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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『ルーツ』    平成26年9月1日

今年は雨の多い夏休みでした。特に広島市では20日未明からの集中豪雨により大変な災害が発生しました。あまりにも近い場所での災害に、ニュース等を見ながら心配された方もたくさんおられるのではないでしょうか?幼い子供達を含む多くの命が犠牲になった被害の大きさに胸を締め付けられるような思いがします。心よりお見舞い申し上げ、一日も早く日常の生活が取り戻せますようにお祈り申し上げます。

さて、この長かった夏休み、ご家庭では色々な思い出をつくられた事と思います。子供達から色々な話が聞ける事を楽しみに2学期を迎えました。よく考えてみれば、私が、家族で夏休みを楽しんだ……と思えたのは、子供達が中学生になる前までだったような気がします。その頃は、忙しい中でも、家族旅行に出かけたり、一緒にいる時間の流れをいつもよりゆっくりと感じながら楽しい夏を過ごしていました。でも、子供達が大きくなるにつれて、勉強や部活が忙しくなって来たりそれぞれに予定があったりで、なかなか家族皆が揃う事がなくなってきたのです。長女が大学生になってからは、そんな楽しい夏休みが、増々、遠い昔のような気がしています。

しかし、そんな娘達も、お盆には家にいて親戚を迎えたり、行ったりして賑やかに過ごしました。お墓参りも大切な事だと思ってくれていて、一緒にお墓に線香やろうそくをたむけ手を合わせました。少し前までは、ただ手を合わせてお参りするだけだった娘達も、ここ数年は率先してお参りするまでの準備を手伝ってくれるようになりました。そんな時、墓石を見ながら、「ねえ、この名前の人は誰?」「おじいちゃんにとってどんな関係の人?」また、「どうして、田房って書いてないお墓にもお参りするの?」「どうして亡くなったの?」等と、お墓を見渡しながら色々と質問をして来ました。幼い頃にも何度か教えた事がありました。一生懸命聞いてはいましたが、幼くてよくわかっていなかったのか、あまり覚えていなかったようでした。今年は、今までより真剣だったので、おじいちゃんが丁寧に教えてくれました。「この人は、おじいさんのおじいさん。人を集めて楽しむ事が好きな人だったよ。こっちがおばあさんで百歳まで生きて元気な人だった。優しい優しい人で、かなり年をとってからでもお父さんをおんぶして子守りをしてくださったんだよ。」「この人は……。この人は……。」と、どんな繋がりのある人か、その人がどんな仕事をしていて、どんな人だったのかというおじいちゃんの話に娘達はじっと聞き入っていました。その中には、戦争の話や生きるために必死だった頃の昔の苦労話も含まれていて、感慨深かったようでした。「私達の知らない過去の話だね。仏間の写真を見たら色々と想像するね。この人達がいなかったら、おじいちゃんはおじいちゃんじゃあなかったんだよね。お父さんだって生まれて来なかったし、私達もここにはいないんだね。不思議な気分!!」と姉妹二人で顔を見合わせていました。亡くなった中には、“一才”や“二才”と墓石に刻まれてあるのを見て、昔は、元気で生きていく事がどんなに大変な事だったかという事も話してもらっていました。

そんな話を聞いて、どんな事を感じてくれたでしょうか?普段、私達の知り得ない我が家の歴史を知り、ご先祖に感謝の気持ちを持ってくれたと思います。そんな話を聞いてからのお参りは特別な想いで手を合わせた事でしょう。

人には誰にでも、その人のルーツがあります。幼い子供達にも、その子を取り巻くたくさんの人達の存在をわかるように話し、意識させてあげてください。大切な人の繋がりを感じてくれるでしょう。今月は“敬老の日”もあります。例えば、おじいちゃんやおばあちゃんは自分にとってどんな繋がりの人なのか、お父さんやお母さんとの思い出話。それから、お父さんお母さんが結婚した時の話等をしてあげれば、興味をもって聞いてくれると思います。まだ幼いうちは、その時に聞いても十分には理解できないでしょうし、一時的な感動にしかならないかもしれませんが、その時だけでも、自分が生まれてきた事は素晴らしい事なのだと……、色々な歴史があって今の皆の存在がある……、この“不思議”に何となく嬉しい気持ちになる事は大切な事だと思います。子供達はこれから先、自分の人生を自ら切り拓いて生きて行かなくてはなりません。自分の人生は自分のもの…されど、たくさんの人やその歴史の“おかげ”である──と心のどこかに置いて生きて行って欲しいと思うのです。

昔があって今があるという事を知り、その事を良い力にし、今自分が生きている意味やありがたさを感じながら、家族を大切にする事や、自分自身の事も大切にして生きて行こうと思ってくれたなら嬉しいと思います。

私も、実家の本家のお墓参りをした時に、娘の質問に答えながら、祖父母・曾祖父母の事を思い出していました。私もまた父から、父が幼かった頃の事や、父が祖父から聞かされていた昔の話を聞かせてもらいました。懐かしさと共に、忘れかけていた感謝の気持ちが起こったり、これからも一生懸命に生きて行かないといけないな…とあらためて思ったりしました。

自分の『ルーツ』をたどっていけば“自分”が見えてくるようです。

田房葉子





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