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幼稚園からのおしらせ
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『ありがとう!』       2019年5月31日

今年のゴールデンウイークは、10連休というこれまでにない長さで、「長すぎて…」と「長いおかげで…」と良くも悪くも、いろいろと取り沙汰されました。私は、こんな事はそうそうあるわけではないのだから……と、手付かずになっていた、家の片付けに精を出しました。この春、ひとり暮らしを終え就職をした娘ふたりの家財道具一式が一度に引っ越し業者から届けられ、3月から今までずっと倉庫に入れ込んだままになっていたのです。10連休のほとんどをその時間に費やしました。

そんな中、幸せのおすそ分けをもらった一日がありました。23年前に担任した女の子の結婚式に招待を受け出席させていただいたのです。卒園してからも会う事が多く、結婚の報告も直接してくれて嬉しさもひとしおでした。楽しくて優しくて芯が強くて可愛い女の子が幸せな花嫁さんになる姿をお祝いしたい気持ちでいっぱいになりました。当日、式場に着くと、すぐにご両親に会えました。安心と喜びと花嫁の父母だけが感じる寂しさが入り混じった表情に、「本日はおめでとうございます。」と言いながら胸に込み上げるものがありました。式が始まり、お父さんと腕を組んでチャペルに現れた花嫁は実に可愛く綺麗で可憐で…、そしてバージンロードの入り口で、お母さんに真っ白なベールを下してもらうその母子の姿に涙が溢れてきました。披露宴では、終始笑顔で楽しいひと時を過ごさせてもらいました。そして、最後、新婦がご両親に宛てた手紙を読みました。幼かった頃の思い出やこれまでの感謝の気持ち、これから彼と幸せになる誓い等が書かれた手紙でした。『お父さんには、一度も怒られた事がない。反抗期だった頃も学校から帰る車中で会話のない中、くしゃみを一つした私を気遣って、黙って何も言わず冷房を切ってくれた──そんな優しいお父さん。仕事で活躍する姿をいつも尊敬していた。同じ女性として輝ける生き様をその背中を見せて教えてくれた。いろいろな話を聞いてくれた──そんなお母さん…………今まで本当にありがとうございました。お父さんとお母さんの娘で幸せでした。』

 親子の間では「ありがとう」とわざわざ言葉にしない時もたくさんあると思います。お父さんもお母さんも、「ありがとう」と言って欲しいなど思わないまま過ごしています。言葉はなくてもその関係が崩れない“信頼”で結ばれているからです。お母さんがご飯を作る、洗濯をする、掃除をする──お父さんと一緒に遊ぶ、お父さんが壊れた物を直す、毎日仕事に行く等々、いつもその姿は目にしていても、毎日の事であまりにも日常過ぎて、実は、そのほとんどが、自分達のためにしてくれている事で、それはとてもありがたい事なのだと意識しないまま日々過ごしているのです。また、親の方も、大切な我が子のためだから、家族のためだから、当たり前にそうしているのです。しかし、子供達はちゃんと“山より高い父への恩と海より深い母への恩”を潜在意識としてもっています。

 年長組の女の子二人が、可愛い小さなお花を集めていました。「これ、お母さんに持って帰ってあげるの」「プレゼントしようかな〜って思って…」と見せてくれました。そこには、こんなメッセージが書かれていました。『いつもごはんをつくってくれてありがとう』──可愛い花をみつけたらお母さんが思い浮かび“ありがとう”の気持ちをお花を添えて伝えたかったのだと思います。幼い子が、「お母さんがいい!お母さんの所へ帰る!」と泣くのも、お母さんのありがたみを感じているからこそ離れたら恋しいのです。お母さんはありがたい人だとわかっているからです。

 娘がくしゃみ一つして、車の冷房を切る父──親としては当たり前の事にでも、大人になるまでずっとあの日の事に心の中で「ありがとう」を言っていたのです。家の事も大変なのに仕事をしながら、自分達に女性として大切な事を教えてくれた母に、毎日「ありがとう」と思っていたのです。涙ながらに、ご両親への手紙を読む花嫁の姿に、素敵な親子像を見たような気がしました。時として、子育てに行き詰まり、「ありがとう」の言葉を期待してしまう事があります。「ありがたいと思って欲しいわ!!」とか「“ありがとう”くらい言いなさいよ!」と思ってしまう事もあるでしょう。それは、はたして、感謝してもらえているのだろうかという不安な気持ちの裏返しかもしれません。でも、大丈夫。子供達はお父さんお母さんが自分の方を一生懸命に見てくれている事を感じていればちゃんとわかっているはずです。自信を持っていいのではないでしょうか? だって、“信頼”で固く結ばれていますから……。

 でも、お父さんお母さんの方からは、子供達にたくさん「ありがとう」と言ってあげてください。何かをした事で、お父さんやお母さんが喜んでくれているとわかり、その時の心地良さを感じれば、ちゃんと「ありがとう」と言える子になるのではないかと思います。社会の中では、感謝の気持ちはきちんと言葉にして伝えないと、分かり合えず関係が築けなかったり壊れてしまったりする事があります。その間にいくら“信頼”があったとしても、親子ほど強いものではないからです。ありがたい場面に出くわした時は、一緒に「ありがたいね。嬉しいね。」と“ありがとう”の言葉を誘い出してあげてください。社会の中で、幸せに生きるために“人の人たる道”を学ばせる事も大切です。

アッ!ご夫婦の間でも、「ありがとう」の言葉が必要です。それが夫婦円満の秘訣でもある……のだそうですよ。あぁ、耳が痛い(笑)

田房葉子





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