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『“不安”を“期待”に…そして“自信”へ』
              平成28年7月19日

梅雨真っ只中の空が段々と真夏の色に変わって来ているように感じます。重たかった雲が軽くなり夏の風にゆっくり流れていく様が、いかにも夏を思わせます。

さあ!明日から2日間、年長組の子供達は島根県大田市の三瓶へ合宿保育に行きます。お家の人から離れて先生や友達と一緒に過ごします。先生達は、この合宿保育に向けて、子供達全員が楽しみにその日を迎えられるように、話をしたり準備をしたりしてきました。お家でも、きっとその話をしてくださっていたと思います。しかし、毎年、みんながみんな楽しみに思えるわけではなく、中には、“お母さんから離れて寝た事がない”とか、“おねしょが心配で…”等、不安で一杯の子供がいます。「行きたくない」という子もいます。

5月の終わり頃、年長組で行った『かきかた教室』がきっかけとなり、ノートに名前や手紙、日記等を自由に書いて私に見せてくれる子が何人かいます。段々と文字を書く事が楽しくなってきているのか、文章もユニークで毎日読むのを楽しませてもらっています。その中に、こんな事を書いて来た女の子がいました。『ようこせんせい、がっしゅくほいくにいきたいけどいきたくないです。ねるのがちょっといやです。』──切実な今の悩みだったのでしょう。私にまで書いて伝えようとした気持ちが切なくて、何とかここを乗り越えて欲しいと思いながら私はこう書いて返しました。『お兄ちゃんも年長組の時に行って楽しい思い出が出来ているはずです。夜はたっぷり遊んだ後だから目をつぶっていたらすぐに眠れてあっという間に朝が来ます。だから大丈夫。一緒にいこう?』──すると翌日のノートに……『おにいちゃんにがっしゅくほいくのことをききました。すぐにねれたよっておしえてくれました。でもまだきになります。』と書いて来てくれました。行きたい気持ちとそれでもやっぱり不安な気持ちで揺れているようでした。それからも何度か、気持ちを正直に書いてくれたノートをやり取りしました。よほど不安だったのでしょう。

よく考えたら、それは極々当たり前の事かもしれません。お家の人と離れておじいちゃんおばあちゃんの家に泊まる事はあっても、まだ、人の家に泊まるという経験はそうないでしょうから。お家の人が傍にいない2日間の事が想像できなくて不安なのです。それを聞いた担任は、少しずつその子の気持ちを和らげてその日が迎えられるように作戦を練ります。三瓶はどんな所か、そこでどんな事をして過ごすのか、どんな楽しい事が待っているのかをその子だけでなく、子供達みんなに話す事で楽しみを共有させます。そのうち、少しだけ様子が想像できて…ちょっとだけ楽しみにもなってきます。先生達の作戦はさすがです。不安で硬かった表情が少しずつ和らいでいきます。そうして、不安を残しながらでも当日を迎えられたら、ここからがまた成長のチャンスです。ここで、諦めるか勇気をもって挑むかで、その後の生き方が変わってくるかもしれません。人は皆、人生の中で何度か自分の目の前にある壁を打破しないといけない場面に出くわします。そんな時、その先にある楽しみや自分の姿を想像し期待する事で、頑張ってみようという気持ちを奮い立たせます。それができる人になるかならないかは、幼い頃からのこういった経験の積み重ねや繰り返しで決まって来ると思います。先生達は子供達全員の気持ちがこの合宿保育に向くように一生懸命に応援します。成長できる良いチャンスだからです。

合宿保育は、年長組の行事の中で子供達にとっても親にとっても大きな行事です。自分の荷物は自分で準備したり片づけたりします。出されたご飯は苦手な物でも頑張って食べます。友達と一緒に早寝早起きをします。───頑張らないといけない事がいっぱいありますが、自分の力で頑張った事がまるまる自分の楽しみや喜びになる事を実感できる2日間なのです。そして、頑張った自分の力に自信が持てるようになります。お父さんお母さんも、この2日間は心配で…気がかりでたまらないと思います。でも、子供達は、きっと大丈夫です。先生達が応援します。必ず成長する事がわかっていますから……。どうか、「行ってらっしゃい!」と笑顔で見送ってあげてください。“お父さんやお母さんがいなくても友達と一緒だったから楽しかったよ”“何でも自分でできたよ”“みんなと一緒に食べたご飯は美味しかったよ”と大きなリュックサックの中に“思い出”と“自信”を一杯詰め込んで帰る事でしょう。そして、2日間を過ごして帰って来た時には、どうぞ「おかえりなさい」と迎え、お土産話にしっかり耳を傾けてあげてください。頑張る気持ちでパンパンだった空気を少しずつ抜いて楽にしてあげてください。そうしないと、次の新しい空気が入らなくなります。気持ちを抜いたり入れたりする事も大切です。この『合宿保育』の経験はきっとこれからの子供達の成長を後押ししてくれるものになるはずです。

さて、皆さんはどんな夏休みを過ごしますか?この長い休みの間、何か一つの事を続ける事が楽しい!何か頑張って挑戦する事が嬉しい!──そんな経験がたくさんできるといいですね。そして、今のこの時にしかできない、今だからこそできる事をぜひ!一緒に経験し、心に何かが残り、何かが育つ夏休みにしてみてください。

この夏休みの間にいろいろな事を経験して、一回り大きくたくましくなった子供達にまた2学期に会える事を楽しみにしています。そして休み明け、『合宿保育に行きたくないんです』と書いて来た女の子のノートに何て書いてあるかを楽しみにしていたいと思います。

田房葉子





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