余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成8年度
  思いやりと科学する心  平成8年7月

梅雨の頃になると、子どもたちが、昆虫や魚捕りに夢中になります。幼稚園の保育室には、子どもたちの見つけてきた、小動物や昆虫がいっぱいです。 ザリガニ、メダカ、どじょう、おたまじゃくし、水カマキリ、ふなに金魚、そして、かたつむりやてんとう虫、くわがたやカブトムシの幼虫、といろいろいます。蟻やハムスターを一生懸命飼育しているクラスも有ります。
これらのほとんどは、子どもたちがそれぞれに持ってきてくれたものです。子どもたちは、お家に帰って、近くの野原や小川、池などで、お父さんやお母さんに連れて行ってもらい、捕ってきたものです。ザリガニを釣ったり、かたつむりを捕ったりしたしたことなどを、しきりと話してくれます。
幼稚園の庭でも、子どもたちは、虫探しに夢中です。園庭に有る小川ではアメンボや水カマキリを見つけることが出来ます。園庭の隅や園舎の横の方には、かたつむりやてんとう虫やバッタも時々見つかることが有りますが、子どもたちが一生懸命探しているのは、だんご虫(わらじ虫の一種)です。手のひらや牛乳パックを虫かごにして、いっぱい見つけてきます。お母さんからは気持ち悪いと言われるかもしれませんが、子どもたちには、だんご虫が、そっとしておくと歩きだしたり、触ると丸くなって身を守るのがおもしろいのです。
ザリガニやおたまじゃくしを飼育している子どもたちは、その生態についても、とても詳しく知っています。ザリガニが交尾する様子や卵を産んだり脱皮する様子や昼寝をする姿もしっかりと見守っています。
子どもたちにとっては、新鮮な体験で、興味津々なのです。これらの小動物や昆虫、魚などを捕ることから始まって、飼育することに夢中になるのは、子どもたちの好奇心を大いに刺激してくれるからなのです。そして、それらは子どもたちに驚きや感動とともに、もっと知りたいという「科学する心」を育んでくれているのです。
子どもたちが蜘蛛(くも)やカマキリや何か気持ち悪いものを捕ってくると、「キャー」と奇声を発せられるお母さんもいらっしゃると思いますが、そこは我慢です。その声で、子どもは興味を一度に失ってしまいます。
先日、ふだん、すごくおとなしい年長組の女の子が、「園長先生、これ見て!」と手のひらを開いて見せてくれました。なんと、やもりの死骸です。やもりよりも、その子がやもりの死骸を手に持っていることの方が驚きでしたが、そう言えば、その数日前に、すずめの子が、屋根の巣から落ちて死んでいるのを見つけて、土に埋めて、墓を作ってやっていたのもその子でした。そして案の定、「やもりのはか」と型紙に大きく書いて、園庭の隅に埋めていました。
興味を示す対象も人それぞれに違います。捕まえるのを得意とする子、水の中の生物に興味を持つ子、昆虫にすごく興味を持つ子、水槽の水を毎日替えてやることに一生懸命な子、昆虫よりもハムスターの飼育に熱心な子、生きものよりも、朝顔や野菜などの栽培に熱心で、いつも水やりをしてくれている子と、それぞれ興味の対象や関わり方が違います。
今まで、ザリガニにはほとんど興味を見せず、触ることもできなかった女の子が、クラスでザリガニ釣りに行ったとき、自分で釣ったのがとても嬉しかったらしく、お家で一生懸命飼育しています。そのようなとき、お母さんも嫌がったり面倒くさがったりしないで、見守ってやって下さい。何かに夢中になることは、その子の能力をしっかりと伸ばしているのです。
ザリガニが脱皮するのも感動的です。栽培していた植物や野菜に花が咲くのも感動です。自分たちが一生懸命世話をしていればいるほど感動が大きいのです。 そうして、一生懸命飼っていても、時々、死んでしまいます。一生懸命水やりをしていた花や野菜も枯れたり、小屋から抜け出した山羊が食べてしまったことも有ります。今度は、死なないようにもっと注意をはらっています。枯れないように、水やりの調整をしています。
一生懸命育てていただけに、死んだり枯れたときの悲しみは大きいのです。そのことが、また、心を育ててくれているのです。
自分の不注意で死んでしまったことも、いたずらが過ぎて死んでしまったことも、心の痛みとして残ります。
その心の痛みが、命を大切にする心や思いやりの気持ちを育み、楽しく遊んだ思い出が、川が汚れるのを悲しみ、自然を大事にする人へと成長するのです。
「命を大切にしよう。」と口で言っているだけでは、本当に命を大切にする子には、なかなかなりません。様々な経験の中から、身体を通して学んでいくのです。
小学校の高学年や中学生になって、理科の勉強をしなさいと言っても、なかなか興味を示してくれない子がたくさんいます。その原因の多くは、子どもの時、自然の中で夢中になって遊んだ経験が少なく、あるいは、「気持ち悪い」「汚れるから」「そんなことばかりしてから」と、飼育したり採集したりすることをやめさせられた経験から来ています。
子どもが夢中になってしていることは、興味が有るからなのです。楽しいからなのです。子どもの能力や特性を育むには、その好奇心や楽しさを十分に保障してやることです。
子どもは、好奇心の塊なのです。それを満足させてやることが、知識欲や探求心につながり、将来、勉強しようとする意欲や態度が育つのです。
幼児期は、直接体験を通して、大きく育つのです。物事に挑戦したり、友達と仲良く遊ぶ友達関係意識や思いやりの気持ち、勉強する意欲や生活の態度は、幼児期に大きく育まれ、その人の人間性となっていくのです。
子どもにとって原体験となる生活経験をしっかりとさせてやって下さい。



BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008