余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『先を行く者の務め』 平成26年1月31日

まだまだ、お正月気分がどこか抜け切れていないまま、1ヶ月が経ちました。そして、明日から2月、幼稚園では子供達の進級、進学に向けて色々とまとめや準備に取り掛かっています。本当にあっという間の3学期になりそうです。そのスピードに追い立てられないように、一日一日の全てが心に残る大切な時間として過ごして行きたいと思います。

さて、始業式の一週間後、年長組が楽しみにしているお茶のお稽古がありました。数年前から3学期には、毎月のお稽古毎に保護者の皆様をご招待しています。子供達がどんなお稽古をしているのかを見ていただき、保護者の方にも体験していただく機会を設けています。その時の事です……。

新年明けのお稽古だったので、お軸は干支の馬、花は柳、香合は羽子板でした。お菓子やお抹茶をいただく前に、お茶の先生が、いつものように、それぞれの意味を話してくださいます。子供達は、お茶のお稽古の時は日頃の雰囲気と違う空気を読み、真剣に正座をして先生の話に聞き入ります。子供向けに話してくださるのですが、私達大人でも(なるほど!そういう事だったのか)と知らされたり曖昧だった事が確信できたりして、知識を得させていただいています。香合のお話になった時の事です。羽子板の形の香合を手に持たれ「この形は何でしょう?」と言われるとしばらく沈黙でした。お茶の先生が、少しずつヒントを出してくださってやっと「羽子板!!」という答えが返ってきました。「羽子板を知っている人!」と聞かれても、見た事や聞いたことはあるけど、遊んだ事がある子はほとんどいませんでした。今や、お母さん世代でもあまり遊んだ経験のない時代のようです。そう言えば、私が子供だった頃には、お正月だからと当たり前のように羽根つきを友達としたり、広場で親戚の人達と凧揚げをしたり、こたつに入って“かるた取り”や“すごろく”をしたりしていました。それが、少しずつ様変わりをし、バトミントンになり和凧が進化して三角型の凧になり、ルーレットゲームやテレビゲームになって行きました。私が大人になるまでにもお正月の光景は変わって来ました。そして、遂に、「見た事はあるけど……」という時代になって来ました。大人でさえ、経験がないものを子供達に伝えるという事はなかなかできません。『お正月』という歌があります。2番に「もういくつねると おしょうがつ おしょうがつには たこあげて おいばねついて あそびましょ」という歌詞があります。子供達は知っているでしょうか?そして、歌っていてもこの中にある“おいばねついて あそびましょ”が、まさに“羽子板”を使った“羽根つき”なのだとわかっているでしょうか?少し脱線しますが、『ももたろう』という日本の昔話に「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に……」と耳慣れた一節で始まりますが、“山へ芝刈りに…”という意味を正しく知っているかと言えば、頭をひねるでしょう。整備されていない山林を歩いた事が無い子には、具体的に想像する事は難しいからです。このように、知らないまま耳にして口にしている事って他にも結構あったりします。あらためて聞かれると“そう言えば…どういう事?それって何?”という事があるのです。でも、子供達も日本人として生まれこれからも日本人として生きて行くのです。昔からこれまで言い継がれてきた事には、言われに基づくちゃんとした意味があり、この由来を知れば、簡単には無視できない大切な事なのだと感じます。例えば、羽根つきの羽根は“無患子(ムクロジ)”という植物の種に綺麗な羽根をつけた物で、“子供が患わ無い”という語呂合わせで、子供の厄除けと無病息災を願ったものなのだそうです。そう知ったら、子供の幸せを願う気持ちで日本文化として大切にしたいと思うでしょう。お正月のお節料理にも、それぞれに意味がある事もご存知でしょう。それらの全てが、家族の幸せを強く願う昔からの人々の想いから伝えられてきたものです。

日本の文化は、人が人を愛する美しく温かい想いの表れだと思います。お茶の先生が「日本の文化を子供達にちゃんと伝えていくのは、先を歩く者の役目だと思う」と言われました。他にもたくさんあると思います。四季のある日本には、その季節の節目節目に食す食べ物があったり、習わしがあったりします。その意味を教え、子供達と一緒に経験してみたらいいかもしれません。そうしてもらえる事で、子供達はお父さんやお母さんからの愛を感じる事でしょう。きっと心に残し、大人になっても、確かこの時季には…と意識してくれる事と思います。そして、それがまた次世代に…と伝承されて行くのです。日本が日本らしさを失わないように…。それは、自分の国を大切にする事に繋がってくると思います。

今は、色々な新しい情報が実に簡単に、また、たくさん入り混じる時代になってきました。逆に古い情報は入りにくくなります。時々ちょっと踏みとどまって、古き良き時代の大切にしてきた物に目を向けてみることは、確かに「先を行くゆく者の務め」なのかもしれません。

新しき事と古き事どちらをも知識に持つ大人は素敵ですよね。

どちらかと言えば、新しき事がなかなか入って来ない私ですが……。

田房葉子





BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008