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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす



『真剣に…真剣に…』  2023年10月31日

先日、子供達が持ち帰ったサツマイモは、お家でどんな料理になって心とお腹を満たしてくれたでしょうか?すっかり秋めいて来た中、芋畑には子供達の歓声が響き渡りました。また、幼稚園内のブドウ棚では、立派な「紅三尺」という品種のブドウが実り、年長組の子供達が丁寧に収穫して皆で食べました。まさに実りの秋を実感しています。
収穫と言えば、5月に我が家の田んぼに年長組の子供達が田植えをし、黄金色に実った9月の終わりに稲刈りを経験しました。幼稚園の子供達の稲刈りは18年前から行っています。毎年、稲刈りをする度に思い出す事があります。

「真剣な時は大きな怪我はしないよ」

幼稚園の田植えは、それより数年前から経験させていましたが、稲刈りは鎌を使わせる事が危険だろうと毎年断念していました。そんな時、当時の理事長に「稲刈りを子供達に経験させてあげたいんですけど……。無理です…か…ね。」と恐る恐る相談しました。すると「やったらいいよ。」とあっさり返ってきました。「エッ、鎌で…ですか?」と問い返すと「人は、真剣にすると大きな怪我はしないんだよ。子供は初めての事だからこそ真剣にするでしょ。経験に慣れて油断する大人よりも怪我はしないよ。ひとりでやらせてごらん。大丈夫だよ。」──その言葉に、私も先生達も強く背中を押してもらいました。
そして稲刈りの日、子供達には入念に鎌の使い方を話しました。子供達は真剣に聞き入っていました。その後、一人ずつ自分で刈る子供達の顔は真剣そのもの。ふざけたりお調子に乗ったりする子はいませんでした。そして、一株刈った稲を持ち上げる子供の表情は一変して満面の笑顔でした。
あの時の「真剣にすれば大きな怪我はしない」という当時の理事長の言葉は、いろいろな場面でも思い出します。子供達は、チャレンジャーです。好奇心をもって環境と関わろうとします。アスレチックを駆け上る時、鉄棒の前回りを頑張っている時、一生懸命走る時等、ちょっと見たら危なっかしいと思われる事でも、挑戦する時の子供達は真剣な顔をしています。
なるほど、そんな時は手にも足にも気持ちにもグッと力が入っていて、大きな怪我に繋がる事は少ないようです。

真剣になれるのは「小さな危険」を経験した事があるから

では、どうして子供達は、鎌での稲刈りに真剣に向き合ったのでしょうか?─────それは、これまでに小さな危険な目に会ったり、怪我をした実体験があるからです。転んだら痛かった。血が出た。ドキッとした。怖かった。そんな痛い思いや、辛い気持ちを何かの機会に経験できているからです。可愛い手に余る程の太く硬い稲束を鎌で刈るのは、ただ事ではない……と、それまでの、いろいろな経験からわかるからです。鎌の間違った使い方をすると、どんな事になるのかが想像できるから真剣だったのです。

「小さな危険」は、この先を安全に生きるために必要な経験

子供達は好奇心をもって世の中の様々な事を知ろうとします。その中で、小さな危険をも体験しながら成長する事が必要だと思います。危ない事や物を先回りして排除し、子供達の生活の場全てに念入りな安全策を講じていたら、危険に出会わないまま大きくなります。「危ない事」の本当の意味や痛みや辛さが体験できていないため、大きな危険が予測できなかったり、危険からどう回避すれば良いか、どう対応すれば良いかを考える経験がないまま大人になるでしょう。また、他者に対してもこれ以上は人を怪我させてしまうからやめておこうとか、辛い思いをさせたらかわいそうだから……という加減ができない、自ら身を守る事も他者を大切にする事もできない人になってしまいかねないのです。それは、もっと危険な事です。

チャレンジが「何処から何処までが危険?」────を分かる子にしてくれる

チャレンジと危険は隣り合わせです。例えば、小川の向こう岸に跳び越えようとチャレンジします。跳び方によっては……または、自分のその時の力に見合わない程向う岸までの幅が広すぎては、跳び越えられず水の中に落ちてしまう事があります。そんな事はわかっていても、成功する策を考えながら何度も挑戦するうちに、危険範囲と安全な方法を探っていくのです。チャレンジの賜物です。そんな経験をたくさんして危険な事や困難な事に上手く対応して生きて行く力が育ちます。
「小さな危険」に出会った経験が未知の経験に真剣に向かわせてくれる……そして真剣にチャレンジする事で新たな自信を生む……その自信は、また次のチャレンジに真剣に取組む気持ちに繋がる。危ない事がわかっているからこそ、真剣に根気よく様々な事に挑戦できる子になるのです。
幼い内に経験しておかないと…「あぶない!あぶない!」は、もっと危ないのかもしれません。

田房葉子





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