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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『子は親の鏡、親は子の鏡』 平成25年2月28日

立春からここ、春を思わせる温かい日がやって来たと思いきや、寒さが戻る……。冬から春へのバトンタッチを名残り惜しんでいるように感じます。でも、明日から3月、これからどんどん日差しが柔らかくなってきて、花壇の土から顔をのぞかせているチューリップの芽も喜ぶ事でしょう。
幼稚園では、この一年の締めくくりと新しい年のスタートをきる準備に取り掛かっています。特に年長組の子供達にとっては、小学校への入学という未知の世界への準備です。ランドセルや机を買ってもらったり、体験入学をしたりして、いよいよ気分が盛り上がって来ていることでしょう。

この子達が入園した3年前の事を思い出します。朝、「おかあさんといっしょがいい!」と、中門で涙が出たり、お部屋に入ってもお家が恋しくて「かえりたい!かえりたい!」と先生の後を泣きながらくっついて歩いていたり、自分の思い通りにならなくて、友達とすぐに喧嘩をしたり……色々でした。それから今までの3年間の様々な経験は子供達をとても大きくしてくれました。どの子もどの子もそれぞれに成長を見せてくれます。その成長を見つけた時に、私達は大きな感動と喜びを感じます。

3年前、泣き虫だった男の子がいました。中門で出迎える私は、お父さんやお母さんの後ろに隠れ、目に涙をいっぱいためてやって来る彼を毎日見ていました。何とか保育室に入っても、しばらくの間はしくしくと泣き続けていました。そんな彼も、年中組・年長組となるたびに心も体も大きくたくましくなっていきました。保育参観の『おまつりごっこ』では、お遊戯の代表を務めたり、発表会では、堂々と自分のパートを完璧にやりこなし、劇あそびをする時も自分の台詞をとても大きな声で言える……こんな一つひとつの事が、彼に自信を与え、たくましく頼もしくしてくれたのだと思います。
ある日、私は、その子の担任の先生に用事があり、保育室に内線をかけました。しばらく呼びましたが先生が出ません。電話を切ろうと思ったその時、「はい、もしもし、さくらA組です。どちら様ですか?」とはっきりした声。「田房葉子先生ですが、あなたはだあれ?」と聞くと「○○です。何のご用事ですか?」と聞き返します。

「先生にご用があるんだけれど、おられますか?」と聞くと「少し待ってください。……今いません。」「じゃあ、先生に葉子先生から電話があったって伝えてください。」と言うと、「はい。そう伝えます。」と言って電話を切りました。その時の電話の彼は、とても3年前の泣き虫な彼ではありませんでした。先生にその事を話すと「他の子は、電話に出ようとはしないのに、彼だけは、堂々と出れるんです。」と教えてくれました。彼のその成長ぶりにも驚きましたがそれとは別に、電話の対応ぶりにも感心しました。お家で教えてもらっているのだろうと、ある日お母さんに聞くと、「教えた事なんてないんですよ。私もびっくりです。」と言われました。今の時代、悪質な電話による色々な被害があり、そこには様々な問題はあるかもしれませんが、それはそれとして、人とこのようなきちんとしたやりとりができる子に育っているという事は嬉しい事だと思います。お家の人から教えてもらったわけではないという事でしたが、きっと、彼はいつも、お父さんやお母さんが電話をされる様子を見たり、話し方を聞いたりしていたのだと思います。子供は、大人のする事を本当によく見ています。お家でも、担任の先生の口調を真似て話をしたり、おままごとや幼稚園ごっこをしている様子に幼稚園の先生の姿を垣間見ることがありませんか?私達、先生の事も見られているようです。

昔、まだ娘が小さかった頃、洗濯物をたたむお手伝いをしたがるので、タオルやソックスをたたませたところ、私のたたみ方にそっくりでびっくりしたのを思い出します。教えた事などそれまでなかったのに…。そして、お味噌汁やコーヒーなどをお椀やカップの底に少し残してしまう私の悪い癖を娘が同じようにしているのに気が付き、慌てて娘に注意した事もあります。“親は子の鏡”…そのまま学んでいきます。良い事も悪い事も…。だって、お父さんやお母さんがする事は全部正しい事だと信じているのですから。責任重大!!電話に出てくれた年長組の彼も、お母さんが電話に出た時の一部始終をちゃんと見て聞いていて覚えたのでしょう。それはそれは、お母さんそっくりな優しくてはきはきとした口調でした。また、私達大人も、自分を真似ている子供達を見て、“子の振り見て我が振り直す”“子は親の鏡”で反省させられたり、責任を感じたりしながら日々子育てをしていかねば!と思うのです。教えないと学べない事、教えなくても学べる事、教わらなくても学ぶ事が、それぞれたくさんあります。親の態度や言動が、子供達の生活の中に当たり前のように出てきます。その子をみれば、どんなお父さんやお母さんかがわかると言います。親は、手ほどきしながら教える事だけではなく、きちんとした事を普通にしている事そのものが子供への教育なのです。背筋が伸びるようです。『反面教師』という言葉もありますが、それは、まだまだ先の話。子供達が、もう少し大きくなって、物事の分別がつくようになってからの事…。今は、子供達にとって見習える素敵なお父さんお母さんでいてやってください。

田房葉子





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