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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成17年度
  「寒波襲来と動物の死」平成18年2月1日

昨年の12月には本当によく雪が降りました。雪が降ると子供達は大喜びで遊ぶことはよく解っていますので保育計画の中にも組み込まれています。しかし、雪は保育計画通りには降ってくれませんから、積雪のあった日には、その日の計画を後回しにしてでも朝から園庭に出て、ここぞとばかり、先生と一緒になって雪あそびに興じます。12月19日の朝の園庭は、30センチ近くの積雪で、雪だるまやかまくらを作って遊んだり雪合戦をしたりと子供達は大喜びでした。間無しの22日の終業式の日は、前日からの大雪で、大雪警報が発令され、とうとう、臨時休園とせざるを得なくなり、終業式をしないまま冬休みに入ってしまいました。当日は、前に降った雪が解けないままでしたので、三次の市街地でも50〜60センチくらいの積雪となったでしょうか。隣の庄原市高野町では2メートルと聞きました。幼稚園を昭和46年に開園して以来の34年間は、20〜30センチくらいの積雪は毎年のようにありましたが、幼稚園を雪で臨時休園したのは初めての出来事でした。
この度の急激に襲来した寒波で、幼稚園のウサギとヒツジの「クリームちゃん」が死んでしまいました。通常、自然界の中の動物は、夏が近づいてくると毛が抜け始め、夏の暑さに対応します。そして、だんだんと寒くなってくると、毛を増やし厚みを増して寒さの中でも元気に過ごします。そのことができない動物は穴の中で冬眠します。ところが、昨年12月のような急激な寒波では、体が対応できないままに寒さに遭遇します。この度、死んでしまったヒツジは、平成9年に生まれた満8歳のヒツジでした。生後数ヶ月のヒツジを、高宮町にある「ニュージーランド村」から寄贈して戴いたものでした。人間で言うと60〜70歳くらいと聞きますが、少しばかり、早死になってしまいました。
ヒツジが死んだのは終業式の日の臨時休園になった日ですから、多くの子供達はヒツジの死を知らないままでした。それでも、プレイルーム(預かり保育)の子供達は、臨時休園となった終業式の日も登園していましたので、今にも死にそうなヒツジを気にしては小屋の周りに集まってきます。「大丈夫?」、「死んだらダメだよ」と覗き込んだり声をかけたりしながら心配していました。
今までヤギやヒツジが死んだ時には、保健所で埋葬許可をもらい、私自身が、スコップを使って山で穴を掘り死体を入れ、キツネが掘り起こさないように、その上に石灰を撒いてから土をかぶせて埋めていました。今回は、ヒツジの様子がおかしくなり、立ち上がれなくなった時から、保護者の方でJAに勤められている、えびすいまなみちゃんのお父さんや、ふじやませいたくん、なおやくんのお父さんが、連日、様子を見に来てくださったり、獣医さんの手配をしてくださったりと、随分とお世話になりました。そして、家畜商の方に連絡していただき、雪の中、岡山からの帰り道に立ち寄って戴いて、死んだヒツジを引き取ってくださいました。有り難いことでした。
私は子供の時、農家で生まれ育ち、家にはウシやヤギやブタ等の家畜がいました。ヤギに餌をやったり乳を搾ったりするのは子供の仕事でしたので、小学生の時から世話をしていましたが、その時も、ヤギの死に遭いました。その死体を肩に担いで野原に運び、一人黙々と穴を掘って、土の中に埋めた経験があります。ところが、小学生でしたので余り深く掘ることができず、浅かったことと、また、石灰を撒いておく知識も無かったので、次の朝、その現場に行ってみると、キツネが土を掘り起こし、一番上になっていた顔を食べていて、顔の骨が剥き出ていました。
動物を飼育するということは、「死」という現実に直面するということでもあります。
幼稚園で飼育している動物も、子供達がいくらかわいがっていても、いつかは死にます。ウサギはさくら組(年長)の子供達が小屋の掃除をしたり餌をやったりして世話をしてくれていました。
12月4日の音楽発表会に向けて練習をしていて、十分に掃除が出来なかったことがあり、ウサギが死んだ時、「あの時、掃除してあげんかったけぇ、死んだんかね〜」と、自責の念でつぶやいている子もいました。
ヒツジが死んだ時も、ちょうど同じ頃におじいちゃんが亡くなった、もも組(年中)の子が、「おじいちゃんが死んでみんな泣いたけど、もう仕方がないんよ。だから、おじいちゃんのこと忘れんようにしておいてあげたらいいんだって!! クリームちゃんのことも忘れんようにしてあげたらいいんよ」と、話してくれました。うめ組(年少)やさつき組(満3歳児)の子供達は、まだ死についての理解が難しいようで、家から持ってきた野菜を、「ここに置いといたら、また帰ってくるかもしれんよ」と、空き家となったウサギ小屋の中にたくさん入れていました。
このように、一生懸命、世話をしたり、かわいがったりしていた動物の死に直面することは、衝撃と悲しみの気持ちと同時に、命の尊さ、大切に思う心を獲得していきます。おじいちゃんの死にも直面した子もいました。おそらく、いっぱい、いっぱい、かわいがってくれたおじいちゃんだったに違いありません。優しさをしっかり受けて育った子は、人を思いやる優しさと意志の強い子になります。
テレビゲームのようなバーチャル(仮想現実)の世界で、相手をやっつけて殺したり、何かを育てたりするゲームでのあそびには感情が無く、攻撃的で、すぐにキレる子供が育ってしまう恐れがあります。子供達は自然と関わったり、動物と関わったりしながら直接体験し、また、周りの大人の愛情を一身に受け、人間関係や友達関係意識を培い成長して行きます。動物の死に遭ったことで、子供達の心の中に、人間としてとても大切なものが育ってくれたものと思います。
昨年の12月中旬からの豪雪はいろいろな地域で被害をもたらし、降り過ぎるのも考え物です。
この冬は寒波に見舞われることが度々あるとの予測が出ています。通常、2月が大雪に見舞われますので、その対策はしておきたいものです。



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