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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『本当の“子供のために”…を考える』
平成29年7月19日

7月に入り、しばらくの間は天気予報から目が離せない日々が続きました。日本列島のあちらこちらで、豪雨による災害が起こり、私達の住む町でも避難を余儀なくされた方々もおられました。様々な被害をお受けになった皆様には心よりお見舞い申し上げます。

さて、7月7日の七夕──、今年はこうした天候の中でしたので、雨こそ降ってはいませんでしたが、雲に覆われた夜空に天の川は見えませんでした。しかし、幼稚園では、それまでに子供達が様々な願い事を短冊にしたためていました。七夕の願い事は、努力したり頑張ったり心がけたりすれば叶う事を書くそうです。その事を先生達は子供達に話してやるので、みんな一生懸命に考えます。“鉄棒が上手になれますように”“頑張り屋さんになりますように”“足が速くなりますように”……等と子供達の中にある願い事が書かれ、笹で揺れるきれいな五色の短冊を見ると心がなごみました。この願い事を考え文字にする事により、あらためて自分を振り返り目標とするものを自分自身に確認するきっかけになるのかもしれません。誰にも変える事の出来ない天体に夢と願いを込めたこの日本の伝統行事に、素晴らしさと美しさを感じます。

その七夕を前に、年長組ではお茶会を経験しました。掛け軸は、涼を感じさせる『滝と青楓』、花は『トラノオ』、お茶の先生がそれぞれ説明をしてくださいました。その後で、花入れについて話をしてくださった時の事です。花入れは竹で編まれた籠でした。先生が「籠は何で出来ていると思いますか?」と聞かれると、子供達は色々と思ったままを発言していました。「木!」「わら!」「枝!」……なかなか「竹」が出て来ません。昔は台所で使っていた水切り籠も外掃除で使うちり取りも、削いだ竹で編まれた物を使っていましたが、今はステンレスやプラスチック製の物が主流となり、それらを見る事も少なくなりました。だから、子供達には「竹」の籠が思いつかないのです。それから、香合(香を入れる容器)の話になりました。その日は「糸巻き」を模(かたど)った物でした。「みんなのボタンを見てごらん。ボタンは何でつけてある?」と聞かれると、子供達は自分の制服に付いているボタンを見て、しばらくして、何と!「ひも!」と答えたのです。また、織姫様をイメージさせる「糸巻き」から、先生は子供達に織姫様の仕事の話をされました。「織姫様の仕事はなあに?」と聞かれ「機織り!」と子供達は答えました。その次に「何を織っているんでしょう?」と、先生からの質問に「服!」と答えていました。今の子供達を考えたら、“糸”を“紐”と…機織りで何を作っているかと聞かれて“布”を“服”と答える気持ちは、少しわかるような気がします。特に、着ている洋服の元々は一枚の布で、その布が元々は糸が織り合わさってできているという事を知るためには、その工程全てを見たり聞いたりしなければ、想像できるはずがありません。

お母さんの中には、服を手作りされる方もおられると思います。その姿を見ている子は、織姫の話をしてもピンとくるでしょう。一枚の布をハサミで裁断して糸と針を使って服が出来上がるというこの工程を知っていれば、世の中の服や布製品はだいたいこのようにして作られるという事がわかって過ごしているでしょう。

お母さんが料理をする姿を見ながら、素材がご馳走になる工程の中から、子供達は様々な事を知り、姿を変えて食卓に並ぶ料理が何でどうやって出来上がったものかを想像できるようになります。

6月の『葉子せんせいの部屋』に続く話になりますが、本当に子供のために…と考えるなら、ぜひ、洋服のボタンがとれてしまったのなら、子供が寝静まってから付けるのではなく、目の前で付けてやってください。壊れた電気製品を直す姿を見せてやってください。夕飯支度を一緒に…野菜作りや収穫を…修理や日曜大工を…何でもない事のようですが、子供達はその様子を見て聞いて触れて“なるほど”と学びます。子供が知らない間に、いろいろな準備を整えたり、作ったりする事は決して真の“子供のため”ではないのかもしれません。「しておいたよ。」…では、何がどうしてこうなったのかを見ていないので想像する事もできません。「ありがとう。」の気持ちも、どんなにそのためにお父さんやお母さんが頑張ってくれたのかまでを考えての「ありがとう。」ではないような気がします。

明日から夏休みです。どうか、お父さんやお母さん、またはおじいちゃんやおばあちゃんのお手伝いをしっかりさせてください。家族のために…子供達のために、忙しくされている姿や頑張っている姿をそばで見せる事や手伝いながら一緒に過ごす事で、子供達は物知りにもなれます。いろんな知識が得られたり、心も成長したりします。“子供のために…”“子供に大変な思いをさせないように”とか“子供と一緒に楽しい時間を過ごすために”と、子供の知らない時に大変な事をしてしまっておこうと考えるのは、むしろ、もったいないです。ぜひ、一緒に手伝ってもらってください。それが、長い目でみた時“子供のため”なのです。家庭では学べない事を幼稚園で…そして、幼稚園ではなく家庭でこそ学べる事や教えてやれる事がある。さあ!ここは、お父さんお母さんの出番です!

田房葉子





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