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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす



『親子でクッキング』   2023年8月31日            
年々夏の暑さが増し、ついに「地球温暖化」にとどまらず「地球沸騰化」という言葉が聞かれるようになりました。地球に異常事態が起こっている事を感じます。暑さ指数を気にしながらの夏はまだもう少し続きそうです。

そんな暑さの中の夏休みは、皆さん、どのように過ごされたでしょうか?普段よりは、家族で過ごす時間も多くあり、楽しい夏の思い出ができたのではないでしょうか? 2学期が始まり、子供達から夏の思い出話が聞ける事が楽しみです。
何年か前の事になりますが、お盆休みに入る少し前に、広島市内に住む娘から電話がかかってきました。「肉じゃがを作ったんだけど、何だかお母さんの味とは違うんだよね~。美味しくない訳じゃあないよ!それはそれで、前にお母さんから教えてもらったように作ったから、美味しいのができたんだけど、何か違うんだよね~。」「調味料の分量をもう一回教えて欲しい。」と言うのです。ありがたい事に、娘は、昔からいつも私が作る料理を「やったー!お母さんの定番の味!」と言って喜んで食べてくれます。大学生から一人暮らしを始め、社会人になって自分で料理をして食べたり人に食べてもらったりする機会が増えたのでしょう。何を作ろうかと考える時にお母さんの料理を思い出して作るのだと言ってくれます。しかし、「調味料の分量は?」と聞かれても、計りながら作っているわけではないのでなかなか電話では伝えられず、お盆に帰って来た時に一緒に作ろうという事になりました。

それから、お盆になり、娘達と一緒にお盆のご馳走を作りました。我が家はお盆やお正月にはお客様が来られるので、そういう時は一日中台所に立って何種類かのおかずを作ります。それを娘達が手伝ってくれるようになったのは、やはり一人暮らしを始めた頃からだと思います。それまで食べる専門だった娘達が、お母さんの味を自分でも作ってみたいと思うようになってからは本気で手伝ってくれるようになりました。

一緒に作りながら、娘達は、私の手元を見て野菜の切り方を知ったり、美味しくなるためのひと手間を知ったり、効率よく作るための順序等にも関心を持って見たり、よくわからない事には「どうして?そうするの?」と聞いて来たりもしました。味付けの調味料を入れる時は一段と興味津々です。でも、私が、計量カップやスプーンを使わず、おおざっぱにボトルや調味料ケースから適当に入れるのを見て、娘達は「どのくらいかちゃんと教えてよ~」と聞いてきます。「どのくらいって、このくらい。見て覚えて!お母さんも計って作った事ないんだよね~。」と言うと、笑いながら「じゃあ、調味料を合わせた煮汁の味見をしてみよう。」と鍋からすくってなめたり飲んだりしていました。そして「うんうん、これこれ!」と目指す“お母さんの味”を色具合や味や香りで確かめていたようでした。そうしてできた料理が美味しいかどうかはさておき、親子で料理をするという経験の中では、いろいろな事が育つような気がします。

例えば、料理をする時、キッチンが親子でのちょっとしたコミュニケーションの場になります。料理についてだけではなく、「あのね、お母さん、この前こんな事があったよ。」とか、「アパートの近くのスーパーに面白いレジのおばさんがいて、仲良くなったんだよ。」等、同じ時間を過ごしながら会話が弾みます。たまに、恋バナ等聞く事があり、それはそれは楽しいひと時です。

次に、一緒に料理をしていると、自然と役割分担ができます。具材を切る人、調理する人、使った鍋や容器を洗う人……と段取りを考えながら自分は今何をしたら良いか、次に何が必要かを見極め動こうとします。初めは、「これして。あれして。」と指示しないと動けなかったのが、自分で考えてその時の状況に対応しようとアンテナを張る事ができるようになるのです。我が家の娘達はいまだに指示を要しますが……(笑)

また、美味しくいただくまでの、具材の色、手触り、グツグツ煮える音、香り、味等を五感で覚えて行きます。自分で作る時にその時の事を思い出しながら、あの味に近づこうと試みるのです。私も、子供だった頃、夕飯支度をする母親の隣で手元を見たり味見をさせてもらったりしながら、母の味を受け継いできたような気がします。

そして、それを食卓に並べ家族でいただく時、「どうやって作ったの?」「おいしいね」「大変だった」「楽しかった」「難しかった」等と家族の会話が広がるのです。家族皆のコミュニケーションが深まります。

更に、いろいろな食材を作ってくださっている方々への感謝、肉や魚など命ある物を食する事に対し手を合わせて「いただきます。ごちそうさま。」の気持ちを持つ大切さも味わいます。

娘達は、「おいしい」と言ってくれますが、私は決して料理が得意なわけではないし、家族の者の口に合っているだけで、自慢できるものでもありません。でも、“お母さんの味”を目標にしてくれているのは嬉しい事です。一緒に料理をする時間そのものも貴重な時間である事をすごく実感します。料理を覚えるという事以外に、その時間を通したくさんの事が得られる気がします。親は皆、子供達には自立した大人になってもらいたいと思っています。自立して生きて行くためには、生活力を身に付けて欲しいと思うでしょう。ご飯支度でもお菓子作りでもいいのです。親子でのクッキングを通し、ぜひ楽しみながら家庭でないとできない学びの場を作ってみてください。

料理をするという事は、とても頭を使う事だと言われます。“何を作ろうか”と考えそれに合わせて買い物をしたり、何がどれだけ必要かと考え準備したり、手先を使って調理する……。何品かの料理が出来上がるまでには様々な工程を効率良くこなし、五感を働かせながら完成させていく……。頭はフル回転です。これを毎日毎日繰り返しているのですから凄いものです。

しかし最近、我が家の冷蔵庫の中に時々あるべきものではない物が入っている事があります。先日は食品包装用ラップが入っていました。きっと無意識にした私の仕業です。「これはまずい!」と少し焦りました(汗)。今や、この年になると、娘達と一緒に台所へ立つ事は子供のためだけではなくなって来ました。私自身の脳トレのためにも、家族が喜んでくれる手料理を頑張って作りたいと……そうしなくっちゃいけない!と思っています(苦笑)。

田房葉子





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