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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『私ってどんな子?』平成30年9月28日

2学期が始まってからはっきりしない天気が続き、肌寒さを感じる日があるかと思えば汗ばむ日もあり、衣替えをするにも躊躇してしまいます。だけど、そんな中でも、間違いなく秋を感じさせてくれるようになりました。空の色、風、園庭の木々、小川の冷たさ……幼稚園に居ながらにして、それを感じる事ができる幸せを子供達にたっぷり味わわせてあげたいと思っています。

数カ月前に、娘が学校に提出する進路についての書類に悩んでいました。“趣味・特技”“自己アピール”の欄にどう書こうか?という事でした。“趣味・特技”については、本当に自分の熱中できる事や好きな事を書けばいいのでしょうが、特別に秀でている訳でもないし、趣味と言い切っていい程の趣味もない──“自己アピール”に至っては、自分に自信がなければ文章に書きにくい、気が引けると言って筆が進まなかったようでした。「私ってどんな人なんだろう?逆に自分を知っている周りの人に聞いてみたいわぁ」と言うのです。

夏休みには、市内の中学生が職場体験に来てくれました。事前オリエンテーションの時に将来の夢を尋ねると、「まだ決めていない」と言っていた生徒さんも何人かいました。そのためにも、職場体験は、いろいろな職場を見て体験して将来を決める選択肢を広げるいいチャンスでもあるので、幼稚園のプレイルーム(預かり保育)で様々な経験をしてもらいました。

また、大学の先生と話をする機会があって、自分に何が向いていて将来自分がどんな職業に就きそこでどんな仕事をしていきたいかという希望を抱けないまま、入れる学部を選んで入学している学生と将来の自分像を描いて入学している学生とでは、生活ぶりも学ぶ姿勢や結果も大いに違うという事を言っておられました。

その時その時の娘や中学生や大学生の事を想像すると、どこか自信の無さを感じさせられるのです。いえ、これは、その子達に限った事ではなく、誰でもそんな時期があったと思うし、もしかしたら未だ自信など持ててないままここまで生きて来たという大人達もたくさんいるでしょう。「あなたの特技は?自己アピールを!」と言われた時、私だったらどう答えるだろうかと考えたら、やはり悩んでしまいます。生きて来た人生の中で、自信があった事でも、何かのきっかけで打ち砕かれたり、新たに自信が持てる事に出会って、また自信喪失になったり…を繰り返しながらここまで何とかやって来ているのかもしれません。その過程の中で、いろいろな人からの評価や励まし等を受けながら、“自分って…??”と我を見つめて来ているような気がします。人は、自分の中に、何か柱となるものがあれば、生きる道を見つける一つのポイントになる事もあります。自分に何ができるのか?どんな事をしたいのか?を見つける決定打につながっていくのではないかと思います。それが、幼稚園の楽しい生き生きとした生活の中で、子供達に、その柱のほんのひと部分を作らせてあげられる時がある事を感じます。

ある日の午後、さくら組の保育室の中で、何人かの男の子が何やら面白い物を一生懸命に作っていました。実験道具を作って実験室ごっこをしていたのです。実験でジュースを作る!と、実験さながらの手つきと、博士気どりの眼鏡を作り、助手役(?)の友達を率いてのその実験風景は、楽しくて感心するやらおかしいやらで、しばらく見入ってしまいました。そのちびっ子博士は、いつも発想豊かに、いろいろな事を考えて作ってあそびにしていく男の子だというのです。一緒に実験を楽しんでいる友達からも憧れられる存在らしいのです。きっと彼は、自信をもって「僕は何かを考え出す事が好き!」と言うでしょう。また、クワガタやバッタ、小川にいるザリガニを捕まえたり、それで遊んだりする事に夢中になっている子供達に、その生き物についていろいろ聞いてみると正しいかどうかはわかりませんが、大きな声で、競い合うように「あのねぇ、それはねぇ……」とそれらしき答えを返してくれます。きっと彼らは自信をもって「僕は、昆虫や魚が好き!」と答えるでしょう。困っている友達や小さな学年の子にいつも優しくしてくれたり、お世話をしてくれたりする女の子達は、「いつもありがとうね。あなたは、とっても優しい子だね」と言ってもらえているうちに、自分の中の優しさに気づかされ自分の要素の一つにして過ごす事ができるでしょう。できなかった縄跳びや鉄棒をできるまで何度も何度も頑張る姿や、友達と一緒に難しい事に挑戦していく姿に注目してもらって、達成した時の快感を自ら得る事で、自分の中の強さや粘りに自信を持つようになるでしょう。

子供達には、“あなたのそこが素晴らしい!”“あなたのそんなところが大好き!”と言ってあげる事が必要だと思うのです。そして、そこはきっと誰もが認めてくれる自信を持っていい所だよ…と言ってあげる事──そう自分で感じさせてあげる事がどんなに、その子の将来の道標になる事か……。そして、熱中できる事に出会えたり増やしたりできる環境の中で自分を発見して、自分の好きな事や“自分らしさ”に自信をもって人生を彩って行って欲しいと願うのです。幼児期にはまだまだ自分ってどんな子だろうかと自己分析なんてできませんが、「私、○○するのが好きだから…」とか「得意だから…」と言えるものが自分にあれば、それが、将来を見据える自分の中の柱となって行くのではないかと思うのです。
田房葉子





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