わせて遊びます。あそびを作り出すのです。
子供たちは遊ぶことが大好きです。楽しいからこそ遊ぶのです。ところが、みんなと手をつないで、ただなかよしだけで遊ぶから楽しいのではないのです。そんなあそびはすぐ飽きてしまいます。
子供たちは、興味を持ったあそびに夢中になって遊びます。ところが、思ったとおりにはいきません。そのあそびを楽しいものとして成立させるには、それに応じた、それなりの能力が必要となります。泥団子つくりを見ていても、たかが泥団子ではないのです。年少組の頃は、泥に水を含めて、ただ泥を丸めるだけですが、年中組になった頃からは、サラ粉を集め、水の含み加減も調整しながら、より硬く、よりつやのある団子を作ろうと、泥団子つくりの技術を磨いているのです。そのことができるようになった達成感が快感となり、またより硬い団子つくりに挑戦するのです。
このように、子供たちの遊んでいる様子を見ていると、あそびの中でいろいろなことにチャレンジしていることがわかります。出来るようになろう、もっと上手になろうと挑むのです。自分の出来ることの少し上の能力にチャレンジしながら征服しては、次のチャレンジを求めます。サッカーボールで遊ぶときも、縄跳びや鉄棒で遊ぶときも、アスレチックや吊り輪で遊ぶときも常にチャレンジしています。そのときのチャレンジの気持ちと緊張感があそびをより楽しいものとさせているのです。このことが、その結果として、子供たちの能力と意欲を培うのです。あそびを通して自らを成長させているのです。
子供のあそびの様子を見た後、事務室に帰り、心地よい気持ちで仕事をしていました。しばらくすると、「よいしょ、よいしょ」と、にぎやかな声が聞こえてきます。しばらくは仕事を続けていたのですが、仕事のきりがついたところで、まだ聞こえる「よいしょ、よいしょ」という掛け声が気になり、もう一度、園庭に出てみました。みると、年少組の男の子たち6、7人が、小川の中に落ちているタイヤ(転がしたり乗って遊ぶために3本つないであるタイヤ) を引き上げようと、必死になっているのですが、重すぎて上がらないのです。
その様子を眺めている私を見つけたとたん、「じじちょう(りじちょう) せんせい、タイヤ上げて」と助けを求めます。タイヤを小川から引き上げると、「やった!やった!」と喜んでタイヤを転がし始めました。ふと気がつくと、その中の二人が立ったまま涙を拭いています。「え〜、どうして泣いているの?」と聞いても、ただ黙って涙を拭いています。すると他の子が、「この子がタイヤを落としたんよ」と、教えてくれます。他の子が別に攻めている様子は無かったのですが、タイヤがなかなか上がらないので、どうやら責任を感じていたようです。
「泣かなくったっていいよ。ドブンと落ちて水がバシャッと散るんだもんね。すごくおもしろいよね」といってやると、「うん」とうなずきながら、「ニコッ」として、また、タイヤころがしに加わっていきました。 「鳴いたカラスがもうわろた♪」。楽しい光景でした



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