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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『ドキドキを味わって』平成27年4月30日

新年度が始まって、1カ月が経とうとしています。色々な別れがあって、新しい出会いがある新年度。どこに行っても、新生活を始めた人々が初々しく頑張っている姿を目にします。年度の終わりや初めには、お父さんの転勤で引越しをする事になったご家族が挨拶に来てくださったり、小学校や中学校を卒業した報告や、入学・進学の報告に…と、たくさんの卒園児達が幼稚園を訪ねて来てくれたりしました。どの人達にも、幸せな新しい生活が待っていますようにと祈る気持ちでいっぱいです。

幼稚園でも、今、可愛い新入園児達が、お父さんやお母さんの手から離れ、初めての環境に慣れるために一生懸命頑張っています。「お母さんがいい!」「お家に、帰りたい!」と先生に抱かれたまま涙がいっぱい出ます。お部屋が分からなくなったり、靴箱が見つけられなかったりするだけでも、涙がじわじわあふれてきます。好きなだけ遊びたくて「まだ帰らない!!」「いやだ!」と先生との追いかけっこにもなります。みんなみんな不安でいっぱいなのです。なかなか、自分の居場所が見つからなくて落ち着かないのです。だけどこれは、当たり前の事で、また、こうした経験を重ねる事はとても大切な事なのです。

我が家にも、新生活を始めたばかりの大学生の娘がいます。

入学式を迎える一週間前頃、「入学式に提出する書類や持ち物や服装の準備はできているの?」と娘に確認をすると、「大丈夫!友達と確認したから。」と言うのです。「友達って?」……??…まだ入学もしてないのに、受験の時にでも友達をつくったのか?…そんな余裕がよくあったものだと思って聞くと、「違うよ!もうラインで同じ大学の同じ学部に入学する人と友達になっているの」と言ったのです。なんという世の中だ!!と驚きました。アナログ人間の私には、娘が言っている意味がピンときませんでした。まだ見た事も話した事もない人と、友達になれるなんて、世の中で問題になっている出会い系サイトと思わず結び付けてしまい(笑われるでしょうが…)、どうも納得いかず、娘に必死で食いついてあれこれと説教じみた事を言いました。よくよく聞いてみると、それとこれとは違うという事が少しわかりホッとしました。(娘には、呆れられました)色々な人に聞いてみると、どうやら、若い人達がそうして交友関係を築いて行く事はよくある事なのだそうです。

便利になった、効率的になったと言えば、そうなのかもしれませんし、未知の環境とは言え、友達が既にできている環境の中なら、かなり安心して飛び込んでいけるでしょう。しかし、長い人生、いつも喜びや楽しさで満たされてばかりとはいかないものです。必ず色々な場面で、“緊張”や“不安”、“孤独”や“迷い”と向き合わなければならない時があります。これらを克服したり乗り越えたりして得られる心の安定は自分を高める貴重な経験になるはずなのです。

そして、それを乗り越える途中で自分を支えてくれる人と出会い、少しずつでいいから…時間をかけてもいいから…自分で新しい世界の扉を開いて行くすべを学習するべきだと思うのです。扉を開く前に、トントンとノックする事から、経験して欲しいと思います。人間にはある程度の緊張感は必要ではないでしょうか?この緊張は、新しい事や初めての事に出会うための気合いにもなります。これを繰り返し上手に経験する事で、その緊張感を楽しめるようになります。ドキドキがワクワクに変わるのです。高い位置から落としたボールが低い位置から落としたボールより高く弾んで跳ぶように、喜びや感動は大きくなります。

幼稚園の新入園児達も、進級して新しい先生や友達と過ごし始めた子供達も……、もしかしたら、お父さんやお母さん達も、今は、きっとこの緊張や不安と密かに闘って(?)おられるのかもしれません。でも、世界を拡げるとは、こうしたものです。幼い頃から、こんな気持ちを味わう経験を繰り返しながら、人生の中で何度か出合うだろう『新たな環境』を上手に受け入れ生活をしていく方法を知って行くのです。幼いうちは、その経験を親子で一緒にする事を幸せだと感じてください。新しい環境に飛び込んで行くという事は、そんなに、容易な事ではないし、そこには、大なり小なりの葛藤も生じてきます。

会って話をするより前に…顔を見て声を聞くより前に友達になる……。これが当たり前になって欲しくないと思います。緊張や不安を避けるためのベストな方法だと思わないでほしいのです。幼い頃から、その年齢に合った『苦労』を味わわせていく事は、人間形成の上で、大切な学びのひとつでもあると思います。

 今、子供達は、毎日一生懸命です。初めての制服を着て、初めての先生、初めての友達、初めて過ごす幼稚園の時間etc.何もかもが“初めて”です。これまで、困ったらそのすぐ傍にお父さんやお母さんがいてくれました。(……いえいえ、困らないですむようにしてくれていた…)でも、そんな環境からほんの少し卒業しようと、今、頑張っているのです。先生達は、お家の人からバトンを受け取った気持ちで、そんな子供達を愛おしく思いながら、自立へと導いて行きます。ドキドキは、必ずワクワクに変わって来ます。
 ドキドキ緊張…これは、避けては通れない…避けて通ってはいけない貴重な経験なのです。

田房葉子





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