余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『新しい環境は踏切板』 
          平成29年4月28日

満開に花を咲かせた桜の木も葉桜になり、黄緑の柔らかい優しい色に変わりました。あちらこちらの家の軒先には、安住の地を求めてツバメの親がせっせと巣作りをしています。生き物達は皆ありったけの生命力を使って季節折々の自然と共存しています。私達も、そんな様子を見て季節を感じとるのです。“あぁ、またこの季節がやってきたなぁ”……と。

幼稚園では、今年もまた新入園児達が仲間入りをして、賑やかな新年度を過ごしています。私は、登園して来る子供達を毎朝中門で迎えますが、まだまだ赤ちゃんぽさが残っているようにみえていた入園当初の新入園児達が、日に日に“幼稚園児”の顔つきになっていくから本当に不思議です。こうして少しずつみんな成長していきます。これからどんな成長を見せてくれるのか楽しみです。

そして、そんな可愛い新入園児達を先生と一緒にサポートしてくれているのが進級児達です。「この子をうめ組のお部屋まで連れて行ってあげてくれる?」と頼むと「わかった!」と手を繋いでくれたり、優しく肩に手を添えて連れて行ってくれたりします。「先生!小川の所で、女の子が泣いてるよ。転んだんだって。」と教えに来てくれます。小さいけれど大きな助っ人です。進級児の中でも、特に年長組になった子供達の助っ人振りは凄いです。それは、入園式の翌日でした。ある男の子が、入園式で使ったたくさんの園児椅子を一人で片付けている担任の先生をみつけ、「先生!何してるん?」と声をかけていました。先生は「昨日の入園式で、新しいお友達が座った椅子を片付けるために運んでるの。」と答えると、「そうなんだ。手伝ってあげようか?!」と言ってくれたのです。担任の先生が重そうに運んでいるのを黙って見ていられなかったのでしょう。実に自然に口から出た言葉に聞こえました。「ホント?嬉しい!一人でどうしようかと思っていたの。」と先生が言うと「いいよ!これをどこに持っていけばいい?」……その二人のやり取りが、とても微笑ましく思えました。ちょっと前までの年中組の時の顔つきとは違って、どこから見ても幼稚園の最高学年のお兄ちゃんでした。それからも、その男の子が、担任の先生をいろいろな場面で助けてあげたり、協力してあげたりしている姿を見かけるようになりました。朝、園庭の掃き掃除も積極的に先生達と一緒にしてくれます。その上手な事!保育室に入る前に園庭に落ちている砂場の道具を見つけては片付けてくれる。その頼もしい事!

こうして新入園児も進級児も、顔つきが皆それぞれにお兄さんお姉さんらしくなっていくのはどうしてでしょう。そうなるきっかけは、環境が新しくなった事だと思います。子供達は一年の間にその子独自のカラーを築き自分らしく輝きます。でも、子供達はいつでも潜在的に“もっとあんなふうになりたい!もっと…もっと…”と憧れの人を見て自分が思い描くカッコイイ自分になりたいという願望を抱いていると思うのです。今のままの自分に満足しっぱなしではないのです。自分の今ある能力を高めたり、場合によっては自分のカラーを塗り直して新しいカラーを作りたいと思っているのです。人はいくつになっても脱皮し続けると私は思っています。これが『成長』だと思うのです。環境がずっと変わらなかったり、関わる周りの人がずっと同じ人だったりしたら、気持ちも変わりにくいと思います。長い人生には、何度かいろいろな節目があり、自分を変えるきっかけがあると思います。子供達にとっては、それがまさに今の新年度です。新しい先生、新しい友達、環境…これらの全てが新しい自分になれる…成長できるきっかけです。

跳び箱の前に置かれた踏切板──少し勇気がいるかもしれませんが、踏切板をしっかり踏んで跳び箱を越えて行きます。人生の中に何度かある踏切板を避けていては、跳び箱の向こうにある世界に出会えないままです。新しい自分に出会え自分を発見できたら、それまでとは違う世界の中で生きて行けます。

それまでは、お母さんと一緒でないと保育室まで行けなかった女の子が、年中組になった途端にお母さんの手から離れ一人で行けるようになったり、自分から「おはよう」がなかなか言えなかったのにひとつお姉さんクラスになったからと「おはようございます!」と言えるようになったり…と「今日からの私は今までの私とはちょっと違うのよ!見ていてね!」と言わんばかりに変わって行きます。

新しい未知の環境は、不安でいっぱいだと思います。大好きだった友達と同じクラスになれなかったから…昨年までの様子と違ってきたから…馴染めてないのでは?と心配されていると思いますが、子供達には自分が脱皮できそうな予感はあるはず。今はそのための踏切板に向かって行こうかどうしようかとチャンスを窺っているだけなのです。すぐに向かって行ける子もいれば、ゆっくりと向かう子もいます。どうか、これから、いろいろに変わって行く子供達を楽しみにしていてください。

今年度も、皆様に『葉子せんせいの部屋』を読んでいただく事で、子育ての難しさも楽しさも共有し、どんな小さな成長でも大きな喜びとして感じてもらえたらと思っています。感想などお寄せいただけると嬉しいです。一年間どうぞよろしくお願い致します。

田房葉子





BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008