余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす




『喧嘩の中の「まぁいいか…」』平成22年1月29日

3学期に入り、子供達もさらに生き生きと生活しているようです。

これまで積み上げてきた友達との関係や、すっかり慣れ親しんだ幼稚園の環境の中で、それぞれに個性を発揮し合い、気心の知れた仲間と愉快なやりとりを見せてくれています。色んな話をしたり色んなあそびを楽しんだりしている顔は4月5月の頃とは全く違っています。仲間達と過ごす月日がこんなにも子供達の心を解きほぐし、余裕を与えるものなのかとつくづくそう思うのです。

 ところが、関係が深まれば深まる程、逆に、困った事も起こります。仲良く遊んでいるかと思えば、急に何かをきっかけにトラブルが発生するのです。12月の『葉子せんせいの部屋』で、あそびのトラブルを自分達でジャンケンによって解決したというエピソードを書きましたが子供達の解決策も様々です。こんな事がありました。

 「せんせーい!僕が先に遊んでいたのに、後から来て○○君が横取りしちゃった!」と険しい顔で訴えて来ます。話を聞けば、なるほど、言って来た子が最初は遊んでいたのに、それを置いて他な事をしている一瞬の間に、もう一人の子がそのおもちゃで遊んだものだから、「横取りした!」と言ったのです。「だって、置いてあったんだもん!」と、どちらもが自分の言い分を主張します。決して横取りしたつもりはなさそうでした。こういうトラブルはよくある事です。仲裁人の立場からみても仲裁しようがなかったので、どのように解決するだろうかと黙って見ていると、思いきり言い合った後で、「まぁいいか」と最初に訴えてきた子が手にしているおもちゃをもう一人の子に渡したのです。100パーセント良い気持ちではなかったかもしれませんが、白黒はっきりしたいという事よりもその場の空気とその後の二人の関係が悪くなる事を子供ながらに避けたかったのかもしれません。その後、二人は何事もなかったかのように、また一緒に遊び始めました。

子供ってとても無邪気に友達との付き合いができるのです。言葉も方法も内容もストレートなので、一瞬激しいやりとりになってしまうのですが、お互いの関係の積み重ねによって、大切にしたい人、失いたくないものもわかってくるのでしょう。(このまま言い合っていても楽しくないぞ)とか(それより、早く一緒にあそびの続きをしたい)という気持ちのほうが強くなって、「まあいいか」と許し合えるようになるのかなと思います。兄弟姉妹で激しい喧嘩になったとしても、ずっと言い続けても平行線をたどるだけ、一生口をきかないわけにもいかないし、どうせ頼り合わないといけない人だと思えば、最終的には、言い合っている事が「面倒臭い」という気持ちに近くなってきて、いつの間にか、腹立たしい気持ちを自分の中で浄化したり消化したりして「まぁいいか」とウヤムヤの状態で終わらせてしまいます。これが、関係の積み重ねのない相手となれば、白黒はっきりさせないと後には引けなくて収拾がつかなくなってしまうでしょう。白黒はっきりさせるためには、いろんな状況調査や心情鑑定が(少しオーバーですが…)必要になるために、見なくてよかった部分まで見てしまったり、知りたくなかった事までわかってしまったりして、良い関係が保てなくなってしまう事もあるのです。その間はとても苦痛で辛い気分です。だから、いつまでも楽しく仲良く過ごすためには、この場合どうするのがいいのかな?…と子供達は、子供なりに幼稚園という集団生活の中でそれを学んでいくのです。激しくやり合ったとしても、壊してはいけない…失くしてはいけないものにまで槍を刺さない“程々加減”を学びます。これを学べないまま大きくなると、人を許せない、引きどころがわからない…極端に感情的な人間になってしまうような気がします。関係の積み重ねの中には、相手の良い所も悪い所も相受け入れ、悪い所もあえて見逃せるようになる事だと思います。

「まぁいいか」は、時には『いいかげん』、…だけど時には『好い加減』なのです。「まぁいいか」と好い加減に考える事は、色んな人と色んな状況の中で様々な人生を生きて行くためには、自分自身を必要以上に追い込まない精神上健康な考え方だと思うのです。

しかし、こんなケースはどうでしょう。子供達の喧嘩の時に先生がかけよるだけで、いきなりドギマギしながら「ごめんね」「いいよ」というやりとりがあります。その台詞で一瞬にして喧嘩にピリオドが打たれるのです。(さっき出会ってまだ関係を築いていない間ではそれもありかもしれませんが…)何が“ごめん”で何が“いいよ”なんだ!と、腑に落ちません。心が通わないままで終わった後、そこに積み上げられるものは“ストレス”だけです。一見仲直りしたように見えても、心からの「ごめん」でもなく「いいよ」でもありません。この場合は再試合が必要です。自分の気持ちを出し、また相手を受け止めた上で「まぁいいか」と思えた時に更に関係が深まり人間関係の築き方を学ぶのだと思います。

こだわって物事を考え、真正面から向き合う事も大切です。その一点だけにこだわる事によって高められる事もあります。全てを「まぁいいか」と納めるのがいい訳ではないという事も知っておかないと『いいかげん』な人間になってしまいます。時には“こだわり”、時には“まぁいいか”と、人と人との関わりの中で『好い加減』を大人も子供も学んで行きたいものです。

田房葉子



BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008