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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『手出し口出し』 平成30年9月3日

今年程、暑さを危険だと感じた夏はなかったのではないでしょうか?酷暑、酷暑と報じられ、気温が30度台になる事が当たり前の毎日でした。夏休み中、プレイルーム(預かり保育)にやって来る子供達には、「水分補給」を連呼し、頻繁にお茶を飲むように勧め、外遊びの仕方や部屋での過ごし方にも配慮をしながらの40日間となりました。もうそろそろ、この暑さの勢いも落ち着いて来て欲しいと思っているのですが、本格的な秋の訪れはいつ頃になるのでしょうか?

さて、この長く暑い夏休み、皆様はどうお過ごしになり、どんな思い出をつくられましたか?きっと、2学期が始まった今日から、しばらくの間、子供達からいろいろな思い出話を聞かせてもらえる事でしょう。

我が家では、大学に進学して家を離れている娘がお盆に帰省するというので、それまでに、物置化している子供部屋を整えておいてやろうと大掃除を試みました。すると、懐かしい写真や手紙や中学高校時代の採点の部分がしっかりと折り隠されているテスト(笑)が本棚からたくさん出て来ました。このテストを含めマル秘の物が出て来てはいけないのとあまりにもいろいろな物がたくさんあったので、本人と一緒に整理しようと思い直し、全てを整える事は断念しました。しかし、赤ちゃんの時から高校卒業までのアルバムに収まり切れていなかった写真にはつい見入ってしまいました。産湯に浸かっている様子、親戚の人達に囲まれている賑やかそうな写真、歩き始めたばかりの頃行った家族旅行、姉妹で遊んでいる日常、幼稚園の友達と先生、小中高の運動会体育祭修学旅行…そして、卒業式等々──。懐かしくて微笑ましくて時間も忘れて見ていました。そんな数々の写真を見ると、わずか二十数年しか経っていないのに、その頃と現在とでは随分色々な事が変わっています。私が年をとって来ているのは勿論ですが、子供達のためにと作った砂場もブランコももうありません。娘達を可愛がってくれた私の祖父母も母も天国へ逝ってしまってもういません。その逆に、親戚も新たに増えてお付き合いの仕方も変わって来ました。そんな写真を見ながら、その時その時に思っていた事を振り返っていました。赤ちゃんの頃は育児の事で悩んだり、仕事と子育ての両立、大きくなればなったで、学校の事、友達関係、進学等々、振り返れば何もなくここまで来たわけではなかったと感慨深いものがこみ上げて来ました。娘が辛かった時には、私達家族も辛かったし、娘達が楽しい時にはみんなが楽しかった。一つひとつを解決してきて経験して来て今がある事をあらためて感じたのです。

よく、“あの頃が一番良かった”と昔を思い出しながら言う事がありますが、その時はその時で、悩みがありとてもその時が一番良いだなんて思えないものかもしれません。実際私も、“早く大きくなってくれないかなぁ”と思いながら育てて来たような気がします。大きくなって手が離れたらどんなに安心で楽な気持ちになれるだろうかと。でも、大きくなったらなったで、小さい頃とは違った悩みや心配事が増えて来ました。親の私がどうにかすれば解決する悩みと、私が何かをしたからと言って解決しようもない…事の成り行きを見守るしかない悩みとの比率が変わって来ているのを感じます。そしてこれから先は増々、子供自身でしか解決できない事ばかりになって来ます。そして私達親の心の中には成長の喜びと共に寂しさが生まれます。今まさに、段々とそちらに向かっている事を感じながら、子供の成長のためにと親が必死になっていられるのは本当にわずかな時間だという事がわかって来るのです。

娘がお盆に、「私が辛かったあの時、お母さんが言ってくれたあの言葉で凄く楽になった。」とか「お母さんとよく言い争った頃が反抗期だったのかな?懐かしいね」とか「あの時に、お父さんと喧嘩のように話をした事が今はすごくよくわかる。」とか、かつてを思い出しながら話してくれました。その時その時で必死に悩んで一生懸命に育てて来た事がよみがえります。そして、その頃悩んでいた事が、最近になってからの悩みよりも軽く感じ“なんであんな些細な事で頭抱えていたのだろう?”とつい噴き出してしまうような事もあります。だけど、その時は必死だったのです。その時の一生懸命な子育てを子供なりに感じていてくれて、あの時のお母さんの言葉が…あの時にお父さんが手を差し伸べてくれたから…と少しでも感謝の気持ちを持ってくれながら大きくなって来たのだと思います。そして、そうして一生懸命に悩み考えそして解決しながら幸せに楽しく過ごして来たこの過程は、子供達のどこかに滲みているはずです。いずれ子供達は自分の力で生きて行かなければなりません。親が“手出し口出し”できるのは、長いようでもほんの僅かな時間です。大きくなるにつれて、手出し口出しをしなければならない時期、してもいい時期、しなくてもいい時期、してはいけない時期、そして最後は必要とされない時期に関わり方が変化していくのを感じ、どこか寂しさを覚えます。今現在の子育ての醍醐味を存分に噛みしめてください。今しか味わえない苦労もまた幸せである事をずっと先でわかる時が来ます。そう言う私は、そろそろ娘達から“手出し口出しをされる側”に近づいて来ています(苦笑)。

田房葉子





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