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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成19年度
『裏舞台』        平成20年9月29日

「地球はどこかおかしくなっている」と言われ始めてから、何年経ったでしょうか?地球温暖化・環境問題・エコ…等という言葉を随分耳にしてきました。だけど、地球も頑張っています。少し様子はおかしいですが、空を見上げれば、いつの間にか秋の空に秋の雲、吹く風は秋風でその優しい風にコスモスが揺れています。裏山に行ってみれば、栗の木や柿の木に実が生っています。地球は忘れずに私達に過ごしやすい実りの秋をちゃんと届けてくれたようです。
そんな中、幼稚園では秋分の日に秋季大運動会を行いました。確か、昨年の『葉子先生の部屋』の10月にも運動会をテーマに書いたと思います。今年は違うテーマで…と思いましたが、運動会を終えて、まだ興奮冷めやらぬままの執筆なので、どうしてもここから外れる事ができませんでした。
さて、今年のお子さんの晴れ舞台はいかがでしたか?いつも決まったように行われる運動会ですが、毎年毎年その日を迎える気持ちや感動やできる思い出が違います。それは、その運動会の主役である子供達が毎年違うからです。そして、運動会当日の舞台のムードも毎年違います。きっと、保護者の皆様も、わが子の姿に様々な感動を覚えられたのではないかと思います。本番に、わが子がどんな様子になるのか心配でたまらなかったお家の方は一つひとつの出番が終わるたびに、ほっとしたり感動したりされた事でしょう。
しかし先生達は、当日までにすでに、「この経験は子供達をグーンと成長させるものだった。」と言える自信がありました。
運動会に向けての取り組みが始まったのは6月頃からでした。“運動会の練習”としてではなく、仲間意識や体を動かす事の楽しさを感じ、心や体にも強さを持ち合わせることのできるように経験を繰り返すという意識から始まりました。子供達は、毎日音楽に合わせて踊ったり友達と一緒に「どうかな?こうかな?」と練習し合う子もいました。いつも足の速い友達のフォ―ムをじーっと観察し、自分なりに研究したのでしょう、急に走り方がかっこよくなった子もいました。子供達は自分の中にある“苦手意識”や“弱さ”と葛藤したり、挑戦意欲をもって努力をしようとします。そうしながら、がんばる楽しさや達成感を味わうのです。それはそれは頼もしい限りです。実は、こうしていろんなドラマが運動会の当日までにありました。それを知っているからこそ、私達は本番に自信を持ってその日を迎えたのです。感動的な運動会はこのドラマの延長線上にありました。
特に、さくら組でのリレーは感動しました。様々な面にハンディを持つ子供達を取り巻くクラスづくりや取り組みには特に丁寧に進めてきました。子供は実にピュアです。いろいろな事をストレートにうけいれます。子供の心はもともとバリアフリーなのです。      担任の三上智子先生と専任の新家あずさ先生は、こうちゃんとだいちゃんとみんなで自然に生活したいと思っていました。そして、子供達はみんな一緒に二人の障害を、自分達ももっている個性の一つとして関わっていたように思います。だから、遠慮なく子供同士の言い合いも喧嘩もしていましたし、車いすやバギーにも恐る恐るさわるのではなく、まるで手をつなぐようにみんなが操作していました。そんな毎日の生活の中で障害をもつ友達への関わりや気持ちの向け方を先生達は手探りで、子供達は自然に学んできたと思います。とは言え…と言うか、それゆえに…と言うか、運動会のリレーはクラス対抗です。勝ちたい気持ちになるのは当然のことです。だけど、一番にはなれない…子供達なりの葛藤はそれまでにあったはずです。先生に聞いたところ、子供達の口から出た言葉は、「僕たちがすごく速く走ったらいいじゃん。」だったそうです。子供達が考えた言わば作戦です。そして運動会。リレーを終えたある子に、「リレー、頑張ったね。」と言うと「うん(こうちゃんもだいちゃんも)わらっとった。」とサラッと言うのです。こうちゃんが車椅子に座って風をきりながら嬉しそうに笑っていた事が嬉しかったのでしょう。だいちゃんが歩行器で一生懸命ゴールに向かう姿に胸を打たれたのでしょう。きっと、子供達の心には、リレーの勝敗すら超える“大切な物”をそれまでの関わりの中で見つける事ができていたのだと思います。
運動会はそれら全ての集大成、その発表のために用意されたステージなのです。運動会そのものは、たった一日限りのステージですが、実は子供達と先生達にとっては毎日が晴れ舞台だったのです。昨日より今日、今日より明日…と子供達がどんどん自分に自信を持ち、変化や進化して行く手ごたえを感じる毎日…それは、まさしく感動的な舞台でした。そう考えると、もしかしたら私達は、保護者の方よりも、素敵なステージを見ていたのかもしれません。園長先生の挨拶にもありましたが、本当は、それまでのこの過程こそが大切な時間なのです。目標に向かって取り組んでいく中で色んな出来事があり、心が揺さぶられ、生きていく上で大切なたくさんの事が子供達の中に宿っていきます。この過程での成長こそ見て認めてやって欲しいと思います。そう!この裏舞台こそが、みごとで輝かしいのです。だから、みんなみんな金メダルおめでとう!!

田房葉子



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