余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成18年度
  『手紙』        平成19年2月1日

早いもので、新しい年を迎えてもう1ヶ月が過ぎました。1月は行く・2月は逃げる・3月は去る…とはよく言ったものだと毎年思います。同じように、この時期になると毎年思う事があります。…というのも、1月から2月にかけて年中組と年長組で流行るあそびがあります。『ゆうびんごっこ』です。このあそびに夢中になっている子供達の姿に考えさせられることがあるのです。
今年も我が家に年賀状が届きました。以前勤めていた京都の幼稚園の教え子達から、遠い友人から、ご無沙汰している方々から、身近にいる子供達から…そして、幼稚園にも先生達にたくさんの年賀状が届いていました。それを一枚一枚読みながら、(手紙っていいなぁ)と思うのです。今の世の中、スピード時代になって、手紙より携帯電話やパソコンを利用してのメールでのやりとりが普通になってきています。新年の挨拶でさえメールで済ませる人も多くなっているようです。確かに自分の今の気持ちをリアルタイムに伝えたり返事を急ぐという時には、最良の方法であると思います。私もやっと覚えたパソコンを触りながら、メールのやりとりをすることも多くなりました。しかし、子供達から届く手紙の文字や絵を見たり、遠い友人から届いた便箋に綴られた手紙を読むと、メールとは違う気持ちで相手の気持ちが伝わってくるのを感じるのです。
職員室にいると、クラスの郵便配達役の子が「ようこせんせい!ゆうびんで〜す!」と先生達が用意しているはがき代わりの画用紙を届けてくれます。その字はまだまだたどたどしくて、読み取れなかったりしますが、少なくとも、この手紙を書いている時は私の事を想いながらしたためてくれているのです。時間がかかればかかるほど、その間相手の事を想っています。その様子が一枚の手紙からわかるから感動します。まだ字が書けない子は「ようこせんせいをかきました」とかわいい絵を描いてくれています。“葉子先生”をかわいく描いてあげようと一生懸命だったことがわかるのです。そして、その想いに応えようと返事もまた時間をかけて書きたくなります。「お返事はまだかなぁ〜」と、すぐに届かない返事が…このじれったい『間』が、なんとも心と心をつないでいる時間になっているような気がするのは私だけでしょうか?
少し…いやかなり古いですが♪文字のみだれは線路のきしみ?愛の迷いじゃないですか?♪という歌詞の演歌がありました。(古すぎ??)文字には、その人のその時の気持ちが見え隠れします。上手な字、下手な字ではなくて、どんな気持ちでしたためられたものかを察する事ができます。書くという事はメールより時間も手間もかかるけれど、書いている間に相手を想いながら気持ちを文字にし、即答されない返事を待つ間もまた相手を想う…。もしかすると、この『間』が人を思いやる事ができたり冷静に物事を考え行動に移すという心のゆとりにもつながるのではないかと思うほどです。
共働きの両親をもつ子供が学校から誰もいない家に帰った時、ふと見たテーブルの上に“おかえりなさい。”と一言置手紙がしてあったとしたら、その子はどんなに嬉しいでしょう。(お母さんやお父さんはお仕事をしていても僕の事を思ってくれているんだな。)と愛情を感じる事でしょう。そして、もっと深く考えることができる子ならば、本当は、家にいて「おかえりなさい。」と言ってやりたいのだけれど…せめて…という親の気持ちを察することでしょう。
先月、講師に沖田孝司先生をお招きしておこなった教育講演会で、ヴィオラの楽しい演奏を聴かせてもらった年長組の一人の女の子が2日後、担任の先生に「これを沖田先生に送ってください。」と一通の手紙を持って来ました。それには、素敵な演奏を聴かせてくださった事へのお礼とまたいつかお会いしたいといった内容が、可愛い絵と一緒に一生懸命書かれていました。思った事や考えた事、感動をこんなふうに素直に書き連ねる事にエネルギーを惜しまない子供の純粋さに感心しました。その手紙は早速沖田先生に送りました。
『手紙』は、書いてくれた人の気持ちを察したり想像したり、また、自分も相手の事を懐かしんだり気にしたりする想いをはせる時間をつくってくれるような気がします。筆不精なんて言わないで、自分の気持ちをどんどん文字にして相手に伝えてみてください。いい言葉やきれいな文章を並べなくても、相手を心から思いながら書いているその時間が貴重で意味深い事なのです。そして、必ずその気持ちは相手に伝わります。年明け以来、職員室では先生たちに届いた年賀状を見せ合いながらその子を懐かしんだり、居ても立ってもいられなくて、表書きの住所を見て連絡をとっている先生もいます。日頃はなかなか連絡がとれないでいても、こんなふうに時折届く『手紙』をきっかけにお互いを気にとめ、心と心とを通わせる事ができます。
今日も職員室に郵便屋さんに扮した子供達が手紙を届けてくれます。「ようこせんせい!ゆうびんで〜す!」──。さてさて、今日はなんて書いてくれているかな?職員室で受け取った園長先生と私は、たどたどしく書かれた文字と文章の解読に悪戦苦闘です。

田房葉子



BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008