余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『幼稚園ってどんなところ?』2020年6月30日

「新しい生活様式」を日常にどう取り入れるかを模索しながら世の中がこれまでと違う覚悟をもって動き始めたような気がします。そんな中、幼稚園もこの6月から通常保育を再開し賑わいが戻ってきました。私達職員も、梅雨入りとほぼ同時にエンジンフル回転になり汗だくの日々ですが、こんな毎日に充実感を感じています。これまで自粛生活をしていたのですから、「遊んでおいで〜!」と幼稚園に送り出してもらった子供達の気持ちはウキウキです。クタクタになるほど遊ぶ姿が見られます。この時期ならではのあそびに夢中で、一日中外でプレイパンツとプレイTシャツで遊んでいます。そんな生き生きとした子供達の様子を紹介しましょう。

先日、ある年中組の男の子が、中門の外灯の壁にとまっているたくさんの虫をみつけて、不思議そうに眺めていました。そして、「ここにはすごくたくさんの虫がいるね。この虫、ぼくんちのでんき(電灯)の所にもたくさんいるよ。」「明るい所に夜集まって来るんだよ。夜はここが一番明るいんだろうね。」と、うんちく(笑)を言っていました。その子は今でも毎朝その場所に立ち止まり、虫の様子を観察しています。

また、今年度は、園庭に“畑”を作り、たくさんの野菜を育てています。キュウリ・ナス・トマト・ピーマン・枝豆・ニンジン・ラディッシュ……。年長組の子供達は、バケツ田植えに挑戦し、お米を育てています。全ての花壇にサツマイモを植えてみました。思いの外、野菜の生長は早くて、すでにキュウリが収穫できました。可愛いナスも実になっています。いろいろな野菜が花をつけ野菜らしくなり、バケツの中でお米の苗がグングン伸びています。子供達は「ホントだ!ナスだ!」と不思議そうにのぞき込んでいます。野菜や作物がどのように生長するのかを目の当たりにし楽しんでいます。ある日、先生が「園長先生!みてください!」と笑いながら年少組のある男の子の長靴を持って来ました。その小さな長靴の中をみてみると…、両足の底に枝豆のさやが一つずつ入れてあったのです。枝豆になった事が不思議で、思わず採ってみつからないようにこっそり長靴の中に入れたのでしょう。その可愛い憎めない悪事に笑ってしまいました。

ユズの木やブドウの木にも実が付き始めました。子供達が「先生!みて!」と手に握って見せてくれたのは、まだ緑色で硬い実でした。「いい匂いがするよ。」と潰していた子もいました。でも、先生達は叱りません。木に成っている実が不思議で自分のものにしたい!と思う気持ちが理解できるからです。「もう少ししたら、もっとおいしい綺麗な色の実になるから採らないで観ていようよ。それまで待っていよう。」と、先生達は興味を膨らませるように子供達に話をします。

ある年長組の男の子が、一人黙々と泥んこあそびをしていました。ホースから水を出し、ドロドロ状態にして固めて遊んでいました。水を出しながら両手で固めたいのですが、ホースの先が動いて水が思う所に行きません。何やら苦労してるぞと私は離れた所から見ていました。すると、裸足の指の間にホースの先を挟んで固定し両手で水を受け固めていました。なるほど…と感心するやら可愛いやらで吹き出してしまいました。

小川から、急に大きな泣き声が聞こえました。驚いて振り向くと年中組の男の子が私の所に走り寄って来て足の甲をみせ、「石が落ちて当たったぁ〜。」と言うのです。赤くなっていたので、「どうなったの?教えて。」と聞くとどうやら、小川に入っていて手が滑って持ち上げた石が落ちて来たようでした。石を寄せて鯉を捕らえようとしていたそうです。(鯉には気の毒ですが)よく考えたものだとこれまた感心…と同時に、足の怪我を心配していたら「失敗したぁ〜。もう、石を落とさない!そっと置く!」と泣きながら反省の弁を述べていました。あえて言わなくても、子供なりにどうしてこんな事になったか、どうしたら良かったのかがわかったのです。

こんなふうに、みんないろいろな事を経験しながら学んでいます。虫を捕まえたり、野菜の生長を観たり、採ってみたり、身体全部を使って工夫しながら遊んだり、痛い思いをしたり、(ちょっとくらい)されたりしながら、今よりもっと人間らしくなっていきます。子供達は、いつも今を生きています。とっさには先を見通したり、後を振り返ったりできないのです。“今”を楽しみ、その瞬間の欲求を満たしたいと行動に出ます。それが子供です。体験してみて実感して初めて本当に学ぶのです。「アッ!そうだった!」「こうなるんだな。不思議だな。凄いな。」「失敗!失敗!次はこうしよう。」と、経験した後で先が見通せるようになったり、振り返って考え直せるようになったりします。友達と、喧嘩をしながら…意見を戦わせながら、人の気持ちに気づいたり、自分とは違う考えをもった人の存在を知り、上手くやっていく方法や加減を学びます。小さな子供の社会をつくるコツを学び、大人になる準備をするのです。

幼稚園教育の目的は「生きる力」をつける事ですが、先ずは、幼稚園が、「“生きる”という事を学ぶ場所」「生きる事は楽しい!という気持ちを育む場所」でないといけないと思っています。幼稚園!ここは、子供達のやりたい事が存分にできる場所です。泥んこで帰ったり、あちこち擦りむいて帰ったりしても、喧嘩したと言ってしょげて帰っても、「今日は行きたくない!」と言う日があっても、そんな全てが子供達の心をときめかせる大切な経験です。「いいぞ!いいぞ!もっと学んでおいで」と見守っていてあげてください。

可愛い、ヒツジの“くりーむちゃん”とヤギの“きなこちゃん”も幼稚園に仲間入りしました。この子達を、子供達と一緒に可愛がりながら「命をもって生きていく楽しさ」を実感できたらと思っています。

田房葉子





BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008