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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成19年度
 『異年齢の学びあい』    平成21年1月30日

1月は行く2月は逃げる3月は去る…本当にこの3学期は毎年駆け足で過ぎて行きます。だからこそ、子供達と一緒にいられるこの時間を大切に過ごしたいといつも思うのです。
これまで、春夏秋と幼稚園で過ごし、いよいよ最後の季節を過ごしているわけですが、四季折々に表情が変わる園庭も、子供達の成長を見つめてきた環境の一つです。若い芽を吹く春の木々、青々と葉が生い茂る夏の木々、風の波に上手に乗って葉が舞い降りる秋…。
ちょうどこの頃、私は土曜日にプレイルーム(預かり保育)の子供達と一日中過ごした日がありました。いつものように園庭中に敷き詰められた落ち葉で、その日もいろいろなあそびが繰り広げられました。遊んで散らかった落ち葉を少し掃き集めておこうと、ほうきを用意していたら、女の子数人が、「先生!何するの?」と寄ってきました。「落ち葉を掃除しようと思っているんだよ。」と答えると、「私もする!」と言ってくれたのです。その日の落ち葉は尋常でなく大量でした。早速、子供達にほうきを用意して掃除に取り掛かる事にしました。手伝ってくれるのは、年長児も年中児も年少児もいました。少しすると、他の子供達も「僕も!」「私も!」と、どんどん助っ人として集まってくれました。
プレイルームには、満3歳児から年長児までの子供達がいます。もちろん力の差も知恵の差も動きの差もあります。そんな子供達がどうやってみんなで掃除をしてくれるのかを観察しながら私も一緒に掃除をしていました。人気は、竹ぼうきでした。とりあえずみんなが竹ぼうきを手に、掃き掃除に取り掛かります。しかし、自分の身長より数段長いほうきは、年少児では持て余します。しばらくして、自分には向いていない事がわかり困っていると、年長児の女の子が「じゃあ、○○ちゃんはちりとりを持って落ち葉を集めて!」と指示を出します。竹ぼうきもちりとりも足りなくなったら、落ち葉を入れるビニール袋を持って集める子供もいました。落ち葉で一杯になった重たい袋を運ぶのに一役かったのは、男の子でした。これには、力の差に関係なく、自分は男だから!と思った子が、頑張ってくれました。かなり重く、必死で引きずっている男の子が可愛かったです。よくみると、いつの間にか役割分担ができていました。
ご存知のように、プレイルームには異年齢の子供達が、夕方、保護者が迎えに来られるまでの時間を過ごしています。ここは、子供達がいろいろな面で学習できる場所でもあるような気がします。異年齢の子供達の生活は、学年別のクラスでは味わえない事がたくさんあるのです。これまでいろいろな事を体験してきた時間に違いがあるのですから、そこに生じる力の差や知恵の差、動きの差を子供達は感じながら生活しています。“自分にはできても、小さいからこの子にはまだ無理なんだ。”とか“○○君はすごいね。さすが!”と、いたわったり尊敬したりしながらお互いを認め合おうとします。もちろん、認め合うためには、喧嘩やもめ事も数々あるはずですが、兄弟姉妹のように一緒にいろんな事を感じ合いながら過ごせているのだと思います。
おやつや昼食の時間にも、兄弟姉妹のように過ごし、自分がこの中でどういう立場でどう行動しないといけないかがわかっているのがうかがえる場面がたくさんあります。何人かずつが一つのテーブルで食べるのですが、それも異年齢になります。小さい子が牛乳やお茶をこぼしたら、先生を頼らず、年長児や年中児が率先して雑巾を取りに行きテーブルを拭きます。手が届かないコップをその子の前に寄せてあげます。それがとても自然にできるのです。もちろん、全てをやってあげているわけではありません。プレイルームでの生活は、基本は“自分の事は自分で”なのです。それは、今家庭でも失われがちな厳しさではないでしょうか。我が子可愛さに、子供が困る前に先回りをして困らないように、お膳立てをしてしまいます。プレイルームでは、“自分の事は自分で…。”“小さい子を気にかけてあげる…。”“助け合う…。”“役割に自分なりに責任を持つ”等、いろんな事を異年齢の中で学習します。困った事が生じたとしても、お兄さんやお姉さんの良いお手本があるので、見様見真似で、自分でクリアしてみようと頑張ります。自分の本当の妹や弟ではなくても、小さい子を可愛く思う気持ちが育っていくような気がします。家では末っ子で受け身でいる事が多い子にとっては、この場所では、お兄ちゃんでいられるし、お姉ちゃんでもいられるのです。それは、まるで大家族のように、子供達同士で助け合おうとするのです。喧嘩になってもいつも仲良く一緒に過ごしている仲間には、手加減ができます。その喧嘩の中で、相手を思いやる気持ちやどうしたら友達とうまく関わって生活していけるか等を会得します。こうして、子供達はお父さんやお母さんの迎えまでの時間、家庭では味わえない学習をしていると私は思います。そこにいる子供達は、実にたくましく見えます。家庭とプレイルームのどちらが子供達にとって良いかという問題ではなく、その中でどう子供達を育てるかを意識して環境を整えていかなくてはいけないという事なのです。家庭での異年齢もそう考えると、子供達にとって大切な環境なのです。

田房葉子



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