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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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 『見えない糸』    平成21年10月30日

園庭の落ち葉が多くなってきました。秋の深まりを感じます。衣替えになってもしばらく半袖半ズボンで頑張っていた子供達の中にも、冬用体操服姿が増えてきました。季節が移り変わる事を、自然の変化や生活の中で確かに感じる事ができます。子供達にも色々な活動を通して、この季節を肌で感じ楽しませてやりたいと思っています。
幼稚園では2学期も後半となりました。この時期ぐらいになると、新年度当初の子供達の不安気な様子や落ち着かないクラスの雰囲気も全くなかったかのように全体が落ち着いてきます。クラスの個性もでき、どのクラスにもそれぞれにいい雰囲気が感じられます。この2学期間過ごした友達や先生とのつながりができているからだと思います。子供達は、何と言っても自分の担任の先生が大好きです。絶対的な信頼を寄せています。担任の先生とその子供達の間には、それ以外の人には入り込めない部分があるようです。
先日、私がトイレに行った時の事です。大人用のトイレに入ろうとしたら、年少組のある女の子が、「エッ!そこは、えつこせんせいのところよ!はいったらダメよ!」と可愛く言うのです。悦子先生がそこに行く姿を見たことがあって、悦子先生のトイレだと思っていたのでしょう。「ここは、誰もが使っていい所なんだよ。だからいいかな?」と言うと「えー!悦子先生がいいよって言ったの?」私が、「そうだよ」と言うと「じゃあいいよ。」と納得してくれました。あまりにも可愛かったので、その後保育室に行ってその子に、「さっきはありがとうね。ねえねえ、○○ちゃんは、悦子先生が好きなの?」と聞くと、「うんすきよ。いっぱいすきよ。」とニコニコしながら言いました。その子にとっての一番は、担任の悦子先生なのです。入園当初は結構先生を手こずらせたやんちゃなその子でしたが、今では、悦子先生との信頼関係がすっかりできているようです。また、満3歳児クラスに行った時の事です。昼食のお手伝いのつもりで一緒に食べようと思って行ったのですが、ある男の子の隣に私用の椅子を置くと口を小さく開けて私に何か言っていました。よく聞いてみると小さな小さな声で、「あっちへ行って。」と言っていたのです。私に悪いと思ったのかとても遠慮気味に…。一瞬(あら?私、嫌われてるのかしら?)と思い、試しに他の先生にも同じ事をしてもらったら、やはりその先生にも、「あっちへ行って。」と言うのです。そして、担任の美穂先生が座ると安心したように納得していました。「美穂先生だったらいいの?」と聞くと「うん」とニッコリしながら大きくうなずくのです。(ここは、僕の大好きな美穂先生が座る所なんだ!)と決めているのでした。一番安心できる先生はやはり担任なのです。
もうすぐ、音楽発表会の取り組みに入ります。年少組はクラス毎にお遊戯を、年中・年長組は合奏を披露します。私は発表会本番には舞台の袖からステージに立つ子供達と指揮をする担任の先生のどちらの様子も見ます。幕が開くと、そこには言葉を必要としない気持ちのキャッチボールが見られます。幕が開いて、たくさんのお客様にびっくりして緊張している子供達に先生は笑顔を向けます。(大丈夫よ。先生はここにいるよ。いつでも助けてあげるから。このステージを一緒に頑張ろうね。)という先生の気持ちが子供達に伝わるのです。先生が見つめるだけで…。それはとても不思議です。演奏中や出演中、信じられる人は先生にとっては子供達であり、子供達にとっては先生なのです。先生が笑顔で見ていてくれるだけで安心できるし元気にもなります。毎日生活を共にしてきている先生と子供達の間には、見えない糸がある事を感じます。先生が向けてくれた笑顔に子供達は(うん。わかった!がんばるよ。)と目で答えているその“心と心のキャッチボール”が手にとるように分かって感動します。それは、必要とする時に、いつも一番近くにいて守ってくれる人だという事がわかっているからです。そして、園生活で本気で叱ってくれるのも心から褒めてくれるのも、その先生だからです。幼稚園ではそんな生活を送っています。4月からこれまでの積み重ねの中でこの信頼関係も築かれてきました。担任の先生とそのクラスの子供達との色々な経験を通して、たくさんの喜びや感動を共有した者同士だからこそ分かり合える関係ができたのです。「先生が一番好き!」という子供達の言葉には、一点の曇りもない純粋な気持ちに違いありません。そう思うと、(「あっちにいって。」と言われても仕方ないか。)と喜んで引き下がる気持ちになります。
これから音楽発表会で演奏したり踊ったりする曲が賑やかに聞こえはじめ、取り組みも本格的になってきます。今年も子供達と先生との見えない糸をいろいろな場面で感じられるかと思うとそんな取り組みの毎日が楽しみになって来ます。
子供達と外で遊んでいる先生が、どこからか聞こえる泣き声に「アッ!○○ちゃんが泣いてる!」と、姿を見なくても泣き声だけでわかってそちらの方へ走って行きました。そんな時つながりの深さに驚かされます。これまでに目に見えない糸で一本一本丁寧に紡いできた時間がどんなに大切なものかをひしひしと感じるのです。

田房葉子



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