余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成18年度
『あぶない!あぶない!がもっと危ない』
平成18年10月1日
すっかり秋めいてきました。吹く風が秋の香りを運んで来ます。私は秋の気配が大好きです。空の雲がのんびりとして見え、山々が色づき“日本らしさ”を感じるからです。(おいしい物がたくさんある季節の到来だから……というのも理由のひとつかも……。)秋の香りといえば、ご存知の通り我が家は田畑に囲まれています。秋になると稲を刈る匂いがあたり一面に漂い、お嫁に来てからというもの、これが私にとっての“秋”を感じる代表的な物になりました。
今月の初めにさくら組の子供達が、我が家の田んぼへ稲刈りに来てくれました。5月に子供達が田植えをしてくれた部分だけ刈り残しておいたのです。これまで田植えはここ数年毎年経験させていましたが、稲刈りはいつも計画倒れでした。今年は色々なタイミングが良く、やっと念願の“稲刈り体験”をさせることができました。
しかし、はたしてどうやって刈ればいいだろう。さくら組の先生達も園長先生も私もなかなかいい方法を考える事ができません。普通で考えれば鎌以外にはないのですが、たった5歳6歳の小さな子供達には危なくてとても無理だと思ったからです。考えに考えたあげく、はさみで切ろうかという事になっていました。だけどどうも納得いきません。だって稲刈りは鎌で行うものだからです。稲刈りを経験させたいのに本来の方法と違えては、本当の経験をさせた事にはならないような気がしてなりませんでした。家に帰ってもその事ばかり考えていました。本当に鎌を使わせる事は無理なのか──私は何度も田んぼに行き子供に鎌を使わせるにはどうしたらいいかと自分でもあれこれとやってみました。一人ひとりに鎌を持たせ、後ろからまわって手を添えればできなくもないかも……それなら経験した気分にはなれる……そう思いました。その翌日、職員室に理事長先生が来られ稲刈りの事を話しました。「今、どうやって刈ろうかと思案中です。」と言うと「どこかの小学校で鎌で稲刈りをしていたよ。幼稚園の子供でもできるよ。ひとりでやらせてごらん。」とあっさりと答えられてしまいました。「え〜っ!!危なくないですか?」先生達もそれが一番いいという事はわかっているのですが、危険だという心配が先にたってしまって決断できなかっただけなのでした。理事長先生に背中を押され、十分に安全策を考えて鎌を持たせる事にしました。
そして当日、子供達が身支度をして意気揚々と田んぼにやって来ました。5月に植えた緑色の苗が黄金色の稲に姿を変えている事に感動していたようでした。私は念入りに鎌の使い方を説明しました。子供達も熱心に話を聞いています。やりたくてたまらなさそうでした。ザクザクと稲株を踏んで歩く音が弾んで聞こえました。一人ずつ呼んで、まず一株目は先生と一緒に手ほどきを受けながら刈ります。「足をぐっと開いて!稲をぎゅっと握って!鎌を引くように!」───二株目からは一人で鎌を片手に刈ります。先生達はハラハラしながら見守ります。子供達の顔は真剣そのものでした。油断したりふざけたりしたら危険だという事がわかるからです。稲を刈る音が鋭く(これはタダモノではないぞ)と感じるからです。そうやっ て刈った後の満足そうな顔(^.^)。そしてもう一株。どんどん上手になりました。
デモンストレーションに理事長先生や家のおじいちゃんも稲を刈って見せてくださいました。その速さに歓声が……。こうやって見たり聞いたり体験したりする事で、危険性を理解するのです。“あぶない!あぶない!”と言われているだけでは本当に危険な物だと実感しないでしょう。恐ろしい事に、いとも簡単に刃物を持ち歩き人を傷つけてしまう事件事故があります。本当に危険な物は危険な物として扱い、大切な物は大切な物として考えられるようになるためには、そう感じさせる経験を与えなければならないのだと思いました。安全に使うにはどうしたらいいか、どこまでなら安全でどこまでしたら危険かという加減を知るのです。その加減を知らないと、「つい!」という事にもなり得ます。もちろん年齢に合わせて与える事は必須ですよ。そろそろいいかな?とチャンスをみつけてあげてください。ママの夕食の支度を手伝いながらお茶碗を落さないように運ぶ、パパの日曜大工を見ながら金槌の使い方を知る等、見たり聞いたり体験したりしながら正しい使い方を知るのです。私も今回あらためて思い知らされたのでした。
子供達って真剣に活動したり遊んだりしている時は怪我も少ないと言われます。頭にも体にも心にもグッと力が入っているからです。“あぶない!あぶない!”と隠したり触れさせようとしなかったりしてそのいいチャンスさえ逃したまま大きくなってしまったら、もしかしたらもっと危ない事になるかもしれません。
自分で刈った稲を幼稚園に持ち帰る子供達の顔はとても得意そうでした。先生達は少し寿命が縮まったような気がしましたが、将来農業を背負って行けそうな子をたくさんみつけました。「もっとやりたい!!」と言いながら帰って行きました。次はそのお米でおにぎりを作って食べます。さてさて、自分達で作ったお米はどんな味でしょうか?新米・さつまいも……やっぱり私は秋が好きです。

田房葉子



BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008