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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『お母さんの言葉』      2020年5月26日

天気予報で、“夏日”“梅雨入り”という言葉を耳にする季節になりました。幼稚園では、新年度を迎えてすぐに新型コロナウイルス感染拡大防止のため、自粛期間に続いて5月の1カ月間は休園とさせていただいています。子供達に会えない内に季節がゆっくり移り変わっています。この期間に、生活を見直すきっかけとして色々な事を考えさせられました。新型コロナウイルスについては勿論ですが、私が興味深く想いを馳せたのは、“多くの人に想いや考えを伝える時、どのような言葉でどのような気持ちであるべきか…”という事を考えさせられた様々なニュースでした。

ベルギーの女性首相であるウィルメス氏が、子供番組で新型コロナウイルスについての子供達からの質問に答え、その恐ろしさやどんな生活をするのが良いのかを語っていました。子供達は、実に素朴な疑問や純粋に悩んでいる事をオンラインで首相に問いかけ、それに対して首相は、一人ひとりに丁寧に答えていたのでした。また、あるニュース番組で、「なぜ、ドイツの女性首相メルケル氏のコロナ危機対策演説は人々の心に響いたか」というテーマで一人の女性作家とニュースキャスターがオンライン対談をしていました。私は、どんな演説だったのかが知りたくて、インターネットで検索して読んでみました。なるほど、とても分かりやすく、他人事や一般論ではなく自分はどうしなければならないのかを自ら考えようと思わせ、冷静にさせてくれる内容でした。

両者の言葉に共通するのは、聞き手の気持ちを汲み取りながら、決して一方的でない言葉でした。子供達が「どうして、お友達と遊んじゃいけないの?」という、実に率直な質問に「わかるよ、その気持ち…。そうだよね。遊べないのはつまんないよね。」と先ず子供達の気持ちに寄り添い、その次に、この病気の恐ろしさや、今一番大切なのはあなたやあなたの友達の命、もう少ししたら会える日が来るからそれまで我慢してね──。と子供達が納得のいく説明と見通しについて勇気付ける言葉で答えていました。

メルケル首相の言葉にも、科学者の新型コロナウイルス状況についての意見を根拠にしつつ、そうならば私達はどう生活しなければならないか、それが危険を回避しどんな安全性を生むのか、誰を救う事になるのか、そして、この危機の中で命を張って働いてくれている人への感謝の気持ち……その気持ちを皆で共有して共にこの状況を乗り越えて行きましょう。といったとても具体的でわかりやすいものでした。それを“お母さん的な言葉であった”と表現されていました。

今は誰もが皆、不安な毎日です。言われたままを言われたようにしていてもなかなか先が見えてこない不安や苛立ち…。そんな中で、「こうしなさい、ああしなさい…」ではなくて、「その気持ち、とってもよくわかるよ。私も同じ気持ちだよ。でもね…、今はこうする事がきっと一番大切なの。一人ひとりが気を付ける事であなたの大切な人を守れるの。だから、みんなで一緒にそうしてみようね。」と、そんな“お母さん的な言葉”で、じっくりと言ってくれると、不安に苛まれている子供達も人々も、「うん。わかった。そうしてみるよ。」という気持ちになるのではないでしょうか。これは、新型コロナウイルスに関してだけに言える事ではなく、全てにおいて、お母さんの愛溢れる言葉は、心にしっかり届くのです。それは、不安な気持ちや困惑している気持ちを理解してくれ、自分の事を誰より大切に思ってくれている親愛なるお母さんが語ってくれる言葉だからでしょう。これまで、『ステイホーム』と言われ続けて来ました。「お家にいよう」=「お家は安心・安全」という事なのです。何て素敵な言葉でしょう。そこは、信用できる人がいて自分を安全に守ってもらえる場所なのです。そんな場所で、“お母さん・お父さん”が、きちんと話してくれると、ちゃんと理解しその言葉を受け入れる事ができるのだと感じました。大切な事を伝える時には、愛が必要で“自分の事を大事に思ってもらえている”という事が伝わっていないと心に響かないのだとあらためて感じました。

休園中、預かり保育を利用するはずのある男の子がしばらく休んでいたので、「どうして今まで来なかったの?」と聞いたら「コロナに気を付けてたから…」と答えてくれました。きっと、ステイホーム中に、お家の人にきちんと話してもらっていたのでしょう。“お母さん的な言葉”信用できる人の言葉には愛があるのです。だから、納得できるのです。

この新型コロナウイルスは世界中の人々に大きな変化をもたらしました。しかしそれだからこそ、世界中の人々はいろいろな事を学び考えるようになりました。コミュ二ケーションの方法としてオンラインが広く活用されるようになりました。この度をきっかけに9月入学の話も議論されています。そして、ワクチン開発も進み出しました。いろいろな挑戦が始まっています。

もうすぐ幼稚園に賑わいが戻って来ます。止まっていた時間が動き始めます。幼稚園でも命について考え、子供達の成長に向けて新たな挑戦をしていかなければいけません。私達は、“母なる気持ちで”新時代を生きていく強くたくましい子供達を育てていきたいと思います。また、子供達を迎え、更なる感染拡大防止に努めていきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いします。

田房葉子





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