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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『孫は来て良し、来て良し……』
平成29年9月1日

今日から2学期。今年は、猛暑と長雨のニュースが毎日繰り返し流れてきた夏休みでした。そんな夏休みを子供達はどのように過ごしたのでしょうか?しばらくの間、楽しかった夏の思い出を嬉しそうに話してくれる事でしょう。

さて、夏休みには、お父さんやお母さんの故郷に行って過ごされたご家族もたくさんおられるのではないでしょうか?夏休みの間も元気に通っていた預かり保育(プレイルーム)の子供達も、お盆前には「今日からおじいちゃんとおばあちゃん家に行くんだよ〜。」「泊まるんだよ。」と言う子がたくさんいました。「そうなの?じゃあ、おじいちゃんもおばあちゃんも楽しみに待ってくださっているだろうね。」と言うと、ある子は「うん!大ご馳走作ってくれるって。花火もするよ。」と、嬉しそうに話してくれました。その話を聞いただけで、子供達が大好きなおじいちゃんやおばあちゃんに会う事を……また、おじいちゃんおばあちゃんも、あれこれ迎える支度をしながら可愛い孫に久々に会えるのを楽しみにされている事が分かりました。

私の義姉夫婦には孫がいます。普段はふたりきりの家ですが、今年のお盆は次男の家族がその孫達を連れて帰って来ました。孫は2歳と5歳の男の子です。お盆前に、義兄が「これから竹を切りに行って、お盆にはそうめん流しをしてやろうと思っているんだ。」と話していました。次男家族が帰省する日には、料理の買い出しに行ったり、切って来た竹を割って節を削ったりして……。猛暑の中、考えただけでも大変そうに思えました。しかし、義姉も義兄も、大変!と言いながらもあれこれと楽しませる準備をして嬉しそうでした。きっと、孫達は大喜びでお盆の数日をおじいちゃんとおばあちゃんと過ごしたでしょう。次の日、その次男家族が、我が家にも来てくれました。義父にとってその家族は孫とひ孫になります。87歳の義父は、できる限りの事をして迎えてやろうと孫夫婦とひ孫用のジュースやお菓子やコップ等を年老いた身体をゆっくり動かしながら準備していました。

「こんにちは〜!!」とやって来た孫夫婦とひ孫を迎える義父は、いつもより元気で嬉しそうで、ゴクゴクとジュースを飲むひ孫を見ているその目は、とても柔らかく優しい目でした。庭に出ていろいろな物を触って洋服を汚したり濡らしたりしているのを気にかけながらも、ひ孫が遊ぶ姿を喜んで見ていました。帰る時には車が見えなくなるまで手を振って見送っていました。

孫というものは本当に可愛いのでしょう。自分の子供とは違う可愛さがあるとよく言います。育てる責任がないから……とも言われますが、おじいちゃんやおばあちゃんは、育てる責任はなくても“見守る責任”を感じておられるように思います。ただ可愛いだけではなく、孫の幸せに直接口を出したり手を出したりできない分、見守る気持ちはもしかすると親より大きいかもしれません。“育てる責任”を持つ親と“見守る責任”を感じながら接してくださるおじいちゃんおばあちゃんが子供達についていれば、子育ても百人力です。子供達はどちらの愛情もちゃんと感じています。子供達にはどちらの愛情も必要なのです。厳しさも優しさも、叱られる事も甘える事も、心と身体を抱きしめてもらう事も……。これを全部誰かひとりが担うのは大変です。時々おじいちゃんおばあちゃんの温かさに触れさせてあげる時間をもつ事は、誰にとっても良い事だと思います。お父さんお母さんとおじいちゃんおばあちゃんの愛情をバランスよく受けた子供は幸せです。おじいちゃんやおばあちゃんでないとできない事がきっとあるのです。

次男家族が帰った後、義兄が「あの子達がこっちに帰って来たら、まぁ大変!そこら中走り回ってひっちゃかめっちゃか。いろんな事をしてくれるからねぇ。」と笑いながら言っていました。『孫は来て良し帰って良し』と言いますが、その大変さでさえ嬉しくて可愛くてたまらなさそうでした。むしろ寂し気に見えました。

うちの娘達も、お盆には帰省して数日間一緒に過ごしました。義父に「子供達がお盆には帰って来ますよ。」と教えてあげると、高齢のせいか、病院通いが多くなり気弱になっていた義父が笑って、「そうか、じゃあ、トマトはギリギリまで採らずに置いといてやろう。よく熟れるまで…。」とすぐ言っていました。孫達に美味しいトマトを食べさせてやりたかったからでしょう。おじいちゃんにできる最高のご馳走です。娘達を駅まで迎えに行き、家に帰ると玄関先に真っ赤に熟れたトマトがたくさん置いてありました。おじいちゃんの「おかえり」の気持ちが娘達にも伝わりました。おじいちゃんとたっぷり過ごした数日後、下宿先に戻って行く娘達が「おじいちゃん、また帰ってくるからね。元気にしててよ。」と声をかけると、義父は涙をこぼして「はい。ありがとう。また帰っておいでや。頑張り過ぎないように……丁度いいくらいに頑張って…。元気で…。」と返していました。“丁度いいくらいに……”このおじいちゃんの言葉に子供達はどんなに救われる思いがしたでしょう。頑張っている子供達をホッと一息つかせてくれる──これが、おじいちゃんおばあちゃんの“見守る愛情”だと感じます。

娘達が帰った後、おじいちゃんは「何べんでも…何べんでも帰っておいで……」と静かにつぶやいていました。

『孫は来て良し、来て良し……』なのです。

田房葉子





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