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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす




『園庭に託す願い』    平成21年6月30日

夏も近くなり、子供達は毎日プールで水しぶきを浴びながら、目を輝かせて遊んでいます。砂場に水を持ち込んで身体中を汚して遊ぶ子供達の顔は生き生きとしています。
先日、小川で数人の年中組の子供達が遊んでいました。手には柄の長い砂場用のスコップを持っていました。大きな鯉の近くで泳いでいる小さなメダカを鯉から守ろうと一生懸命に鯉の行く手を遮っていました。小川の向こう岸へ跳んで渡り、またこちらへ跳んで戻ってくる…これを何度も繰り返しながら、メダカを守っていました。
その様子をしゃがんで見ていた年少組の男の子が、スクッと立ち上がり自分もジャンプして渡れるんじゃないかと向こう岸を見つめていました。その子には、ぴょんぴょんと小川を飛び越えるお兄さん達の姿がかっこよく思えたのでしょう。幼稚園の小川は幅が狭い所もあれば広い所もあります。子供達はまず確実に跳んで渡れる所から試し、次はもう少し広い所、またその次はさらに広い所…と、どんどん自分の力を試そうとチャレンジします。子供というのは、簡単にできる事には初めは興味を示しますが、そのうち飽きてしまいます。難しすぎる事には初めから挑戦意欲は湧きません。自分の力よりほんの少し難しい事に無心になって挑戦しようとします。
三次中央幼稚園には、素敵な園庭があります。私は、転勤で三次に来られたご家族に、園内を案内する事がよくあります。案内をして、必ず園庭にある遊具や小川やわんぱく小山、なかよし動物園を紹介します。幼稚園に用意されている環境の一つ一つに、実は、幼稚園を創立した伊達正浩理事長の子供の育ちへの想いがいっぱい込められているのです。理事長が幼き頃を山河で夢中に走り回って遊び、その中からいろいろな事を学んだ尊い経験を子供達にもさせてやりたいという想いが…。
小川には、魚が泳ぎ、岩についた苔を食べ、水面を歩くアメンボは魚の泳ぎに可愛く逆らう…そんな様子を見たり、自分も入って魚を追いかけたりしながら自然を感じます。また、向こう岸に渡りたくて、ジャンプに挑戦しようと頑張ります。自分の力の限界に挑むのです。アスレチックでも、手や足や体全体を必死に使って遊びます。岩でできている小山を登ったり下ったり飛び降りたり…こうして知らず知らずの間に子供達の身体は鍛えられていきます。また、そこに植えられた木々は、季節によって色を変える葉で生い茂り、夏には木陰を秋には落ち葉を子供達にプレゼントしてくれます。虫や鳥も集まり網を片手に遊びます。そこで自然の営みを感じる事ができるのです。田舎では、このような経験を当たり前のように子供達はしています。自然を通して春夏秋冬の移り変わりを知り、そこであそびを生み出すのです。こんな自然を楽しいと感じたり、素晴らしいと思えたりできる環境が幼稚園にあることは三次中央幼稚園の自慢でもあるのです。
核家族化している今の状況の中、一緒に住んでいる家族との悲しい永遠の別れがあったり、生命誕生の一部始終に触れる…そういった事が少なくなりました。大人は皆“命を大切にしよう”と子供達に伝えます。子供達が“命”について、本当に考える事ができるのは、それが失われたり生み出されたりする時の心の動きがあった時なのです。悲しみや喜びで胸が高鳴る時なのです。三次中央幼稚園の動物の中には、ここで生まれて育っているクジャクやカモやウサギがいます。そんな喜びもあれば悲しい出来事もあります。去年の冬、寒い夕方にプレイルームの子供達に看取られて長年子供達と一緒に幼稚園で過ごしたヤギ(メエメエちゃん)が天国へ逝ってしまいました。次の日には、園児全員でお墓に運ばれるメエメエちゃんに手を合わせて送りました。そういうかわいそうなシーンも、あえて直視させる事で命について考え学びます。言葉で伝えきれない大切な教育を子供達は受けるのです。
園庭の環境にも動物たちにも理事長の込められた思いがそこにあるのです。それを理事長から聞かせてもらったのは、私がこの幼稚園に就職してしばらくしてからでした。その話を聞いてからずっと私は三次中央幼稚園の園庭を自慢に思っています。ただただ子供達のよりよい成長を願い、子供達の笑顔と歓喜の声を思い描いて造られた環境なのです。そこで夢中になって遊び、何かを感じこの環境の中でチャレンジするたくましい心や冒険心、観察力や思いやりの心を育てようとしているのです。三次中央幼稚園の庭は“物言わぬ教師”なのです。
私が案内をして入園を希望される方の中には、「子供が、このお庭が気に入ったというので…」とか「本当に楽しそうな園庭なので、どんな風にうちの子が遊ぶのだろう?と今から楽しみなんです。」という声がよく聞かれます。きっとこの園庭は、子供達の心をくすぐる素敵なものなのでしょう。
今日も幼稚園の園庭を走り回る子供達の笑い声が聞こえます。そして、園庭の木々や小川や動物達は、ここで成長し世界を広げていく子供達を何人も見守ってきたのです。この庭に託された想いや願いを知っていただきたいと思うのです。幼稚園で生活している全ての時間が子供達を成長させているという…そして、その一瞬一瞬が大切な時間である事もこの園庭はよく知っているのです。

田房葉子



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