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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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平成18年度
 『旬な気持ち』        平成18年7月1日

ついこの前、子供達に、「入園おめでとう!進級おめでとう!」と声をかけていたのに、気がつけばもう7月……1学期最後の月になりました。見るもの聞くもの全てが新しくて……がゆえに、泣いたり笑ったりの毎日だった年少組、年中組、満三歳児クラスさつき組の子供達も、何とか落ち着いたようです。この1学期の間に、子供達は色々と新しい事を経験しました。特に年長組は、田植えやさつま芋の苗植えに大奮闘でした。毎年、田植えは我が家の真ん前の田んぼで行います。芋畑もすぐ近くということもあり、私は時々苗の様子を見に行きます。(秋の収穫まで気が抜けません。フ〜ッ)
田植えから少し経ったある日の事、朝の通園バスで年長組の子を迎えに行きました。するとバス停の横にある田んぼをお母さんと一緒に覗き見ています。私が、「おはようございます!」と言うと慌ててお母さんはその子の手を引きバスに走り寄り、「すみません!田植え以来、何だか田んぼが気になるようで……。」と笑って話してくださいました。その次の日は、「田んぼの中におたまじゃくしを見つけたようで……。」と、毎日母子で田んぼの観察をされている様子でした。子供達には、私達大人には見えないものが見える『心の目』があるようです。不思議な事をとことん不思議だと感じる心、どうにかして知りたいと思う心、今すぐやってみたいという衝動にかられる程おもしろいと感じる心──見たり触れたりする事で心に衝撃的に映るのです。『心の目』……これは私達大人も、かつて持ち合わせていたはずなのです。目に映るものが、長年生きているうちに“毎度の事”になって、子供達と同じようには心が揺さぶられなくなってしまっているのです。そんな気がしませんか?
年少組のあるクラスでは、《そらまめくんのベッド》(なかや みわ作・絵 出版 福音館)という絵本を読み、子供達がそらまめを見たことがないんじゃないかと、先生が家の畑から見事なそらまめを人数分採って来て、子供達の手にのせてやっていました。「ようこせんせい!みてみて!このなかにそらまめくんがネンネしてるんよ。」と絵本とそらまめの話を一生懸命私にも話してくれました。年中組は、プランターにプチトマトとキュウリの苗を植えました。自分達で水をやった苗がぐんぐん大きくなって、ミニチュアのようなかわいいトマトやキュウリができているのを見つけたときにはどんなに嬉しかったでしょう。お家でもそんな話をしていませんか?いつになったら食べれるんだろうと毎日見ている子供達にとってそれは、まさしく『旬な気持ち』なのです。“今だからこそ”“今ならではこそ”味わえる気持ちです。
年長組の田植えの数日後、外出から帰った私に義父が、「さっき、田植えをした男の子がお父さんと一緒に田んぼを見に来たよ。自分が苗を植えた田んぼをお父さんにも見せたかったんだろう。少し話して帰って行ったよ。まだその辺にいるんじゃあないか。」と教えてくれました。私はすぐに外に出て見てみました。すると、車が停めてある所に向かって、お父さんとその回りをピョンピョン飛び跳ねながら歩いて行く子供の二人の姿が遠くに見えました。田んぼから車までの間のお父さんとその子の会話はどんなに弾んだことでしょう。その姿は、遠くで見ても実に温かく微笑ましいものでした。自分が田植えをした田んぼをお父さんにも見てもらいたいと思う気持ちも、よその田んぼが気になったり、田んぼの中にオタマジャクシを見つけて喜ぶ気持ちも、そらまめを初めて見て「みてみて!」とはしゃぐ気持ちも、いつ食べれるかとトマトやキュウリの生長を楽しみにする気持ち・・・これらはみんな『旬な気持ち』です。時間が経てば話題にすらしなくなります。それは、次から次へと興味が移るからです。この『旬な気持ち』の時に、どうか一緒に子供が『心の目』で見て感動しているものに共感してあげてください。子供達の心に、忘れることのない思い出として知識としてさらに強烈に刻まれるはずです。ジ〜ッとお子さんを見ていてください。急におしゃべりになったり、夢中になったりするはずです。その時は『旬な気持ち』になっているかもしれませんよ。
毎日食べている白いご飯……それまで、(これはどうしてどうなって僕や私の口のなかに入るのだろう?)などと思ってもみなかった子供達も、自分の手で田植えをしてみてほんの少し関心を持ちます。それが、秋の収穫をする事で、再び田植えの時の感動が甦り、稲穂を目の前にやっと、「な〜るほど、お米はこうしてぼくたち私達の口にはいるんだ。」と納得します。幼稚園の生活の中には子供達が味わうことのできる『旬』がたくさんあります。新しい経験がいっぱいだからです。その時その時の子供達のはやる気持ちに耳を傾けてあげてください。感動を共有してくれる、聞いてくれる人がある事は実にしあわせです。私達大人もまた、そうしていくうちに、昔どこかに置いてきてしまった『心の目』を取り戻せるかもしれませんよ。(まだまだ純粋でいたい私。・・・苦笑) 
『旬』の魚や野菜ももちろんおいしいのですが、子供達の『旬な気持ち』───これもまた格別なんだな〜(^_^)v。子供達の『旬』は、食べきれないほどた〜くさんありますよ。
お子さんと一緒に味わってみませんか?

田房葉子



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