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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成15年度
  屋根裏文庫 平成15年11月1日

私事ですが、先日、イタリアのミラノに住んでいる長女と東京で仕事に忙殺されている次女が久しぶりに帰省してくれました。
その娘二人が、懐かしそうに一番に行ったところが屋根裏です。屋根裏に住んでいたわけではありません。その屋根裏には、赤ちゃんのときから毎日毎晩読み聞かせた絵本や、小学生のときに子供自身が読んだ本が、古い本箱の中にぎっしりと詰まっているのです。
「屋根裏に行ってみる!」と言う娘の言葉で、私たち夫婦もついて上がりました。娘が屋根裏に行くことは、絵本を見に行くことだとすぐにわかるからです。
屋根裏に上がると、娘はすぐさま絵本を手に取りパラパラとめくりながら、「覚えている!覚えている!」と言いながら、「この絵本、すごく怖かった。この女の子の目が一番怖かった」、「この絵本、腹を抱えて笑った」とか、「とっても悲しかった」と言いながら、とても懐かしそうに子供のころの話に花が咲きます。
面白いことに、二人の娘が、「私はこの絵本が一番好きだった」と、それぞれの絵本を手にしているのですが、親がこの絵本が素敵だったと思っている本とはぜんぜん違うのです。そんなことも話題にしながら、そろって屋根裏から降りて来ました。
絵本やお話は、当然のことながら、見る人聞く人によって感じ方、捉え方がそれぞれ違うのです。
親の方は自分の子供のころから親になるまでいろいろな絵本や本に出会ったり、家族や友達のみならず育つ環境の中での学びやさまざまな経験をしたりしながら、自分なりの価値観が形成されていますから、大人としての親の立場からみて、この絵本は「素敵」と、感じたり思ったりします。それはそれで良い絵本を選ぶ基準でもあります。
ところが子供の方はすべてが初めての経験ですから、感じ方、捉え方は大人のそれとはやはり大きく違うのです。大切なことはいろいろな絵本やお話にいっぱい出会うことと、親の愛情をしっかり感じながら絵本を読んでもらったり昔話を聞いたりする経験をどれだけたくさんすることができるかと言うことです。その経験が多いほど、「心の箱」がいっぱいになり、心豊かな子供に、と育ってくれるのです。
(絵本についての話は、ずっと以前は参観日のときの講演で何年か置きにお話していましたが、同じような話になるため、「(元)園長の絵本のおはなし」と言う題名で、私なりの絵本論として冊子にまとめたものを、皆様のお子様が入園されたときにお渡ししていますので、絵本のすばらしさを感じていただくため、今一度、読んでいただきたいと思います。帰省して来てくれたのは、その冊子に出てくる「どろんここぶた」の娘たちです。)
先日、幼稚園のあるお母様から次のメールをいただきました。
きっと、「絵本をいっぱい読んでもらいながら、心豊かに育っているのだろうな」と、お子様の様子や会話のいっぱいあるご家庭の様子が伝わってきましたのでご紹介します。
《卒園児で小学2年生と年少でお世話になっている女の子の母です。
小学2年生のお姉ちゃんの話です。2ヶ月くらい前から、少しずつ近所の子供たち3人に無視をされたり、陰口を言われたりして、悩んでおりました。無視をされるということは、それなりの理由もあるのでしょう。どうするかなと思って、子供を見ていると、とうとう、我慢できなくなって、その友達に手紙を書いていました。そして、みんなで話し合いをしました。今は、ほんの少しですが、みんなと、話が出来るようになったようです。そして、最近夕食の時、「大切な命と思い出があれば、どんなに辛い事や、悩み事があったとしても、乗り越えられる。その命がたとえ、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりしたとしても、頑張って生きることが大切だと思う。私も、辛い事や、悩みがあっても、なんでもいいから、頑張って生きたいと思う。」と、言っていました。
私は、びっくりして、そして、嬉しくて涙がでました。
「一生懸命生きた命は、きっとまた誰かの心の中で思い出として、生きていくのではないかなあ。」と会話をしました。
幼稚園時代は、よく泣く子供でした。今でもそうですが・・・。
でも、いろいろな問題を少しずつ解決していこう、乗り越えていこうとする生きる力を感じ、とても嬉しく思いました。
幼稚園で、一人ひとり子供の気持ちを理解してくださっていたなと今になって思います。叱られる場合でも、ちゃんと理由を教わってきたように思います。
そして、勇気を出してチャレンジしようとした時には、随分誉めて頂いたようにも思います。そして、なにより自分で考える事を覚えさせて頂いたように思います。
妹は今年初めての運動会で、大泣きをしておりました。すごく大きな声だったので、この子のパワーにもびっくりさせられました。
これから先の事は、分かりませんが、自分で考えたと言うことが、嬉しくて、家の中の事ですが、ちょっと嬉しくて、お便りさせて頂きました。        
お忘れかもしれませんが、お姉ちゃんは、入園式の次の日に砂場で遊んでいて、バスに乗り遅れ、理事長先生に送ってもらった子供です。
だんご3兄弟の唄を歌って帰ってもらったようです。
あの時はありがとうございました。》

皆様はどのように感じられたでしょうか。
小学2年生の子供が、 「大切な命と思い出があれば、どんなに辛い事や、悩み事があったとしても、乗り越えられる。その命がたとえ、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりしたとしても、頑張って生きることが大切だと思う。私も、辛い事や、悩みがあっても、なんでもいいから、頑張って生きたいと思う。」と、こんなにも深く考え表現できることは、家族間の会話も豊富で、とても素敵な家庭に育っている様子と、きっと、絵本をいっぱい、いっぱい読んでもらい、語彙(ごい)も豊富で心豊かに育っているのだろうと、私も目頭を抑えながら読みました。
このことで思い出したのが、私の二人の娘の小学校のそれぞれの卒業式の時に、出席した母親に、話したこともない何人ものお母さん方から、「自分の娘がいじめられているとき、お宅のお子さんから声をかけられて随分と救われたんです」と、お礼を言われたと言います。
絵本は心豊かに育つだけではなく勇気や意欲も育ててくれるのだと思います。
お子様と一緒に楽しみながら絵本をいっぱい読んでやってください。



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