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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『“経験”と“なんとなく”が結びつく時』
              平成23年6月30日

段々と日差しが強くなってきました。いよいよ夏です。子供達は毎日楽しいあそびを考えて、元気いっぱい過ごしています。とりわけ、プールあそびができる日には、その時間を楽しみにしているようです。

子供達は、新年度が始まってこれまで色々な事を経験しました。春の遠足、内科・歯科検診、初めての参観日、ヒツジの毛刈り、年長組は田植えやサツマイモの苗植え、お茶のお稽古等々…。初めての事や、ずっと前から楽しみにしていた事が経験できて、子供達はドキドキワクワクの心揺さぶられる毎日のようです。その度に子供達の心の中にはたくさんの感動と発見の喜びがあったはずです。年中組の田植えについては先月書かせていただきました。5月の終わりに行なったヒツジ(クリームちゃん)の毛刈りでは、冬に着るセーターの正体が、実はそのヒツジの毛だったという事を知りました。当たり前にように着ていた時には(いったいこれは何でできていて元は何だったのだろう?)なんて考えていた子はそんなにいなかったでしょう。刈られた毛を洗い、段々きれいなアイボリー色になっていく様をみて、「ほんとだ!!毛糸と同じ!セーターと同じになってきた!!」と感動していた子供達の頭の中では、その経験と“なんとなく”がつながってヒツジと毛糸の関係が“なるほど”と納得できたのです。いつも食べているご飯やサツマイモが、実はこうして作られていたのだ、いろいろな手をかけ僕達の口に入るんだな、という事を田植えやサツマイモの苗植えで知ります。子供達が自らの経験を通して得た学びは一生の学びになります。そこには、“なるほどそうだったのか”“不思議だ!”“すごーい!”という感動があるからです。

年長組の子供達は毎月お茶のお稽古をしています。掛け軸や花、香合を見ながら季節の話を聞いたり、相手を思いやる気持ちや子供なりに場の空気を感じ、いろいろな事に気づく心が育てばと思ってお稽古をしています。そこでいただくお菓子やお茶も子供達にとっては魅力の一つとなっています。毎回、お茶の先生が季節折々の掛け軸を持って来て話をしてくださいます。5月は雨降りの田植えの掛け軸でした。「これは、何をしている絵でしょうか?」と尋ねられると、「田植え!」と即座に答えていました。その前に田植えを経験したばかりだったので、すぐにわかったのだと思います。掛け軸に描かれている苗と自分達が植えた苗が同じ物だという事も田植えの絵と自分達のその時の様子が重なりリアルに感じる事ができたでしょう。また、6月は、雨の日の夕暮れの掛け軸でした。「どうしてこの軸を持ってきたでしょうか?」と先生が尋ねられ、きょとんとしていた子供達に、「ついこの前は春だったでしょ、そして夏になるでしょ、その前に雨がたくさん降る時期があって、今がちょうどその時期で“梅雨”と言うのよ。」と教えていただき、日本の四季について知りました。雨の大切さや恐ろしさも、先生の話の中から知りました。子供達は、真剣に先生の話に耳を傾けます。「水のないカラカラの田んぼでは、みんなの植えた苗はお米が実らないのよ。」と教えてもらい、「アサガオも一緒!水を毎日あげないといけないんだよね」と、自分たちが栽培しているアサガオにせっせと水をあげていました。

「雨降りが好きな人!」と聞かれた時に手をあげた子がいました。「傘をさした時のポタポタという音が好きだから。」とその理由を言っていました。また、「雨がずっと降らないと水不足になって、野菜が駄目になるから。」と言う子もいました。逆に嫌いな理由を「外で遊べないから。」とか「大水になって洪水になって、家が流されてしまうから。」と、災害の事を思い出したように言っていた子もいました。いろんな経験や先生の話…または、家でお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんから聞いた話で、子供達の頭の中ではいろんな事が結びついたのだと思います。話を聞いて、“なんとなく”わかっていた事と、実体験を通して得られた感動が結びついた時(ああ、こういう事だったんだな。なるほど本当だ!)と“真の学び”につながるのです。その時、子供達は学ぶ楽しさや面白さを同時に得ます。もっと知りたい、もっと教えてもらいたい!という学ぶ意欲に繋がります。

自分が毎日せっせと水をあげるアサガオの葉がどんどん大きくなったり、自分達が植えた田んぼの苗がぐんぐん長くなっているのを見たりした時、または、初夏に植えたサツマイモの苗がピーンと元気に育ってきて、秋の収穫の時には更に感動を味わうでしょう。逆に、水やりをさぼってしまって、アサガオが枯れたとしたらそれはそれで、“なるほど”と学ぶでしょう。幼稚園はそういう体験がたくさん出来るところです。教えてやろうと先走って結果や結論を教えたとしても、子供達が感動できる経験が伴わないと、本当の知識として頭と心に残らないのです。

これからも、子供達はもっともっと幼稚園で色んな経験をします。“なんとなく”知っているだろう事を確かな“知識”に繋げるためにも、子供達はどんどん遊んでどんな事にも興味をもって心揺さぶられる経験を積む事が大切なのです。幼稚園生活の一日一日が子供達にはとても大切で意味のある時間なのです。

田房葉子



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