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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『なぜ?どうして?』 平成29年1月31日

3学期の始業式に、園長先生が挨拶の中で、今年度も残すところあとわずか、みんなで過ごせる毎日を大切に過ごしましょうという意味を込めて、これからの3カ月の短さや忙しさを表わした“1月は行く、2月は逃げる、3月は去る”という言葉を子供達に教えてくださいました。大人の感じ方から生まれた言葉なのかもしれませんが、子供達にとっても、信頼関係が深まった友達や先生と過ごす3学期はこれまで以上に楽しく充実したもので、きっと時間の流れを早く感じるのではないかと思います。私達はこの3学期を今年度の締めくくりとして、また、来年度に繋がる良い時間にしていきたいと思っています。

さて、なかなか降らなかった雪が、先日記録的な寒気の中、幼稚園の庭にもたくさん積もりました。参観日の翌日、幼稚園は振替休日でしたが、預かり保育(プレイルーム)の子供達はスキーウエアを着て雪遊びを楽しみました。そんな時の事です。ある年中組の女の子が、手袋を外して手のひらに雪を乗せてじーっと見ていました。「何してるの?」と聞くと「雪がね、溶けるの。ほら!お水になるよ」と言って見せてくれました。雪が溶ける現象は分かってはいたものの、じっくり見てみたら面白かったのでしょう。それを見ていた年少組の女の子が「私の雪は溶けないよ」と同じように乗せて見ていました。その子は毛糸の手袋をはめていたのです。年中組の女の子は「当り前よ!だってそっち、手袋の上だもん」と言うのです。年少組の子は「どうして手袋をしていたら溶けないの?」と聞き返しました。少し私の顔を見ながら考えていましたが、年中組の女の子の答えは「手袋はフワフワしてるからよ」……でした。私は、年少組の子がどう反応するかな?と見ていると「手袋の方があったかいのに…手は冷たいのに…」と腑に落ちない様子でつぶやくように言いました。なるほど、何となく言いたい事はわかる!おもしろい!と思いました。毛糸の手袋は手が冷たくないようにはめる物で、あったかい物だから…という事だ。毛糸の手袋をはめていた私は「どうしてなんだろうね」と言って、片方を外して両方の手のひらの上に雪を乗せました。わざと雪の量を違えて乗せると、年中組の子が「ダメよ〜同じくらいにしないと!」と言いました。調べたい事以外の条件は同じにしないと比較できないというのが感覚的にわかっているという事が凄い!と思いました。重い物を持って走るのと軽い物を持って走るのとでは「よーいドン!」で競走した時、勝負にならなかったり、サッカーをする時にメンバーの人数を揃えないと公平ではなかったりする事と同じです。このようなあそびや経験の積み重ねから得たものなのです。それから、もう一度今度は同じくらい乗せてその子達と見ていました。手のひらの雪がジワ〜ッと溶けていく様子に「アッ!手袋をしていない方が早く溶けた!」と大きな声で言いました。それから何回も「やってみせて!」とせがまれましたし、子供同士でも試していました。

また、何人かの男の子がブーツの裏を見比べていました。滑り止めの金具がついているのといないのと、そして、それがどう違うのかを話していました。「雨の日と雪の日の長靴は違うんだよ。」「雪は滑りやすいからこれ(金具)が付いてるんだよ。」「雨ならいらないの?」と聞いてみると「うん。だってザックザックって歩かないでしょ」「ぴちゃぴちゃ歩くだけだから…」──。何となく言わんとする事がわかりました。“ザックザック”と雪を掻くように手の指を曲げて爪を立てるように……“ぴちゃぴちゃ”と雨の中ベタ足で歩くように手の指を伸ばして動かしながらそれを説明してくれました。

雪あそびや滑りやすい所を滑らないように考えて遊ぶ経験が、その時の“なぜ?どうして?”を解決させてくれるのです。

子供達の周りには、“どうしてだろう?”という事がたくさんあります。大人にとってわかりきっている事でも、子供達にとっては、不思議でたまらない事や、おもしろくてたまらない事がたくさんあります。「ん?」と思っている時や質問して来た時、その時が子供達の育ちのチャンスです。幼児期の“あそび”の中にたくさんの教材がある事に気付かされます。どうして雪は溶けるんだろう?どんな時にどんなところで?と疑問を持ち、じゃあ、こうしてみたらどうなんだろうと試してみようとします。何度も何度も試しては失敗したり、答えが見つからなかったりします。その過程で、いろんな知識や方法を学びます。あれこれと考える力が身に付きます。それが面白くなって、もっと知りたい学びたいと意欲的に取り組む力が育ちます。知識だけではなく、試してみようとする時に周りにいる友達と一緒に考え合い、意見をぶつかり合わせながら一人の人格者として友達に関わる力も育ってきます。

あそびを通して子供達のそんな力を引き出すのです。子供達が、「なぜだろう?」と心くすぐられる経験をたくさんさせてやりたいものです。幼児期が終わると児童期になり大人になっていきます。

幼児期にしかできない学びがあります。そう言えばあの時に手のひらで雪が溶けて水になったなぁ。それが、これか!と経験と知識が一致する時がいつか来るのです。経験との一致がないと知識は本当の力にはならないのです。あそびの中から生まれる“なぜ?どうして?”を大切にしてあげてください。

田房葉子



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