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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『思い出を紐解く』       平成23年7月15日

梅雨が明け、山々の緑が一層濃く見えます。耳をすませば、セミの鳴き声も聞こえ、いよいよ夏らしくなってきました。
先日、幼稚園の先生の結婚式が行われ、先生達大勢で招かれ出席しました。その先生の旦那様は実は卒園児です。私も、年中組の時に担任しました。その頃の彼の事を思い出しながら、メインテーブルに座る輝く二人を心からお祝いしました。まさか、同僚が教え子と結婚し、そのお祝いの場に彼の事を知るたくさんの先生達で招かれる事になるなんて、とても不思議な気持ちでした。少し、やんちゃで気分屋さんだった彼が大人になり、一つの幸せな家庭を作る事を誓う姿を見て、嬉しくてたまりませんでした。

二人は、ご家族ご親戚の方やたくさんの友達の祝福のシャワーを一日中浴びていました。その友達の中に、当時彼と同じクラスだった卒園児が3人もいたのです。年長組の時の仲間です。その年長組の時の担任は平田美穂先生でした。美穂先生は、前もってスピーチを頼まれていました。その挨拶は、色々な当時のエピソードやお祝いの言葉でした。しかし、その中でも感動したのは、実は美穂先生は年長組を担任したらその年の子が卒園する時に「みんながいなくなると寂しくなるから、美穂先生に絵を描いてプレゼントして欲しいな。」と言って絵を描いてもらっていたそうです。その時の懐かしい絵を持って来ていました。21年も前の絵です。美穂先生はその間大切に残していたのです。その場に集まっていた新郎を含めて4人の絵を挨拶の中で披露しました。絵の裏には、美穂先生に宛てたメッセージが、たどたどしいクレパスの文字でつづられていました。それはそれは、美穂先生を慕う中、卒園というお別れを淋しく思う切ない気持ちが表れた文字に思えました。そんな物が準備されているとは、思いもしなかった新郎と卒園児達は、驚いていたようでした。それは、卒園児だけではなく、会場におられたたくさんの方々皆からの、「すごーい!!」と言うどよめきの声が聞こえました。

一人の人生の節目に、その子を祝う人達の中に、幼稚園時代ゆかりの人がたくさん集まっている事に、人と人との繋がりのスタートに関わる幼稚園の意味深さを感じます。美穂先生は教え子たちの成長ぶりに…また、卒園してからもずっと先生に思われていた卒園児達もお互いにどんなに嬉しかったでしょうか。その絵を描いた時の事を覚えている子もいました。それぞれに違った人生を歩んでいても、何かの時には、こうして集える仲間の関係が続いているという事は素敵な事だと思います。思い出話もたくさんできたようでした。
 
幼稚園の子供達には、まだはっきりとした将来が見えません。中学生や高校生くらいになると、将来の事を現実的に考えながら生活していくようになるので、その子がどんな大人になっていくかが、だいたい予想できますが、幼稚園時代から大人までの長い年月は、子供達を色んな風に変えていきます。幼稚園の先生達は、いつも、まだ先の見えない子供達の成長を長い間気にしながら過ごしています。風のたよりや懐かしく久々に会った保護者の話から、今その子がどうしているかを知ったり、手紙や年賀状のやり取りで知ったりして、安心したり心配したりしています。こうして気にしているところに、“嬉しい報告”があれば、我が子の事のように喜びます。新聞等で、卒園児の名前をみつけては、先生達で「○○君が、作文書いてたね」「○○ちゃんが入賞していたね」等と懐かしみながら話をします。先日も開幕した全国高校野球広島大会の各学校のメンバー表が新聞に出ていました。その中から卒園児の名前を一生懸命探します。どの子がどの学校で頑張っているのかをみつけたいからです。どんな人生を歩んでいて、その先どんな志をもって生きていこうとしているのかを応援したいからです。4人の絵を大切にしまっていた平田美穂先生の気持ちはそういう愛情だったと思います。その絵を久しぶりに取り出してみた美穂先生は、きっと当時の事を鮮明に思い出し、その4人だけではなくその他の子供達とも一緒に過ごした1年間を紐解いたでしょう。また、その絵を見せてもらった卒園児達も、当時の自分にふと戻れたでしょう。そして、この繋がりに感謝したのではないかと思います。

自分の事を気にしてくれている人がいるという事を知ったら、何となく心強かったり安心したりします。久々の再会で今までずっと自分の事を気にかけてくれていた事を知った彼らは、きっとこれから先も元気に前を向いて頑張れる力をもらったと思います。(こんな先生を裏切れないな)と思ったでしょう。幼稚園で得た物や学んだ事を生きる力にして自分で幸せだと思える人生を歩んで欲しい…これが、私達の幼稚園から子供達を送り出す時の願いです。幸せをつかんだ卒園児の姿を見ることができた時には、本当に安心し感動します。

まだまだ人生の通過点ではあるけれど、彼らはその絵を見せてもらった事によって、心の栄養補給ができ、これから先、また再び素晴らしい人生を歩める力を得たのではないかと思います。梅雨明けのウエディング…新郎が描いたその絵は丁度雨上がりの虹を見る自分と美穂先生でした。(お相手は変わっちゃいましたね。)

田房葉子



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