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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『日本の贅沢』  平成26年11月28日

年賀状の予約、クリスマスケーキ、お節料理の情報…等と、街は年末ムードで賑わい始めました。この一年の間にいろいろな事がたくさんあったのに、時間だけはあっと言う間に過ぎて行ったような気がします。新しい年を迎える前に、“今年もいい年だった”と思えるように、健康で年末に向かいたいものです。

さて、先日、用があって尾関山公園のあたりを通りかかりました。濃いもみじの紅葉がパーッと目に入り、思わず車を止めてその見事な景色にしばらく一人で見入っていました。前日の雨で濡れて光る落ち葉も私の目を楽しませてくれました。もう少ししたら、この紅葉の景色が雪景色になるのだろうと…そして、そのうちに春になりこの場所には桜が咲き誇り、また違う楽しみを与えてくれるのだろうと思いながらその様を想像していました。

日本には、春夏秋冬の四季があります。どの季節にもその時らしさがあって楽しいものです。目に映る楽しさだけではなく、味覚での楽しみもあります。大根や白菜の料理が食卓に頻繁に並ぶようになってきたら「おっ!.大根の美味しい季節になって来たね」と、家族が言います。今、畑を見れば、大根・白菜・ブロッコリー・ネギ等がたくさん植わっています。先日、娘と畑に行き、大根を抜いて冷たい水で土を落としていると「この景色やこの寒さと、大根や白菜の収穫はセットだね」と遠くの山の色や畑を見ながら娘が言いました。「夏休みには、セミの声を聞きながらトマトをもぎ取ったり、キュウリやナスを料理して食べるのがセット…って感じがする」と言うのです。なるほど、毎年、季節を繰り返しながら五感で四季を味わって生活をしているのだという事を感じます。

ぽかぽか暖かい柔らかな日差しを感じる春には、それまでどこかしら緊張して見えた冬の景色も緩み始め、冬眠から目覚めた動物達が動き出し、その内、花々も咲き、虫たちが集まって来ます。何もかもが新しく動きだし、人々の新生活も始まります。身にまとう服を一枚…また一枚と脱ぎ汗ばむ夏、口にするものも冷たい喉越しの良いものを欲し、緑で生い茂った木陰に涼を求めます。そこで鳴くセミの声は一層暑さを感じさせます。秋の楽しみはまさしく五感に訴えます。食欲の秋・読書の秋・スポーツの秋等と言われるように…。そして、またこれから向かう冬には、厳しい季節を受け入れながら寒さを楽しむ食べ物や生活があります。このように、春夏秋冬で様子を変える中、それぞれに生活のスタイルを合わせながらも私達日本人は、季節を楽しむ事を知ってきました。

また、それぞれの様子に優しさ・勢い・はかなさ・厳しさ・強さ・哀しみ・喜び等、色々な感情も抱きます。感じ方は様々で自由ですが、日本の四季折々の景色を見て、一年中同じ感情でいる人はあまりいないのではないでしょうか?普段は日々の生活に追われ、季節による自分の心の動きや感情の変化になかなか気が付かないでしょう。ですが、そのつもりで、山やその木々を眺めて見たり、花畑や野菜畑の植物の匂いを嗅いでみたり、目を閉じて音や声に耳を傾けたり、風や空気を肌で感じてみたりしたら、四季によって抱く感情の違いに気がつくと思います。春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の…それぞれに抱く想いを楽しむのです。そうして、感情豊かな自分になっていくのにも気づくでしょう。

このように、日本には『四季』があります。それだけに自然災害にも苦しめられますが、『四季』の移り変わりに逆らわず、受け入れ共存する気持ちで無茶や無理をせず生活をする事によって、それは、この上ない『贅沢』になるのです。

子供達にも、この“日本の贅沢”を味わわせてあげてほしいのです。綺麗な花をみたら「きれいだね。○○の気持ちになるよね。」と話してみたり、熱い太陽の日差しを浴びながら自然のエネルギーの恩恵について感じさせてやったり、落ち葉を見たり集めたりしながら、そのはかなさやもの悲しさ…そして、雪の下にある新しい季節を待つ生命力のたくましさ等を一緒に話したりしながら、“感じる事”を意識させてあげるのです。そうする事を繰り返しながら、子供達の感性は育つのだと思います。「夏は暑い、冬は寒い」というだけではなく、そこに自分なりに抱くイメージや感情や思い出等をオーバーラップさせながら、四季を味わい、楽しめるようになるでしょう。

また、日本にはその四季に合わせて行われる伝統行事もたくさんあります。それらの全てが、四季の流れに逆らわず、自然を尊ぶ日本の美意識からきているもののような気がします。この贅沢は、頑張って働いて…とか、運が回って来て…とかで得られるものではなく、宇宙のエネルギーや神様からの贈り物なのです。たまたま日本に生まれここで生活できている私は、この『日本の贅沢』をたっぷり味あわせていただきながら、人間らしい心を何歳になっても育んでいきたいと思っています。子供達にも、五感の全てで春夏秋冬を感じ、幼い時期から感じる心が自分の中にある事を知り、更に、感性豊かな人になって欲しいと願うのです。

田房葉子





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