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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『お手伝いのススメ』    2021年1月6日

あけましておめでとうございます。新型コロナウイルス感染拡大の状況に警戒しながらもご家族でゆっくりと過ごされたお正月はいかがだったでしょうか?例年と違う過ごし方に、意外と新しい発見等もあったのではないでしょうか?明るい光に向かって笑顔で福を呼びながら今年一年を過ごして行きたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

さて、冬休みの間、年末年始は何かと忙しく猫の手も借りたいほどではなかったでしょうか?そんな時、子供達は戦力として活躍してくれましたか?小さな手の子供達ですが、幼稚園では、クラスのため、先生のため、誰かのために…と、かいがいしく動いて手伝ってくれる事があります。これが結構頼りになります。だから、冬休み中もきっと張り切ってお父さんお母さんのお手伝いをしたのだろうなと想像します。

秋深まった頃の事です。朝、園庭の落ち葉掃きをしていたら「園長先生!小川の中にも落ち葉がいっぱい!掃除しないと!」と年少組の男の子数人が言ったので「みんなで掃除してよ~」と言うと「どうしたらいい?」と意欲を見せてくれました。「さつき組(満3歳児クラス)のテラスに置いてある“熊手”を持って来て!」と頼むと、「ん?なに?なんだって?」と初めて聞く名前に戸惑っていました。「とにかく行ってごらん。行ったらわかるから。」と行かせました。聞いたままを伝えたのか、さつき組の先生が教えてくれたのか、みんな熊手片手に小川に戻って来ました。その熊手は子供達でも使える小型の物です。どうやって使うのかわからないまま、初めて手にした熊手に嬉しそうでした。私は、その子供達に、「クマの手みたいでしょ、だから“熊手“って言うんだよ。」と教えてあげると小さな手で熊の手を真似してみて「はぁはぁ、ホントだ!」と納得!その後で、水の中からたくさんの落ち葉をすくって取る使い方を教えてあげました。私がして見せると面白がって「ぼくがやる!貸して!貸して!」と言ってせがまれた程でした。それから、その子供達は一所懸命に落ち葉をすくってくれていました。みんなで「ここに集めよう!」「こうやったらいっぱいすくえるよ。」「あっちの方がいっぱいあるよ。」「集める競争しようよ。」「よーいドン!」と、もはやあそびと化していました。きれいになった……とは到底言える感じではありませんでしたが、「園長先生!いっぱい集めたよ。クマの手”で上手に集めた!」と最後は得意気でした。その子達は手伝いというよりは遊んで楽しかった方が大きかったようでした。それでも「ありがとう!きれいになったわぁ。またお願いね。」と言うと「うん!またしてあげる!」とドヤ顔で違うあそびに行きました。

先生達はよく子供達に簡単なおつかいを頼みます。事務所にセロテープ等をもらいに行ったり、職員室の私の所まで先生からのお届け物を持って来てくれたりします。子供達は頼まれる事をよほどの事がない限り断る事はありません。それどころか、競うように「ぼくが行く!」「私が行く!」と言って手伝ってくれます。頼まれる事が嬉しいのです。そして「ありがとう」と言ってもらえる事も、先生の役に立てた実感が得られる事も嬉しいのです。

毎週水曜日にクラス毎にパンを分け入れたかごを各保育室に運ぶ手伝いをしてくれる年長組の男の子がいます。ある日手伝ってもらった事がきっかけになり、必ず、水曜日には声をかけなくても自分の仕事として職員室に来て手伝ってくれるのです。その子に先生が「小学校に行ったらこのお手伝いどうする?」と聞くと「水曜日は、幼稚園に来てパンを配ってから学校に行く!」と可愛い事を言ってくれるほどです。

子供達がしてくれるお手伝いはもっとたくさんあります。子供達にとってのお手伝いは“仕事”という名の“あそび”でもあるようです。手伝う事で先生やお家の人から「ありがとう」と言ってもらえ、何だか自分が役に立てた事が嬉しくて、心地よくて、そして特別感も得られる、それがまた楽しい……そう思える子供達の純粋さも可愛いですが、子供達の生活の全てが“あそび”だという事です。役に立っている自分が大人の仲間入りをした気分になれるのです。また、手伝う事でいろいろな力が育ちます。クマの手に似ている熊手を知り、使い方を覚えます。先生に頼まれたから…自分が行かないと先生が困ってるからと一生懸命にその責任を果たそうとおつかいに行きます。そこには責任感が育ちます。重たいパンのかごをどうやって運べば良いかをあの手この手で考え、仲間を呼んで来たり持ち方を変えてみたりする生活力が身に付きます。そして、何より大人の人に褒められたり感謝されたりすると自分に自信が付きます。その自信は自己肯定感にも繋がり、色々な事や様々な人に自信をもって関わっていける力になります。

年長組と満3歳児に姉妹がいるあるお父さんがれんらく帳に書かれていた事ですが、家のトイレにお姉ちゃんが入っていてなかなか出て来ないなぁと思っていたところ、しばらくしてトイレットペーパーの芯を持って出て来て、「もう紙がなくなって(妹の)○○ちゃんが後で入って困るから、新しいのをつけておいたよ。」と言ったそうです。その様子にお父さんは感動して思わず抱きしめたと書いておられました。お手伝いをしっかりさせてもらってほめてもらう…お父さんやお母さんに「ありがとう!助かったよ。」と心から喜んで言ってもらえる…“家族”という社会の中で自分の存在の大きさを感じさせてもらえる…そんな生活を続けていくと、自分の事だけではなく人と楽しく仲良く生活する知恵と力を身につけて行くのです。単なる“お手伝い”かもしれませんが、実は色々な事が子供達の中に育つのです。そして、その時の頼み方だったり言い方だったり、してくれた後の言葉がけ等、子供に向ける大人の接し方によってはその育ちの大きさが違ってくる気がします。せっかく楽しんでしてくれるお手伝いです。子供達が喜んで手伝ってくれるのなら、しっかり頼ってみてください。それがいずれ、社会から必要とされる大人として活躍する時の力になるような気がします。

この冬休みは、家族でお互いに向き合う時間がたっぷりあったと思います。子供達は小さくてもなかなかやりますよ!むしろ、小さい子供達の方が気持ちよく手伝ってくれますよ。冬休みに(そう言えば、大掃除を手伝ってくれたなぁ。)(お節づくりを一緒にしたがっていたなぁ。)(お皿洗いをしてくれたなぁ。)と思い返す事もあるのでは?上手にはできないかもしれませんが、やる気はいっぱいの子供達です。「手伝いたい!手伝いたい!(育ちたい!育ちたい!)」と言ってくれる時が大切です。

大人になった我が娘に、「ちょとぉ~!洗濯物くらいたたんでよ~!」と頼んで「え~ッ~」と思い切り嫌そうな返事をされるこの辛さ……。いったいいつからこうなった??皆さん!今のうちですよ(苦笑)

田房葉子





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