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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『こっちをみて!』     平成28年6月30日

年長組の子供達が植えたお米の苗が、水田の中でフサフサと風に揺れています。イモ畑では、サツマイモの苗が、太陽の光を浴び雨や土の養分をいっぱいに吸って元気よく伸びています。収穫はまだ先の秋になりますが、それまでの一日一日が、その生長に欠かせない大切な時間になっている事が、まさに子供達の成長と重なり、田んぼや畑を毎日見渡すのが楽しく思えます。

さて、先日の“父親参観日”では、たくさんのお家の方においでいただきました。普段仕事で忙しく、子供とだけの一日を過ごす事がなかなかできないお父さんにとって、その日は、我が子の事だけを考えて楽しめる良い一日になったのではないでしょうか?無邪気に笑う子供達を見て、親は、どんな事でも頑張ろうと思うし、ずっとこの幸せを守ろうと思います。そして、そう願って自分を見つめてもらっている子供達にもその思いが伝わるのか、穏やかな気持ちになっているのが伝わって来ます。自分を見ていてもらうだけで、子供達は幸せな気持ちになるのです。“見ていてもらうだけで…”と言えば……。

赤ちゃんを出産されたあるお母さんが「先生、赤ちゃん返りっていつまで続くのでしょうか?」「お姉ちゃんになったのに、逆に難しくなってしまって…」と悩まれている事を話してくださいました。それまでは、お父さんやお母さんの愛情を…視線を一身に受けてきたのに、赤ちゃんが生まれてからはどうしても親の関心が赤ちゃんに移ってしまう──当然の事です。お父さんもお母さんも大変なんです。だけど、まだ、その環境の変化が即座に受け入れられない幼い子にとってはその現象(?)は一大事なのです。何とかしないと!と、子供なりに必死で作戦を練るのです。これならどうだ!これでもダメか!と、親が戸惑うような事を言ったりしたりして、お父さんやお母さんの関心を自分の方に戻そうと“努力(?)”しているのです。これもまた、当たり前の事です。

こんな事もありました。入園前に、幼稚園によく遊びに来ていた女の子。先生達も、いつも職員室に顔を覗かせてくれるその女の子が可愛いくて、たくさん遊んだりおしゃべりをしたりして楽しんでいました。4月、晴れて入園したその女の子は、毎日とても楽しく幼稚園に通っています。何でも自分で頑張れて、幼稚園の約束や先生の話もちゃんと聞けるので順調に過ごしていると安心していました。それから1カ月が経ったある日、降園準備をしていたその女の子のクラスに行ってみると、その女の子は、すっかり降園準備を整えて椅子に座っていました。その横で、まだ、自分で着替えが出来ず歩き回っている子がいたり、幼稚園生活に慣れていないために、疲れて機嫌が悪くなっている子がいたりして、担任も私も抱っこしたりトイレや着替えを手伝ったりして、その子達の対応に追われていました。すると、良い子で座っていたその女の子が、おもむろにちゃんと履けていたシューズをわざわざ左右反対に履き替えたのです。私が気付かない振りをしていると、近寄って来て、何も言わずに私のエプロンを掴んで反対シューズの足元を見せるようにさり気なく足踏みをしました。私は、「アッ、そうか!」と思いました。その子は、アピールしていたのです。(私も、ここにいるよ。私の事もちゃんと見て!)(その子達ばかり見てないで私の事もかまって!)……と。少しして「あらら、シューズが反対だよ。直してごらん。」と言って見ていると、私のエプロンの裾を掴んだままで履き直していました。また、ずっと前に、家でしたのであろう手の怪我を見せて「ここが、痛いの」「ここがかゆいの」と職員室の園長先生の所にまでも言いに行っていました。きっと、入園するまで、十分にかまってもらえていたのが、そうばかりでなくなったのが寂しかったのかもしれません。環境の変化に戸惑っていたのでしょう。その子にしてみれば、急に視線を背けられたような寂しい気持ちになり、何か、注意をひかないと…と思ったのでしょう。

子供は、“赤ちゃん返り”という作戦や“わがまま”“反抗”といったいろいろな方法で、お父さんやお母さんを困らせようとします。

それは、悪い子になったのではなくて、「こっちを見てよ〜」とけな気に信号を送っているだけなのです。そんな時には、その子を少し優先させてあげてください。手が掛からないから…お姉ちゃんだから…良い子だから…と、安心してばかりいると、敏感に大人の変化を感じる子は、寂しい思いをしているのかもしれません。その状況の事もちゃんと子供は分かっているのです。(今は、我慢しなきゃいけないな。わがまま言っちゃダメだな。)と思いつつも、その寂しさをいつ…どういった方法で伝えたらいいのかを模索しているのです。子供達は、周りの様々な環境の変化を感じ、幼いながらも一生懸命にそれを受け入れようとします。しかし、その許容範囲を超えそうになると何かしら発信してきます。その事に気付いてあげてください。お父さんやお母さんとだけの時間をつくってあげて、いっぱい話をしたり触れ合ったりして「あなたの事が大好きよ」「いつも、ずっと、見ているよ。ちゃんと見ているからね」と気持ちを伝え、安心させてあげてください。心をしっかり抱きしめて……。必ず、立派なお兄ちゃんお姉ちゃんになってくれますから。

田房葉子





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