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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす



『楽しい事み〜つけた!』  2022年4月28日

幼稚園の屋上に、大きなこいのぼりが元気いっぱいに泳いでいます。登園してきた子供達が、それに気づき「アッ!!こいのぼりだ!」と喜んで見上げていました。こいのぼりが見守る中、少し余裕を感じさせる進級児達とまだまだ自分の置かれた環境に戸惑っている様子の新入園児達で、笑い声と泣き声が入り混じり、とても賑やかな2022年度のスタートとなりました。

新年度が始まって3週間が経ちます。入園式には、新入園児達はクラス毎に保育室で楽しい歌あそびをしたり、人形のおしゃべりに釘づけになったりしてお家の人と一緒に楽しい時間を過ごしました。短い時間でしたが、初めて過ごす環境に緊張をしていた子供達にとっては程良い時間だったと思います。私は、中門でお家の人と手をつないで帰る姿に「楽しかったかな?明日も来てね。」「園長先生もここで待っているからね」と声をかけながら見送りました。みんな笑顔で帰って行きました。そして翌日、泣いて登園する子やお家の人と離れられない子がたくさんいるだろうと覚悟をしていましたが、ほとんどの子が笑顔で登園して来てくれたのです。お家の人と半日一緒に過ごした入園式の楽しかった思いが翌日への期待になったのでしょう。不思議なほど落ち着いた初日でした。しかし、その次の日から涙が出る子が増えて来たのです。お家の人と一緒ではない一日を過ごしてみると、お迎えやバスに乗って帰るまでの時間が長くて、なかなかお家の人と会えず、これまでと違って自分の思い通りになる事ばかりではないと感じたり、自分でしなければいけない事があったりして、寂しくなったり不安になったりしたからでしょう。お父さんお母さんは、朝の離れ際に涙を流す我が子の姿を見て、昨日まではあんなに幼稚園を楽しみにしていたのに……と、心配された事でしょう。もしかしたら今もなお?

心配ご無用です。今、子供達は新しい世界で楽しい事を探している真っ最中です。それは、新入園児だけではありません。クラス替えや担任が変わって新しい環境になった進級児達も、それぞれにエネルギーをいっぱい使っているのです。それにかかる時間が長いか短いかの違いはありますが、きっと必ず子供達はこの新しい世界を受け入れ楽しめるようになります。

泣いて登園しているある新入園児の男の子がいました。お母さんとの離れ際「ママは?どこに行くの?行かないで!」と泣くのです。いろいろとなだめながら、保育室まで抱きかかえて連れて行きます。先生達は皆、笑顔で「よく来たね。」と迎え入れます。そんな何日かを過ごしたある日、その男の子が「園長先生!来て来て!」と私を引っ張ってアスレチックに連れて行くのです。なんと、新入園児にしてアスレチックのやぐらに上りたい!というのです。私は、その子のおしりを支えていける所まで応援しました。案の定、途中でズレ落ちてしまいました。「今日はもういい」と言って向こうに行ってしまいました。その翌朝、中門でいつものように少し泣き顔になった所をすかさず「今日もあそこを登ってみようよ!」と私がアスレチックをゆび指すと、ちらっと見て「うん」と言って幼稚園の中に泣かずに入って行きました。楽しいと思える事を見つけたんだなと思いました。

テラスで広い水槽に飼っているカメが3匹います。そのカメを平気で触っている進級児の姿をこわごわと見ているある新入園児の女の子がいました。「わっわっわっ!!そんな事して!……大丈夫なの?えっ?えっ?えっ?」と触ってみたいけど触るのは怖いと思うその子の葛藤する姿が可愛くてしばらく見ていました。「うん!大丈夫!ここを持ったらいいんだよ。ほら。」と先輩である進級児に促されおそるおそる触っていました。結構長い時間頑張っていたと思いますが、そのうちほんの少し持ち上げる事ができ、「持てた!かっ…かっ…可愛い(汗)」と若干引きつった笑顔で嬉しそうにしていました。それから、その女の子は何度もその水槽でカメを触って遊べるようになりました。この子も、楽しいと思える事を見つけたなと思いました。

年長組の女の子数人が「園長先生!見ててよ!」と呼び止め、ハント棒のてっぺんまで登れるようになったところを見せてくれました。「前は、できなかったんだけど、できるようになったんだぁ。凄い?」と何度も入れ替わりで見せてくれました。進級児達もまたチャレンジの楽しさに出会ったんだなと思いました。

こんなふうに、子供達は、幼稚園という社会で人や物と出会い、習ったり自分で発見したり、自ら関わったりしながら楽しみを見つけて行きます。初めは安全圏でも、少しずつチャレンジャーになって行きます。そうした時に起こる友達とのトラブルも小さな怪我も経験しながら世界を広げて行くのです。それもまた大切な大切な幼児期の学びなのです。その学びと楽しさを見つける事ができたら、その世界への期待が膨らんだり次への意欲に繋がったりします。幼稚園に行きたい!友達と遊びたい!と思えるようになるでしょう。心躍らせる程やりたい事ができる──それが幼稚園です。幼児期にこそしなければならない経験を用意してあげたいと思います。どうかしばらく、子供達をじっくり見守っていてあげてください。「楽しい事み〜つけた!」という心の声が、きっと「行ってきます」「おはよう」「せんせーい」の声やその時の笑顔から聞き取れる時を待っていてあげましょう。子供達は、楽しい事を見つける天才ですから……。

今年も、幼稚園生活での子供達の育ちを、時には自分自身の子育ての失敗談・経験談を織り交ぜながら『葉子えんちょうせんせいの部屋』を書かせていただきます。保護者の皆様と子供達の愛おしさやの成長を感じ合い、子育ての楽しさや悩みをも共有できれば嬉しいです。時にはご意見やご感想等いただけるとなお嬉しいです? 今年一年間も、どうぞよろしくお願いいたします。

田房葉子





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