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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『正体を知る』 平成29年5月31日

新年度を迎えて2カ月が経ちました。周りの様子を少しずつ受け入れながら、新しい環境に徐々に慣れていこうとする子供達の姿が頼もしくもあり愛おしくもあります。先生達も子供達一人ひとりの“その子らしさ”を見つけながら、クラスづくりをしていく楽しさをいよいよ感じているようです。

さて、少し前の事になりますが、ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?農繁期という事もあり、我が家の周りでは朝から農機具の音が響く毎日でした。我が家も親戚の手を借りながら田植えに精を出しました。親戚の0歳から6歳になる男の子4人もやって来て、ヌルヌルの田んぼの中に入り苗を植えて(?)くれたりサワガニを捕まえたり、ヘビを見つけてその様子を楽しんだりしていました。田植え機にも乗せてもらってご満悦だったようです。我が家の娘ふたりも帰省して、こちらは少しだけ田仕事の手助けをしてくれていたようです。そんな可愛い助っ人達のおかげもあり、田植えが予定通りできたので、ゴールデンウィークの一日くらいは出かけようと、娘達のリクエストもあり、急遽、下関の方へドライブをする事になりました。魚市場で買ったさばきたてのネタで握られたお寿司を関門海峡を眺めながら食べました。お寿司のネタをみて「これはヒラメだね。これはフグ、これはアジでこれはタイ、これは……」と自分の好きなものを食べていた娘達でした。満腹になったところで、隣接された水族館に行き、水槽のなかで泳ぐたくさんの魚を見ながら歩き、「えっ?!これヒラメ?カレイ?どこがどう違うの?」と見分け方について話したり、泳ぐアジを見て「アッ!さっき食べた!」とか、群衆で泳ぐイワシを見て「ワァ〜!節分のイワシだぁ〜」と盛り上がったりしていました。寿司のネタをみて、それが何なのかは分かっても、その元々の姿を見た時に分からなかったり、そこで初めて結びついたりピンときたりするのです。調理しやすくさばいてあったり、小さくしてあったりする物ばかりを買うとその魚の本当の姿を知らない…という事になってしまいます。私もそうしていたのかもしれません。反省しました。さすがに娘達も、アジとイワシくらいは分かるのですが、姿が似ているヒラメやカレイの説明書きを読んで、あらためてそれらの習性や私達の口に入るまでの生態を知り、その形や色には海の中で生き抜くための意味を持つ事を理解します。美味しい握り寿司のネタの正体が明かされるのです。

主人と一緒に野菜の苗を買いに行ったときの事です。野菜作りは父に任せっきりの私達ですが、今年初めて夏野菜の苗を買って来てほしいと頼まれ、二人で買いに行きました。私はまだ幼稚園の子供達と育てた事があるので分かるのですが、そのつもりで畑を見た事のない主人──さすがに生長してそれらしく育った頃には分かりますが、苗からはなかなか判別できず、たくさんの種類の中から全く違う苗を手にとって見ながら「これは?…違うか…」と言って探しているので、笑ってしまいました。

連休明けには、年長組の子供達が田植えを経験しました。初めて経験する子供達がほとんどでした。米作りの事なら野菜作りよりは分かる主人が(笑)、子供達にいろいろと分かりやすく説明をしてくれました。苗が稲になりその穂先になる実がお米で、それがご飯になるという…よく考えたらややこしい話です。お茶碗の中のご飯の正体はお米で、その前の正体がこの緑の苗なのです。この苗がご飯に?主人が「この苗一株でお茶碗一杯くらいのご飯ができるよ。小さなおにぎりが二つくらい作れるね」と……。子供達は「へ〜ェ」と声をあげていました。そして、裸足で田んぼに入り楽しそうに植えていました。その後で、ある女の子が私に「今日は楽しかった。」と言ってくれたので、「おにぎり作ろうね。あの苗からどうなっておにぎりになるんだろう。不思議ね!」と言うと「ずんずん伸びて、お花みたいに先っぽに…おにぎり?…ご飯?…ん?」とそれを想像して首をかしげながら答えました。秋には稲刈りも経験します。知らなかったらそのまま素通りしてしまう知識ですが、その収穫までずっと自分達が植えた苗がどのように生長していくのかを気にしながら観ていくという事はおにぎりの正体を暴いていく事になります。

幼稚園で飼っていたヒツジ……昨年度末に老衰で亡くなってしまいましたが、毎年年長児達が毛刈りをしていました。その時も、みんなが冬に着るセーターの正体が実はこのヒツジの毛である事を知ります。

私達大人でも、商品のその正体を知って、だからそうなのか…こうなっているのか…と改めて理解する事があります。それが、食べ物であっても物であっても何でも、『正体』があるのです。正体を知ると、今まで、何気なく手にしたり目にしたり口に入れたりしていた物に、納得しながら触れる事ができ、そのルーツにも関心をもち、より深い感じ方や味わい方楽しみ方ができるようになります。こうした物の見方ができるようになる事が、学ぶ姿勢につながっていくのだと思うのです。イメージが具体化できる体験をたくさんする事が、幼児期の子供達にとっては大切なのではないかと思います。『正体』に触れる経験をたくさんさせてあげてください。それを知った上で積み上げられた知識は確かな学びになります。

田房葉子





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