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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『育てたい力』    2020年10月30日

衣替えとなり、久々に着た紺色のブレザーが小さくなっている年中・年長組の子供達…、入園式以来に袖を通した新入園児さんの少し大きめな制服姿…、どちらともとても新鮮に見えます。「良く似合うよ」と声を掛けられ、照れながらも嬉しそうに登園して来た衣替え初日の子供達が印象的でした。
さて、今年度は、新型コロナウイルスの影響で秋季大運動を開催する事が出来ませんでした。それに代わる活動として、“わんぱくチャレンジ週間”を企画しました。毎年行っていた形で出来なくても、何とかして子供達に運動会の経験をさせてあげたいと思い先生達で考えました。長い期間の中で身体をいっぱい動かしいろいろな事に挑戦しよう!そして、その姿を皆で応援したり認め合ったりする経験を楽しもう!という企画で、初めての試みとなりました。

それを企画するまでに先ず、先生達で“運動会で何が育つのだろうか?”“運動会をする意味は何?”から考えてみました。子供達は、幼稚園での日常生活の中で走ったり跳んだりしてたくさん運動をしています。三次中央幼稚園の庭には、小川やお山、大きなアスレチック、鉄棒、子供達が掘り返して遊び込んだためにできたデコボコの園庭、そして、その園庭に植えられたたくさんの木々……これは幼稚園に居ながらにして自然の中で遊び込める、子供達にとっては幸せな環境だと思っています。小川の岸から岸へジャンプして渡ったり、裸足で水の冷たさを感じたり、滑らないように踏ん張ってお山を登ったり下ったり、高い所から飛び降りたり、また、デコボコした園庭で転ばないようによけたり跳び越えたりしながら走って追いかけっこをして遊びます。このように子供達は身体をいっぱいに使って夢中で遊びながら知らず知らずのうちに身体能力を高めています。身体が鍛えられているならばそれで十分ではないか。それをあえて“会”にする意味はどこにあるのだろうか?と、教育の原点に立ち返るつもりでその意味を探ってみました。

私達は、「子供達の健康な身体を育てる」それに加えて、「生きるために必要な力を育てたい」と思いながら保育をしています。“苦手だと思っている事も頑張る”“目標に向かって努力する”“みんなで力を合わせる事の楽しさや大切さを感じる”“ルールを守ろうとする”“友達や自分の力を認め合う”“最後まであきらめない”等々──これから先、自分を支え、生きる勇気とエネルギーの土台となる力です。運動会では、様々なルールを持たせた競技やひとりの力ではできない演技をします。日々のあそびにはない競技上のルールを意識的に守りながら、日々のあそびで習得した身体能力を発揮します。ルールを設けられた平等な舞台の中で、ある時は自信を持ち、ある時は苦手意識を克服できるよう導かれます。そして、みんなの応援によって向上心を持ち、勝敗を競うものであれば、悔しい気持ちを次へのバネにもできるように──。日常のあそびでは子供達の意識は“遊ぶ”がメインです。速く走ったり、すばしっこくタッチの手を避けたりする瞬発力よりも「鬼になった、ならない」の方に子供達の意識は向きます。それが“運動会”では、運動をしている事に意識が向き、運動する事を通して、どうしたら一つの目標を達成する事ができるかを子供達に考え学ばせる事が出来るのです。そうしてみると、運動会をこれまでの形にこだわるのではなく、「育てたい力」をどのような方法で育てるか……という事にこだわるべきだと思いました。そうして考えたのが“わんぱくチャレンジ週間”でした。

何かにチャレンジするという事は、自分の中にある様々なハードルを上げたり下げたりの調節をしながら自分の力を試します。みんなと一緒にすると、友達の力を見て励まし合ったり認め合ったりしながら共にハードルを乗り越えようと頑張ります。「できない」と諦めそうな自分を奮い立たせてくれます。それは、かけっこや競技だけに限らず、一本のバトンをチームで繫ぐリレーでも、集団の美をみせてくれる遊戯や鼓隊演奏での表現でも、同じように、チャレンジする事で日常のあそびから育つ力に加え、更なる力が心と身体に育ちます。みんなで一緒にチャレンジしながらも、自分の力にチャレンジするのです。例えば、年長組が行ったリレーでは、走る事が苦手でも、自分自身としてのチャレンジは“最後まで頑張って追い越されても走りきる。そして、次の友達にバトンを渡す事”チームのチャレンジとしては“みんなでカバーし合ったり励まし合ったりしながらトップを目指す事”です。年中組や年少組、また一番小さな満3歳児クラスも、一人ひとりの…あるいはチームとしての頑張りどころにチャレンジしました。その姿を園全体で目の当たりにし刺激し合いながら過ごす毎日だったように思います。特に“わんぱくチャレンジ週間”の二週間は、園内で、“運動会”さながらに、年中組の子供達が横断幕や万国旗を作ってグラウンド上に張ってくれました。万国旗はたった2本でしたが、みんなでがんばろー!!という気持ちをいっぱい込めて作られていて、それはそれは賑やかに美しく秋空に映えていました。隣の子供の城保育園からは、「がんばれー」と書かれた横断幕で応援してもらいました。

この経験を通して「そうだ!この頑張る気持ちが凄い事なんだ!」「僕の力も私の力も、輝かせる事ができるんだ!」と、実感できる経験にしてあげたかったのです。その実感が、これからずっと子供達の心に「生きる力」として宿り続けて欲しいと願っています。

“わんぱくチャレンジ週間”が終わった翌週、園庭から、年長組が演奏した鼓隊の曲が流れて来ました。見てみると、年少組の子供達が空き箱や段ボール箱で太鼓やシンバルや指揮棒を作って鼓隊演奏(?)をしていました。年長組のお姉ちゃんお兄ちゃんがしていた入場や演技、そして退場までの流れ全てを真似ていたのです。そして、よく見ると、総指揮をしているのは年長組の子でした。どちらの顔も得意そうです。マイクを通して聞こえる年長組の子供達の声──「次はリレーですよ~並んで!」いろいろな色のカラー帽子を被った子供達が集まって来ました。学年入り混じってのリレーが始まりました。走るのは、学年対抗でも男女対抗でもクラス対抗でもなく、走る事にチャレンジしたいと思って集まった子供達で、並べたり人数調整や実況アナウンスをしてくれたりしたのは年長組の子供達でした。お兄ちゃん達に憧れて新たな目標をもった小さな学年の子供達……憧れてもらった事に自信を持ち、さらに幼稚園のリーダーとしての自覚が芽生えた子供達……。みんなみんなとても頼もしく輝いて見えました。

どうやら、“わんぱくチャレンジ週間”が子供達の中に育てた事は、私達が狙った以上だったようです。あっぱれ!あっぱれ!子供達!

※この時の様子は三次中央幼稚園のホームページのブログでも見ていただけます。併せてご覧ください。

田房葉子





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