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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『親離れ子離れ』平成25年5月31日

新年度を迎えて早2ヶ月が経とうとしています。幼稚園の子供達も新生活に少しずつ慣れて来て、それぞれに個性を見せてくれるようになりました。そんな子供達の様子を毎日楽しく見ています。

我が家にも、新生活のスタートを切った娘がいます。この春、大学に進学し、初めてのひとり暮らしをしています。娘が家を出てから同じく2ヶ月、親として様々な事を考えさせられています。

この18年間ずっと傍にいて、どんな変化にも気付き、必要とあらばいつでも手を差しのべてやれていたのに、急に、そうする事ができなくなった寂しさ、そして、何もかもが見えていたのに、今何をしているのかもわからないという現実に、周りの人達が「寂しくなったでしょ」と声をかけてくださる意味がこういう事だったのかと思い知らされています。

引っ越しの日、娘を置いて帰る別れ際に、やはり心細くなったのか、娘が急に抱きついて「おかあさん」と泣きました。私は、泣きじゃくる娘の背中をさすりながら、「大丈夫よ!あなたには、色んな事を乗り越えてこの新しい生活を手にした力があるんだから、これからもきっと頑張れるし、楽しく過ごせるはずよ!」と言って笑顔で別れました。けれど、私も帰りの車中、別れ際の娘の顔を思い出し、こらえきれず涙が溢れ出て止まりませんでした。それから、1週間くらいは、毎日電話をかけたりメールをしたりしていましたが、あの別れの涙がウソだったかように、段々と娘から連絡してくる事がなくなってきました。連絡がないので、心配して電話をかけると「なあに?」と、あっさりした反応…。期待していた反応と違っていて特に用事があったわけでもなかった私は、咄嗟に「何してるかなあって思って」と言うと、「特に」……実にいまどきの若者の台詞…。一瞬、(なによ!心配してやったのに!)とイラッとしましたが、主人から「用事もないのにいちいち電話するな。よっぽど困った時や我慢できなくなった時には、自分から連絡してくるから。」と言われ、実は自分が子離れしていない事に気が付いたのです。

それからは、諦めもあり、私からもあまり連絡をしなくなりました。たまにしてくる娘からのメールや電話では、毎日自炊を頑張っている事やアルバイトやクラブの事等を話してくれたり相談してきたりします。少し前に、新しい生活の緊張や疲れからか、体調を崩したようで、病院に行って検査をしてもらったという電話がかかった時には、知らない土地でさぞ心細かっただろうと思う反面、しっかり自立しようと頑張っている事に安心したりもしました。最近では、電話で話しても、「自分で考えてみる」とか、「調べてみるわ」とか「やってみようと思ってる」と、自分で自分で…と生き生きと過ごしているのを感じられるようになりました。

たった3歳〜5歳の幼い子供でも、自立願望はあります。着替えを手伝ってあげようと思ったら「自分でする!」と拒む事がありませんか?危なっかしい事に挑戦しようとしたり、親が言う事に反抗したり、なかなか親の思うようにならなくなってきたのを感じることがないですか?これは、自立の始まりです。でも、それに気がつかなくて…というか心配が先に立ち、つい手伝ったり口を出す事で、“私は心配しているの”という気持ちを押しつけてしまうのです。少し、子供を信頼してやらなくてはいけないのかもしれません。それは、ある意味、自立させるための『親の我慢』だと思います。手をかしてやったり、先に結論を出してやったりする方が安心ですが、育とうとしている力を足止めさせてしまっているという事に気が付かないといけないのです。親子の間に信頼関係があれば、困った時には、必ず頼ってくるでしょうし、なんらかのSOSを出してくるでしょう。

親として、すべき事は、安易に手を差し伸べる事ではなく、いざという時に、自分で考え解決できる『選択肢』をたくさん持った子供に育てる事、そのためには、いつも、親子でいろんな事を考え意見を出し合い認め合う生活をして行く事だと思います。幼児でも、お父さんやお母さんが言ったりしたりする事を見たり聞いたりしながら、生きて行く方法をいくつも引き出しにしまっておき、時期が来た時に自分の生き方のお手本として、引っ張り出してくるのです。

親にとっては、子供はいくつになっても子供です。心配で心配で、それはそれは可愛くて可愛くて、大切で大切で…。幼い頃は、「お母さん大好き!」「お父さん、遊んで!」と言葉や態度で自分の事を求めていてくれる事を実感できますが、少し大きくなってくると、そんな事も言ってくれなくなります。そうなると、親は、少し寂しくなってくるのです。親離れの時期を素直に喜べず、必要以上に干渉したくなってくるのです。だけど、心配しなくても、子供達は、お父さんやお母さんに感謝しながら生きていきます。愛を充分に感じてくれている事に私達親は自信を持って、年齢や時期にあった子離れを上手にしていく事が大切ではないでしょうか?危なっかしくても、自分の考えで行動しようとする子供を先回りして助けたい気持ちをグッと我慢して見守る、応援していてやることが、長い目でみる『愛情』だと思います。もしかすると、親離れより子離れの方が難しいのかもしれませんね。

わかっているのに、娘に送る荷物の中に頼まれてもいない物まで買って荷造りをしている私。ホント、親ってバカですね。私の両親もあの頃、今の私と同じ事を思っていたのかな?あぁ、ありがたい。

田房葉子





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