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幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす



『み~つけた!』   2022年10月31日

三次中央幼稚園に入園を考えてくださっている親御さんが、年間を通して何組もお子さんを連れて幼稚園見学に来てくださいます。「在園中の保護者の方に紹介してもらいました」とか「ホームページで知りました」と言って見学を希望されます。幼稚園に興味や関心を持っていただいている事を嬉しく思います。園内を案内する時に必ず説明するのは、三次中央幼稚園の園庭の魅力です。そこには、前任の伊達正浩理事長の幼児期を過ごす環境の大切さと子供達の健やかな成長を深く思う“願い”が込められています。私達は、そこに込められている“願い”を受け継ぎながらこの環境の魅力を子供達にたっぷり浴びせてあげたいと日々保育をしています。この事については、先日持ち帰りました“入園案内”のパンフレットやホームページで、ご覧いただけたらと思います。

その魅力のひとつに、「一年中季節を感じる事ができる自然」があります。

案内する季節によって、園庭の景色が違うのです。これから秋が深まり、紅葉していく木々をどの方にもお見せしたいと思える程きれいな園庭になります。そんな園庭で、子供達は毎日楽しそうに遊んでいます。「えんちょうせんせーい!袋をください!」「何か,入れる物が欲しい!持って帰りたいから。」と言うので、「何を入れたいの?」と聞くと握っていた手のひらの中から5つのドングリが出て来ました。今の時季は、こんなふうにドングリ拾いに夢中になっている子がたくさんいます。

先日、ご機嫌斜めで泣きながら登園してきた満3歳児の女の子がいました。お父さんと登園して来たのですが、泣き止まないまま門でお父さんから受け入れ抱っこしました。あれこれ気分を変えようと話をしましたが大きな声で泣き続けます。その時、年長組の女の子が「園長先生、みて!緑色のドングリがいっぱいあったよ。」と見せてくれました。すると、泣き続けていたその女の子がピタッと泣き止み「わたしもいる!」と言うのです。「じゃあ、一緒にさがそう」と年長組のお姉さんに案内されながら中門入ってすぐ左側にあるわんぱくおやまに登りました。すると、あるある、お姉さんが見せてくれたのと同じ緑色のドングリが……。その子は、一つひとつ小さな右手で拾って左手に握っていました。持ちきれなくなった頃「麦わら帽子に入れたらいいよ。」とお姉さんに教えてもらってそうしていました。さっきまでの涙はどこへやら…。「じゃあ、悦子先生に見せてあげようね」と言うと、さっさと保育室に向かいました。担任の先生に見てもらってご満悦だった事でしょう。

子供達は、ドングリが大好きです。ドングリだけではなく、きれいな落ち葉や枝木や石ころ、生き物で言えば、ダンゴムシや幼虫等を集める事が大好きです。先日も、「ポケットに入れていたドングリと石ころが無くなった!」「持って帰るんだった!」と泣いて大騒ぎしていた男の子がいました。いったいどんな魅力があるのでしょう。可愛いから?何かに使えるから?──子供達の中にその答えは幾つもあるのでしょう。いつも…いつでもある物ではないから魅力的なのでしょう。この時季にしか集められない物だからこそ子供達にとっては宝物なのです。「私がみつけた!」「これは僕の物!」という、私達大人には計り知れない宝物を手に入れた満足感を楽しんでいるのです。

先日、主任の平田美穂先生が、子供達に見せてあげたいと大きなザクロを持って来てくれました。なかなか目にする事のないその木の実は、子供達には大変魅力的だったようです。ルビー色をしたきれいな実に興味津々、美穂先生が「食べられるんだよ」と言うと「えーっ!!」とビックリ。益々興味が深まったようでした。その粒を取って渡すと食べてみて「うん、美味しい」と、子供達が次から次へと欲しがりました。初めて目や口にした子にとってそれは劇的な出会いだったでしょう。ある女の子は、その実をペットボトルに水と一緒に入れて「きれい!宝石みたい!」と喜んでいたそうです。翌日そのエキスが出て、ペットボトルの中の水が薄いピンク色になっていました。「みてみて!きれいでしょ~。ザクロジュースができた!」と見せてくれました。見て、食べて、遊べて楽しめたザクロは実はとても印象的だったようです。

ドングリ拾いや落ち葉集め、そして木の実──それに夢中になる間には、探したり、集めたり、遊んだり食べてみたりしながらいろいろに想像を膨らませ楽しみます。子供達は宝物のように大事そうにそれらをポケットやかばんの中に入れて持って帰る事もあるでしょう。大人にとっては「こんな物」と思われる程、無造作に入れている事もあるかもしれません。でも、子供達のその時のときめきは心の成長にとても大切な事のような気がします。持って帰りたくなる程心ときめいたのです。こうした、大人にとっては何でもないように思える経験が、可愛い、きれい、大切、○○みたい、と子供達の心を動かし、いろいろな小さな感動が、子供達の探求心や想像力を育てるのだと思うのです。

半袖から長袖に衣がえになった頃、ドングリを拾った。ドングリ集めをする頃、ザクロを見たり食べたりした。園庭には、赤や黄色の葉っぱがたくさん落ちていて……と、その情景とその物や経験が結びつき「秋」という季節と共に浮かぶのです。

夏休み明け頃だったと思います。毎日歩いて登園して来る道々で、ネコジャラシを採ってプレゼントしてくれる男の子がいました。緑色のネコジャラシでした。遊び方を教えてあげて楽しんでいた日が数日続きましたが、いつの頃からか、黄金色のネコジャラシになってきました。「今日は色が前のと違うでしょ。秋になって来たから緑のネコジャラシはもう終わりなんだって」とお母さんに教えてもらったのか、「もう最後かもしれないよ」と言ってプレゼントしてくれました。自然は必ず季節と足並み揃えて様変わりします。いろいろな場面で、いろいろな物と出会って子供達は心を躍らせます。成長のひとコマとして、その時その時のときめきを大切に…大切にしたいものです。

田房葉子



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