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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『ものの見方 考え方』  2021年1月29日

もう間もなく立春、春の訪れです。心なしか、少しだけ日も長くなってきたような気がします。新型コロナウイルスのニュースの中、「今年の花粉は…」という春目前ならではの話題に耳を傾けました。これまでの日常生活様式が狂ってしまっても、季節はこうして必ず約束通り巡って来ます。なんてホッとする事か……。

さて、今シーズンは、たくさん雪が降り3学期の初めには、たっぷり雪遊びを楽しむ事ができました。雪の日の休日の事……、私の家は、街から少し外れた山際に位置していて、雪が降っても除雪された道まで降りて出るのに苦労します。怖いので、あえて家から車では出掛けません。冬ごもり気分です。雪かきをして道を広げないと出掛けられなくて、幼稚園で「雪が降って楽しい!」と思う気持ちとは別の次元で、実際は寒いやら不便やらで大変です。そんな時に、我が家から少し離れた所に住む義理のお兄さんが、車で雪をかき分けながら届け物を持って来てくれました。私が「おはようございます。この辺、雪で大変ですよ~!そんな中ありがとうございました!」と大雪に嘆きながらお礼を言うと、義兄が「いや~ぁ、ここはすごくきれいだね~、見渡す雪景色が素晴らしい。植木に被った雪や下の方の家の屋根や田んぼに積もった雪がきれいに見えるじゃない。すごい!」と雪景色を見ながら言いました。私は、その義兄の言葉を聞いて、あらためて家の周りを見渡しました。すると、それまで私が見ていた景色とは全く違って見えたのです。なるほど、この景色は他の場所では見る事ができない銀世界(少し大げさですが…)なんだな。雪どけまでのほんの数日間、楽しませてもらおうかな?と、気持ちにゆとりが持てました。

私が嫁いで間もない頃、用事があって訪ねて来た実家の母が、田植えの準備で並べられたたくさんの苗を見て、「わぁ~!きれいですね!緑色がすごくきれい!ずっと見ていたいくらい。向うの山の色と空の色と苗の緑とが何とも言えないですね。」と姑に言った事がありました。確かに、緑色に敷き詰められた苗はきれいと言えばきれいだけど、その時は、農作業の大変さを知らない母の言葉に、(何て能天気な事を言うの!)と、恥ずかしいやら申し訳ないやらの気持ちを抱きました。でも、その言葉に姑も「そうですよね~。おかげさんできれいな苗ができました。」と笑っていました。もしかしたら、姑は大切に育てた苗をそういう見方で関心を持ってもらえた事に誇りを持てたのかもしれません。大変!大変!と思うだけではなくて、見る角度や見る方向を変えてみると、見え方感じ方が全く違ってくるのです。大変な事は百も承知、でも、私達の力ではどうにもならない事ならば、共存する気持ち──受け止める気持ちで目を向けるのです。その気持ちの持ち様で幸せな気持ちになれるのです。

コロナ禍の今、私達は、世界的な歴史に残る程の大変な年をもがきながら過ごしています。そして、それはまだしばらくは続くと思われます。会いたい人にも思うように会えず、行きたい場所にも行けず、医療機関が…経済が…と、言えばきりがないくらいとても生きにくい世の中に様変わりしてしまっています。ともすれば、“不安”が“不満”に“寂しさ”が“孤独”に…人の気持ちが悲壮感に陥りやすくなっています。それでも、どこにも行けない家時間を楽しく過ごす良い趣味に出会えたり、日頃目を向ける事のなかった家族の在り方を考える良いきっかけができたりもするでしょう。また、会いたくても会えないその人が自分にとってどんなに大切で尊い存在であるかが再認識でき、もっと大切に思えるようになったり、テレワークが「働き方改革」の推進を活性化させたり……と、意外にも、違った所に光を見出す事ができて、ほんの少し気持ちが明るくなります。

どこかの中学校では、生徒達が秋に行う体育祭に向けて3密回避をベースに種目や開催方法を考え企画し、協力し合って生徒達だけで安全で楽しい体育祭を行ったという話も聞きました。また、先日、共通テストが行われました。首都圏等で緊急事態宣言が出されるほどの感染拡大の中、さぞかし受験生もそのご家族も感染を恐れながら緊張の毎日を送っておられた事だろうとニュースを見ていると、試験後の受験生がインタビューを受けていました。「今まで、健康の事を一生懸命に気を付けて支えてくれた家族に感謝しています。」とか、「オンラインでいつも先生が励ましてくださったので、孤独にならずにいられました。とてもありがたかったです。」と話していました。大人達が何とかしてこの困難を乗り越えさせてやりたいと自分達のために力を注いでいてくれている事に感謝の気持ちを抱かずにはいられなかったのでしょう。このコロナ禍を過ごしている子供達にとっては、不自由で残念な事も多いですが、制限された中で今までに例のない何もない所から、“いかにして”と知恵を働かせ考え、同じ目的をもつ仲間達と協力し合い実践する──その力は凄いものだと思います。そして、自分の力を最大限に発揮できるようにと、色々な方法で支えてもらえている事に心から感謝できる若者が、今だからこそ育っている事を感じます。もしかしたら、この世代の若者たちは、将来、奇想天外な発想を持ち、仲間を大切にし、人に感謝しながら世の中を動かしてくれる実に頼もしい人材となり得るかもしれません。

この状況、誰だって大変なのは百も承知!一つの物事を同じ角度からばかりみても、見える景色は同じです。少し、角度や場所を変えてみたら、見える景色が変わります。もしかしたら、違って見える景色の中に違う発見や光や希望をみつけられるかもしれないのです。根本的に新型コロナウイルスを解決できるものではありません。私達では、大きな事は動かせないかもしれませんが、自分自身の物の見方を少し変えてみれば、それにより失ってしまいそうな元気な心をとり戻す事はできます。

先日、卒園児のお父さんの計らいで、今年度卒園する年長組の子供達に風船をプレゼントしていただき、一人ずつメッセージを書いて空に飛ばしました。「ころなにならないでね」「ころなにきをつけて」等と書いた手紙が、風船と共に空高く飛んで行きました。それから数日後、愛知県と滋賀県に飛んで来たとの連絡がありました。一つは障害者施設に届き、電話をいただきました。もう一つは幼稚園帰りの親子連れの手で拾われ、拾ってくださったお母さんとそのお子さんから手紙が届きました。『コロナ禍の中、世の中も暗い話が多く大変な事も多い中、つけられていたメッセージで、家族、友達に話して、みんなとても温かい気持ちになり、頑張るパワーになりました。』と書かれていました。そして、拾ってくれた男の子の兄弟二人の写真が添えられていました。子供達のメッセージは、世の中の危機を抑え込むワクチンほどの効果はないかもしれないけれど、遠く離れた場所に住む“ともだち”と、共に希望を持って生きよう!と心通わせる事が出来たのは、ワクチン以上(?)の力だと思えました。今だからこその胸熱くなる出来事でした。

ものの見方、考え方は、私達の心の持ち様だと思うのです。嘆くより、“こう考えたらどうだろう”とか“こっちからも見てみよう(考えてみよう)、あっちからも見てみよう(考えてみよう)”と嘆きあえぐ気持ちをクールダウンして景色を見るゆとりをこんな時だからこそ持っていたいと思います。

田房葉子





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