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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成14年度
     家  族  平成14年7月

「犬と子供はみんなのもの」と言う諺があるそうです。と言っても、これはイタリアの話しです。
犬を散歩しているといろいろな人が話しかけてきます。撫でなでをしたり、「わ〜、かわい!!」から始まって、「名前は?」、「種類は?」と、犬好きな人が声をかけます。
同じように、赤ちゃんを抱いていたり、小さな子供の手をつないで歩いていると、いろいろと声をかけてくれます。このように、かわいいものにはまわりの人が頻繁に声をかけてきますから、育てている人はいろいろな人と話すきっかけが出来て友達も増えます。声をかけられた子供たちにも心地よい刺激となり言葉を増やしていきます。犬も言葉の理解を早めます。このように、周りから声を掛けられた人も嬉しいし、声をかける人も楽しいのです。イタリア人の明るくておおらか国民性かもしれませんが、見知らぬ人から声を掛けられてもいやがることなく、楽しそうに大きな声で受け応えをしています。
お母さんたちにも多くの経験がおありと思いますが、例えば、電車の中で自分の赤ちゃんを抱いていたり子供を連れていると、同じ席の人が声をかけてくれます。「かわいいお子さんですね」、「何才ですか?」と、たいていの場合、子供に愛嬌を振舞いながら、にこにこしながら声をかけてくれます。そんな時、お母さんたちも嬉しそうに笑顔で応対します。
このようにかわいい犬や子供がきっかけで、見知らぬ人たちとさえ、人間関係をスムーズにはかどらせてくれるので、「犬と子供はみんなのもの」と言うのでしょう。「そんなにかわいいものは独占しないで皆に分けてくれ」とでも言っているようです.
近年、日本では人と関わることが苦手な人が増えてきていると言われます。一時、「公園デビュー」と言う言葉が話題になりましたが、子供を産んで6ヵ月から1歳くらいになった頃、子供の友達を求めて、あるいは、子供同士、お母さん同士の関わりを深めようと、子供たちの遊んでいる公園に出かけては見るものの、そこで仕切っているお母さんとの関わりが難しく、みんなの中に入っていくのに相当の苦労が要るというほど、受け入れる方も含めて、お互いが、初めての人との関わりが下手になっているのです。
このような結果になってしまったのも、終戦以降の日本経済の発展に伴って浸透していった核家族化が大きな要因となっているのでしよう。家長制度が崩壊し個人の尊重と自由は得たものの、なんだか心のよりどころを失ってしまっているかのようで、人間としての寂しさすら感じます。
もう少しイタリアのことに触れておきます。
週末になると多くの家族や友人がパーティーを開きます。それも、たいていの場合とても質素で、それぞれが一品ずつ持ち寄った手作りの簡単な料理で楽しい時間を過ごします。友人関係と家族の繋がりをとても大切にしているのです。若い息子夫婦の家族や嫁いで行った娘たちの家族も皆集まって、おじいさんおばあさんも一緒に楽しんでいるのです。
日本の若い人から見たら、こんな面倒くさいことはいやだと思う人が多くなってきていると思います。それでも、イタリアでは毎週のようにこんな生活をしているのです。
では、イタリアの若い人がこんな面倒くさいことをいやがっていないかというと、「大変だし、いやだと思うことも有るが、それ以上に、友人や家族が大切だから」と言いきります。
もう一つ顕著なのが、古いものをとても大切にしているということです。古いものほど誇りなのです。私たち日本人から見たら、何でこんな古臭いものと思うようなものを、一つ一つ、とても大切にしているのです。家にしてもそうなのです。大理石やレンガで出来た何百年も前のものをとても大切にしています。新しいぴかぴかの家の方が安っぽいのです。部屋の中のアンティークな家具や食器、先祖や家族の写真等が部屋中に飾ってあるのを見ると、そのことがよくよく伝わってきます。
何で突然にイタリアの話になってしまったのでしょう。実はこの「つぶやき」をミラノのパラッツィオ(中庭の有るマンションのようなもの)の一室で書いています。観光旅行ではないので、ミラノの人たちとの生活を身近に感じながら過ごしています。食材を買いに娘と市場にも行ってきました。
先日、ミラノから車で2時間ぐらいのマントバと言うところに行き、築後450年たっているという大理石造りの旧家に泊まらせてもらいましたが、そのときもそれぞれ結婚して独立している兄弟姉妹の家族もみんな集まってくれて、ディナーパーティーを開いてくれました。それこそとても質素で、ほとんどが自分のうちで作った野菜中心の料理とスパゲティー等で、口直し程度のワインしか飲みません。家族みんなでの団欒がなによりのご馳走のようです。
その家の外孫で2歳8ヵ月になる男の子が一緒に帰ってきたのですが、庭を駆け回る孫の後を、怪我をさせないようにと、追いかけるおじいちゃんおばあちゃんの姿は、全く、日本のおじいちゃんおばあちゃんと変わりなく、何故かほっとしたのです。ここでの滞在で、戦後の日本経済の復興と高度経済社会の形成の中で失われていった大家族の良さを改めて感じたのでした。
今更、昔のような大家族に戻ることはほとんど不可能なことになりましたが、実家のある人は、せめて一か月に1回でも、おじいちゃんおばあちゃんのところに泊まりに行くことも、とても大切のように思えてなりません。子供たちが心豊かに育つためにも、多くの人たちとの関わりを深めてほしいと思います。なかなか実家に帰れなくても、子供がきっかけでできる多くの人とのかかわりを大切にして欲しいと思います。



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