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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成19年度
食わず嫌い          平成20年7月1日

梅雨を感じさせる毎日になりました。そんな中でも、子供達はプールあそびを楽しんでいます。これからどんどん暑くなり、水あそびもますます活発になってくることでしょう。
しかし、子供達の中には、そのプールあそびを苦痛に感じている子も案外います。プール開きとなる6月初日、さぞかし喜んで水着を持って来るのだろうと思いきや、持ってこない子、お母さんに叱られて仕方なく持って来た子、後からこっそりお母さんが届けてくださった子もいました。勿論、喜んで持って来た子がほとんどですが、みんながみんなそうではなかったのです。年長児ぐらいになると、それまでにプールあそびをしていて、嫌な思いや不快な事があった等、何かのきっかけでプールあそびに消極的になってしまった、という事はあるかもしれません。しかし、まだ幼稚園でのプールあそびを経験していない新入園児達が、それが楽しいものやら辛いものやら知らないはずなのに、何に対して?どうして「嫌だ!水着は持って行かない!」と言うのでしょうか。
「水着は、持って行かない!」と言っている子に「どうして?」と聞くと、その子は私に、「コンコン」と咳をしてみせるのです。(私は、風邪をひいているの。だから、プールに入ってはいけないの。)と言いたかったのでしょう。連れて来られたお父さんに聞くと、「体調は すこぶる元気です!」と言われていました。「だって、雨が降りそうなんだもん。」と青く晴れた空を指差して言う子…。いかに、プールに入らなくて済むかを色々と思案しているのです。「どうして、入りたくないの?」と聞くと、しばらく考えて…「どうしても!」と答えました。理由が見つからなかったのでしょう。だって、幼稚園のプールあそびはまだした事がないのだから。嫌な原因は自分にもわからないのです。
ある朝、水着を持って行きたがらないでいる年少組の男の子に、「どんな水着なのか見せてね。後でお部屋に行くから、着て見せてね。」と約束をしました。そして、プールあそびの時間にその子に会いに行き、「どれどれ、どんな水着?見せて。」と言うと、朝の約束を覚えていてくれたようで、プール袋の中から取り出して水着を広げて見せてくれました。「わあ!かっこいい!きれいな色だね。着て見せてよぉ。」と言うと、少しその気になってくれて着替え始めたのです。水着を着たその子は、少し得意顔でした。「やっぱりかっこいいよ!よく似合う!」と褒めた途端、いきなり脱ぎ始めました。(見せてあげたからもういいでしょ。)というわけです。私は慌てて、「待って待って!せっかく着たんだから、少しプールに入っておいでよ。今日は暑くて汗がいっぱい出たから、冷たいお水が気持ちいいと思うよ。楽しいよ。」と話してやりました。それから、間髪入れずに担任の先生が、外へ誘い出しました。そこからは、先生の“魔法の言葉”に誘われて、プールに入って行きました。プールから出てきたその子は、とてもニコニコ顔でした。それからは、毎日水着を持って来て、プールの時間を楽しみにするようになったといいます。
“食わず嫌い”という言葉があります。それが何でどういうものなのかを分からないまま、拒んだり避けたりすることです。文字通り食事に関してもよくあります。食べてもいないうちから「これ、嫌い!」と言います。それは、ただ単に、口に入れる勇気がなかったり不安だったりするだけなのです。食べた事がないからちょっと不安なのです。誰だって初めての事や物に対しては、多かれ少なかれ警戒します。その警戒心以上に、興味や関心、好奇心が深い時に食べてみようやってみよう!と行動に移せるのです。
赤ちゃんは、好奇心を持って行動します。目が離せなくなる頃です。目の前にある物がたとえ危険な物でも、どんな物なのかを試そうとして、自分の口に持っていったり手で触ったりします。怖い経験や危ない思いをまだ味わった事がないから、興味だけで行動します。それが、少しずついろんな経験をしていくうちに物事の分別がつくようになり、臆病になったり警戒心をもつようになったりするのです。成長の印なのかもしれません。しかし、その向こうにある本当の楽しさやおいしさを知らないまま大きくなるのは、ある意味不幸です。何かきっかけをつくって、それに正面から向かわせてやらないと、ただの“食わず嫌い”が本当に自ら“苦手意識”の壁をつくってしまう事になり、その先はあえて挑戦しなかったり、受け付けなかったりして、自分のものにしようとしなくなるのです。
“為せば成る、為さねば成らぬ何事も”という言葉がありますが、やってみなくっちゃわからない!子供達自身に挑戦する気持ちを持たせる事もですが、そういう気持ちを奮い起こさせるきっかけをつくってやってほしいと思います。もともと子供達は好奇心のかたまりなのですから…。やってみたら楽しかった、食べてみたらおいしかった、という気持ちを味わえた子供は幸せです。幼児期の間は、新しい経験を自分の力にするために、“食わず嫌い”の壁を乗り越えさせるきっかけはおおいに必要だと思うのです。乗り越えるコツがわかったり、その先にある“おもしろさ”を味わえたら、そのうちに“食わず嫌い”の壁はつくらなくなるような気がします。

田房葉子



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