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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『おてがみごっこ』    平成25年1月31日

新しい年を迎え、はや1ヵ月が経ちました。幼稚園での一年も残すところあと2ヵ月となりました。この頃になるといつも卒園や入学・入園の事を思い、春が近づいて来る事が寂しかったり待ち遠しかったり…複雑な気持ちになります。この2ヵ月の時間を大切に過ごしたいと思います。

幼稚園では3学期になり、クラスで色々なあそびが流行っています。お正月にお家の人とカルタで遊んだのでしょうか?カルタ取りが前より上手になっていたり、たこ揚げをしたり、すごろくで遊んだりしています。先日の参観日にも“お正月あそび”をテーマに、各クラスでは、カルタとり大会や福笑いや文字あそびをしました。幼稚園でするそれらには、意味を持たせています。カルタをとりながら文字に興味を持ち、その文字を使えば気持ちを伝え合う事ができるという事を知ります。すごろくの数字を見てコマを進めながら数の概念を知ります。ここから、“学びたい!”という気持ちが沸き起こってくるのです。

もうひとつ、幼稚園で流行っているあそびがあります。“お手紙ごっこ”です。先生が用意したハガキに、送りたい人宛てに文字や絵を書いて送ります。クラスに設置したポストに投函(?)するのです。それを郵便屋さんに扮したお当番さんが宛先を見て配達に行きます。毎年この時期になると職員室にも「えんちょうせんせい!!ゆうびんで〜す」「ようこせんせい!ハイどうぞ!」と得意気に配達に来ます。そのハガキには、それぞれに色んな事が書いてあります。『いつも、たくさんおはなししてくれてありがとう』『たうえのしかたをおしえてくれてありがとう』『このまえ、パンやさんであったよね』と自分の気持ちを伝えてくれます。私達は、その返事をまたハガキに書き、そっとその子のクラスのポストに入れておきます。このやり取りがとても嬉しそうです。

小学6年生を対象にした文部科学省の調査によると、近年ハガキを書けない…どの場所に何を書けばいいのかがよく分かっていない子が増えているという結果が出たらしく、自分の名前や相手の名前、郵便番号はどこへ、ということがわからないらしいのです。郵便番号を書く場所に枠をはずれて携帯番号を書いた子もいたようで、この話には驚きました。でも、よく考えると子供達がハガキを書く機会も習慣もなかなかなく、仕方ないのかもしれません。今や子供達でさえ、自分の気持ちを伝えたり相手の様子を知ったりする手段は、ハガキや手紙よりも、メールでのやり取りなのかもしれません。その方が早く情報交換ができるし、結論や解決も早いのです。それはそれで、スピードの世の中、便利で必要なものなのですが、手紙やハガキの良さや味わいを知らないで、メール等の便利な方法を知ってしまったら、“便利さ”すら特に感じることなく、それが当たり前になってしまうでしょう。手紙やハガキの方がメールよりもいい場合があるという事も知っていてほしいと思います。手紙はひと文字ひと文字書きます。少なくとも、その間は、相手の事だけを思い、(どんな顔でこの手紙を読んでくれるだろうか?)(喜んでもらえるかな?)(お返事くれるかな?)とウキウキしたりドキドキしたりしながら心を込めてじっくり考えながら書きます。その間を楽しむことができるのです。この『間』に、自分を振り返ったり、ゆっくりと相手の事を想ったりできるのです。これは、結果が出るまで少し時間がかかる事の良さや楽しみ方とも言えると思うのです。そして、しばらくして、相手から返事が届いたら、またウキウキドキドキしながらその手紙を読みます。やっと自分の気持ちを伝える事ができた!…その時の喜びはメールにはないものがあると思うのです。

実にアナログ的発想なのかもしれませんが、昔から伝わってきたカルタとりやすごろくでさえ、形を変えてゲームのソフトになっている時代です。一人で楽しめる時代…気持ちのやり取りや探り合いなど不必要になってきます。人と人との関わりの必要性を感じずに大人になってほしくないと思います。人と人とが関わるという事は、そんなに簡単なことではなく、気持ちを探ったり想いやったりして、心を通い合わせる事ができるようになるまでには、忍耐や心配りをするいい『間』が必要なのです。この『間』を手紙やハガキのやり取りで味わう事ができるような気がします。

「ようこせんせい!おへんじまだぁ〜?」と返事を待ちきれない子供が聞きに来ます。「もう少し待っててね」と言うと「は〜い!待ってる!」と、まだかまだかと待ってくれています。やきもきしながらポストの中を楽しみにしてくれています。届いた時には、「ようこせんせい、おへんじどうもありがとう」と返してくれます。この時間のかかるやりとりが、何となく素敵じゃありませんか?

全て、スピードの世の中になる事が少し怖いような気がします。時間をかけ心を込めて自分の気持ちや喜ぶ事を書いてあげたい!と思い、ひと文字ひと文字一生懸命書きます。そして、それを手にして読んだ時、その文字から感じるその人の優しさや思いやりに触れ、二人の関係がまた深まるのです。

“アナログカルタ”や“アナログすごろく”“アナログ通信”の楽しさが分かる子供でいてほしいと思います。人と人との関わりはこれから先も変わることなく“アナログ”だと思うからです。

田房葉子





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