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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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 『朝の光景』     平成21年4月30日

3月の終わりから4月の初めまで、私達の心を癒してくれていた桜の花…、枝先につぼみがつき少しずつ膨らんでくるじれったい時間も、花咲きほころび薄ピンクの優しさに包まれる時間も、そして春風に舞う花びらの優雅さや、一気にその時を終わらせる潔さにも、桜は、その全てに美しさを感じさせてくれます。いつの間にか、そんな時期も終わり、初夏を感じる5月になりました。
今年度もまた、『葉子せんせいの部屋』を書かせていただきます。子供達を取り巻くいろいろなものや、子供達の心の動き等で私なりに感じる事を書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、幼稚園では、新しい生活が始まっています。先生達は、子供達にまず自分を“ぼくの、私の先生”として受け入れてもらうのに一生懸命です。子供達もまた、その生活の中で先生や友達と新しい関係をつくろうとしています。入園して3週間が経っていますが、これまで順調にいい朝を迎えられている子もいれば、まだお家の人との別れが辛くて涙が出てしまう子もいます。そんな子供達にとっては、『朝』が勝負です。気持ちよく朝が迎えられたら、その一日が調子よく過ごせます。子供も大人と同じです。
毎朝、私は登園して来る子供達を中門で迎えます。毎年ここでは、お家の人と子供達との小さなドラマをいろいろ見る事ができます。毎朝立っていると、その子がどんな風に今後幼稚園に慣れていくか…とか、何に不安を感じているか…とか、何に期待して幼稚園に来ているのか…が見えてきます。不安そうに保育室に向かって行く子供を見送るママやパパは、担任の先生の所にたどりつくまで、中門の外で心配そうに見つめておられます。きっと、「今日こそ泣かないで幼稚園に行ってほしい。」とか、「どうか、すんなりと先生の所に行ってくれますように…。」と祈るような気持ちでお家から幼稚園までなんとか連れて来てくださったに違いありません。実は先生達もそんな気持ちでおられるお家の人からお子さんをうけとる気持ちは、ある意味“勝負!”です。お母さんの手から先生の手に繋ぎかえる瞬間、お母さんにも子供にも…そして先生にも緊張が走ります。すんなりと手を繋ぎかえてくれたら、その子の気持ちが先生に向いてくれた!と嬉しくなるのです。この瞬間には、先生の観察力と包容力が必要です。どの子にも同じ対応でいいわけではありません。泣かないで幼稚園に来るだけで精一杯の子供に、先生達が「おはよう!!」と遠くから思いっきり元気な声で迎えたら、その子は、気後れしてしまい緊張の糸を解くどころか、もつれさせてしまうかもしれません。人知れず静かに門をくぐりたい子だっているのです。そっとしておいてほしい子だっているのです。園庭に入るきっかけを見つけられないでいる子には、先生たちが優しく言葉をかけて、そのきっかけをつくってあげないといけません。次の新しいステップのために、泣いてかわいそうでもお母さんから離してあげないといけない子もいるでしょう。その子の心にどんな壁ができているのかを早くつかみ、その壁を取り除いてあげたり、乗り越えるための後押しをしたりします。一人ひとりの事を理解している事が必要です。これまで、家族の愛情をいっぱいかけてきたお子さんを言わば“他人”に預ける瞬間は、親としても不安で仕方ない事でしょう。その気持ちを理解した上で、私達幼稚園では、“信頼関係”を架け橋にして、子供達がママやパパの手から、先生の手に繋ぎかえる“橋”を渡ってほしいと願って子供達と向き合っていきます。
ゴールデンウィーク真っ只中、4月のうちに少し慣れていたはずなのに、この連休で一気に緊張がほぐれ、それと同時に幼稚園に向いていた気持ちが離れてしまう…こんな事もあるかもしれません。しかし、これは、“後退”ではないのです。石橋をたたいて確かめながら渡っている最中だと思ってあげてください。(この架け橋を渡ったら、楽しい事が待っているのかな?嬉しい事があるのかな?あるかもしれないな。渡ってみようかな、どうしよう…)と迷っていたり、葛藤していたりするだけなのです。だから、(大丈夫だよ、渡って行ってごらん。この橋は丈夫な橋だから。)と言うつもりで、パパやママと幼稚園の“信頼関係”という架け橋をガッチリ丈夫なものにしてあげないといけないのです。私達もお家の方々の協力を得ながら一人ひとりの子供達の事をしっかり理解し受け止めて、楽しい経験を一緒にしていきたいと思っています。
さてさて、明日から少し長い幼稚園での時間を子供達と先生達はどんな顔で過ごすのでしょうか。中門で見られる朝のドラマがどのような連続物になっていくのだろうかと…。私は、それをみるのがこれからとても楽しみです。ちなみに、昨年度の6月の『葉子せんせいの部屋』に登場した(ホームページをご覧ください。)女の子も男の子も、今では、それぞれに新しい環境をすんなり受け止め、実にいい顔をして中門を通って行きます。一年前の事が懐かしいです。子供達はこうして幼稚園でのいろいろな環境や経験を栄養にし、少しずつ自立しながら世界を広げていくのですね。一年前の『朝の光景』から始まったこの子達のドラマもまだまだ続きます。

田房葉子



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