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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『おじいちゃん おばあちゃんの愛』
            平成25年9月26日

今年の9月は、3連休が2度ありました。暑かった夏に疲れた身体をいたわるのにも、大雨のために少々遅れ気味だった稲刈り等の農作業にも、ありがたい連休だったのではないでしょうか?

前半の3連休は、敬老の日を含んでいました。我が家にも、83歳になるおじいちゃんがいます。今や恒例となった三次中央幼稚園の年長組の行事である田植えや稲刈りをいつも手伝ってくれます。稲刈りの一連の作業が全て終わり、ホッと安心するのも毎年この頃です。いつも、“敬老の日”には、おじいちゃんを囲んでちょっとしたご馳走を用意します。今年は、娘も料理を手伝ってくれました。その時、パンの屑ができたので、娘が池の鯉にあげに行くとしばらくして、キャーキャーと騒がしく戻ってきました。「お母さん!凄いものを見てしまった!パンをあげようとしたら、チョウチョが水面をひらひら飛んで来て、そのチョウチョを……、鯉が…パクッと食べたぁ!!ひどい!ひどい!かわいそう!」と興奮していたのです。私も、その光景を思い浮かべて「かわいそう!」と二人で騒いでいました。そこへ、畑から帰って来たおじいちゃんに娘がその話を興奮して話すと、いたって冷静に「仕方がないねぇ、それが自然の中で生きるありがたさと悲しさなんよ。人間が魚や肉を食べるのも同じ事、野菜も同じ事。みんなありがたいと思ってそれを頂戴しながら生きて行くんよ。“いただきます”って言ってね。」──以前にも、家の前の道路で、車のタイヤに踏まれたツバメを娘が「かわいそう」と見ていると、おじいちゃんが、そのツバメを素手ですくって、「あんたが、こんな所に迷って遊びに出て来たからこんな目に遭ったんよ。お母さんと一緒におればよかったのに…。可哀そうだったねぇ。こっちにおりんさい。また踏まれるよ。」と言って畑の中に隠してくれました。その優しい言葉に私も娘もそれ以上の言葉が出て来ませんでした。

おじいちゃんは、いつも、興奮した気持ちをふっと冷静にし、温かい気持ちに変えてくれたり、ス〜っと気持ちが収まる言葉を言ってくれます。お年寄りの言葉には、不思議な力があるような気がします。親の私達にはできない事や言えない言葉をたくさん持っておられるのです。人生の大先輩です。この世の中をこれまで支えていてくださった方々です。色んな事をたくさん経験して人生を悟ったゆえの強い心を持っておられるからかもしれません。私達の世代よりずっとずっと考え方や物の見方が深いのです。そんなお年寄りを敬わずにはいられません。

幼稚園におじいちゃんやおばあちゃんが、「迎えに来たよ。さあ、帰ろうや。」とお迎えに来られる事があります。その中には、できるだけ孫が重くてしんどい思いをしないように、子供が持っているカバンや荷物をすぐに受け取られるおじいちゃんおばあちゃんがおられます。お父さんやお母さんのお迎えの時には、先生達は「自分の荷物は自分で持ちましょう!」と自立の一端としても再々言い聞かせます。しかし、私は、孫の荷物を持ってやる事で、嬉しそうにしておられるおじいちゃんやおばあちゃんには、むげにその指導ができないのです。……というのも、子供達とおじいちゃんおばあちゃんの関係は、お互いが心の拠り所であり、親子とは違う関係の中で、違う教育が成されていると思えるからです。そんな時には、「おじいちゃん、重たいのに、ありがとうね。」と子供達に聞こえるように声をかけています。

おじいちゃんやおばあちゃんは、孫に甘えてもらったり、頼ってもらったりする事に喜びを感じてくださるありがたい存在なのです。お父さんやお母さんに叱られた時の逃げ場となり、冷静な声と言葉でなだめる役に回ってくださいます。そんな時、子供達は行き場をなくしたり孤独にならなくてすむのです。「もぉ!!甘やかさないで!」と親の方針に合わない事をされるような気がしてしまうかもしれません。実は私も、子育てに必死だった若い頃はそう思う時もありました。しかし、おじいちゃんやおばあちゃんの愛情は、親とは違う角度からアプローチされる愛情なのです。幼稚園の子供達のおじいちゃんおばあちゃんはまだまだお若いです。おじいちゃんおばあちゃんが、いつまでも元気で明るく笑って、たくさんの事を教えてくださったり、温かいまなざしを向けて守ってくださる事で、子供達の中に、穏やかで優しい心がはぐくまれるような気がします。

幼稚園の先生の中にも、すでにお孫さんをもつ先生がいます。やっと歩くか歩かないかの小さな孫を大事そうに抱っこしながら保育園に送迎される姿は、本当に微笑ましく思えます。「孫には、我が子を育てていた時の気持ちとは違う可愛さや愛おしさを感じるのよ」と目を細めて言います。この、“我が子とは違う愛情”が子供達にとってはありがたく大切なのです。たとえ傍におられなくても、きっといつも孫の事を思い出し、“健康であってほしい。良い子に育ってほしい。”と心から願っておられるはずです。時々は顔を見せてあげたり声を聞かせてあげてください。子供達にも、おじいちゃんおばあちゃんの事を幼いながらも敬えるきっかけをつくってやってほしいと思います。

『孫は来て良し、帰って良し』そんな言葉でも、笑って言える器の大きなおじいちゃんおばあちゃん……いつもありがとう!…これからもありがとう!どうかいつまでもお元気で。

田房葉子





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