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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成14年度
     赤とんぼ 平成14年9月

今年も暑い暑い夏でした。「子供たちは、海や山に連れて行ってもらったかな? 川に連れて行ってもらって泳いだり魚を捕ったりしたかな? おじいちゃんおばあちゃんのところに泊まりに行っているかな?」と、夏休みをどんな風に過ごしているのだろうかと気にしながら過ごしていました。
そんな中、プレイルームの子供たちは、日曜日とお盆休み以外は毎日、幼稚園に通って来ていました。そして、毎日のように幼稚園のプールに入って遊んだり、セミを捕ったり、小川の魚を追ったりと、暑さにめげずしっかりと遊びこんでいました。
私自身は、年長組の1泊2日のキャンプと研修会に5日ほど出掛けたぐらいで、ほとんど毎日、幼稚園で過ごしていました。
そんな夏休みの中で1日だけ、「ちゅうおう児童クラブ」の子供たちを連れて吾妻山に行って来ました。山はとても涼しく、気持ちの良い風を受けながら、草むらに座って周りの山々を眺めていると、さすがに心が和む想いでした。児童クラブは1年生から3年生の児童50名が在籍していますが、その子供たちと、トンボを捕まえたり登山をしたりして楽しい1日を過ごすことができました。
山に着くと、アカトンボが群れを成して飛んでいます。網と虫かごを持ってきた子は早速トンボを追います。何匹も何匹も捕まえています。網を持って来なかった子供たちは帽子で捕ろうとしますが、たまにしか捕まえることができません。その子たちに、「トンボの捕り方を教えてあげようか」と言うと、「そんなの知っとる、指をくるくる回して眼を回すんじゃろ!」と言います。「じゃ、やってごらん」と言うと、指を差し出して回しますが、トンボは飛び立って行きます。「やっぱし捕れん」と諦めます。そこで私は、「今から捕るからちゃんと見ておきなさいよ」と言って、そのコツを教えながら、またたく間に何匹も手で捕まえました。それを見ていた数人の子供たちは、途端に尊敬の眼差しで私を見ています。こうなると、何でも言うことを聞きます。
そして、子供たちも手で捕まえ始めました。何匹もつかみます。その子供たちも自信にあふれる顔つきに変わってきました。
さぁ、どのようにして捕ったのでしょう。お父さんお母さん、お分かりですか。この捕り方は、私自身が子供の頃、自ら発見した捕り方ですが、お父さんお母さんにもできる方がいらっしゃるかも知れません。
お教えします。トンボが小枝にとまっています。手を伸ばしたら届く位置まで近づきます。そこから、親指と人差し指を、紙を挟むように近づけて、ゆっくり、ゆっくり腕を伸ばしていきます。トンボに近づいたからと、「サッ」と捕ろうとすると、「サッ」と飛び立ち逃げてしまいます。最後の最後まで「ゆっくり、ゆっくり」です。羽根を目当てに、指を伸ばして近づけます。そうして、親指と人差し指の間にトンボの羽根をくぐらせます。そうなっても、さっと取ろうとすると逃げられることがたびたびあります。指が羽根に当たっても、慌てないで「そ〜と」つかみます。この「そ〜と、そ〜と」がコツなのです。
セミを捕るときも同じです。手の平を少し丸く包んで、「そ〜と、そ〜と」と近づけていきます。ここでも、近づいたからと「サッ」と捕ろうとしたら、「サッ」と逃げられます。少し丸く包んだ手の平がセミを覆いかぶり、そのまま木の幹まで押さえ込むようにして捕まえます。
私が小学生のときは、同じようなコツで、川に潜ってアユを何匹も捕まえていました。アユは、人が川に入ったりすると、驚いて、体を岩肌にピッタリくっつけます。セミを捕るときと同じように、少し丸く包んだ手の平を「そ〜と、そ〜と」と近づけ、最後まで「そ〜と、そ〜と」とアユを覆いかぶせます。最後の最後まで「そ〜と、そ〜と」です。そのまま、岩に手の平で押さえつけて捕ります。
なぜこのようなやり方で簡単に捕れるかお分かりでしょうか。実は、トンボやセミ、アユもそうですが武器を持ちません。他の動物と戦う牙や爪を持たない昆虫や魚は、敵から逃れるための「速さ」を持っているのです。武器は無いけどスピードが勝負なのです。身を守るため、相手の早い動きには敏感に反応して逃げることで身を守っているのです。
そこで、そういう昆虫や魚には、速さに対して敏感に反応する能力を逆手にとって、「そ〜と、そ〜と」と近づけば、たとえ、人の手の平や指であっても、彼らから見れば、葉っぱや小枝と変わりませんから、逃げないのです。このようなことは、直接体験することで学びます。
子供たちは、トンボやセミを見つけると本能的にと言っていいほど捕まえようとします。魚も水の中に入って捕ろうとします。ところがそう簡単には捕まえることができません。最初の頃はほとんど逃げられます。それでも好奇心で目を輝かせている子供たちは、飽きることなく、捕まえることに挑戦します。たびたび失敗しているうちにあの手この手と工夫を凝らします。それでも失敗すると、また次の手を考えます。
そして、やっと捕れたときの喜びは、達成感と満足感が漂い、その心地よさが、次の難しいことに挑戦する意欲となってきます。
子供たちにとって夏休みが、素敵な休みとなるには、子供たちが、おじいちゃんおばあちゃんのところに泊まりに行ったり、子供たちに自然を相手にいろいろな直接体験をいっぱいさせてやることです。
このような直接体験をいっぱいいっぱいすることが、創意工夫したり、意欲のある子にとつながっていくのです。
パソコンやゲームが子供の遊びの中心になっている現代は、子供の育ちの中で、この「直接体験をしながら成長していく」ということが一番欠けているように思います。特に、テレビゲーム等でのバーチャルの世界(仮想現実の世界) にどっぷりつかっている生活は、子供の育ちの過程で、心身に大きな歪みをもたらしかねません。



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