余白
総合保育施設子供の園ちゅうおう
ホームへもどる
お知らせはこの下

三次中央幼稚園
教育方針
園の特色
子供たちの広場
年間行事
入園案内
プレイルーム
(預かり保育施設)
三次中央幼稚園のブログ
白髪せんせいのつぶやき
葉子せんせいの部屋
えんちょうのえほんこうざ
 
子供の館保育園
子供の城保育園
 
ちゅうおう憩いの森
ちゅうおう児童クラブ
 
メールはこちらへ
プライバシーポリシー

幼稚園からのおしらせ
幼稚園からのおしらせ

学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成19年度
 『夢』         平成21年2月27日

今年の春一番は、みぞれ雪を運んで来ました。春を待ちこがれていた土の中の生き物達は、どうしたものかと悩んでいるのではないかと思います。そんな中でも、幼稚園の花壇には10月に子供達と一緒に植えたチューリップが春の様子をうかがうように、小さな芽を出しています。「もうそろそろだよ。」と声をかけてあげたくなります。そして、その春はいろいろな別れと出会いの季節です。年長組を送る卒園式の日も近づいています。“別れ”と言っても、その先に希望や夢が見えている“別れ”です。子供達が笑顔で新しいスタートがきれるように、“いい別れ”をしたいと思っています。
先日、子供達に「大きくなったら何になりたい?」と将来の夢を聞いてみました。アニメやドラマのヒーローが圧倒的に多い中、ピアノや学校や幼稚園の先生、コックさん、美容師さん、お医者さん…と少し現実味のある答えも返ってきました。どの子も積極的に答えてくれました。かつて私にもこんなに無邪気に夢を語った頃があったなぁと思い出しました。
先日、“キャリア教育”の一環として、ある小学校の児童に幼稚園教諭の仕事について話を聞かせて欲しいという依頼があり出向いていきました。“キャリア教育”というのは、子供達の勤労観や職業観を育てる教育です。それは、将来的には社会人として…いずれ働く者としての自立を目的にされているようです。校長室にはいろいろな職業の方が打ち合わせに来られていました。その時に校長先生が、「最近は、将来就きたい職業が見つけられないでいる子がたくさんいる。夢ですら語れない子供達がいる。そういう子供達に漠然としたものであってもいいから、自分の将来を描ける子供になって欲しい。」という話をされました。私は、少し驚きました。幼稚園の子供達はそんなに悩まず将来の夢を話してくれます。たとえそれが、とても幼い夢であっても自信満々に話します。それが、大きくなるにつれて悩んでくるのです。よく考えたら、それも成長段階の一つなのかもしれません。幼児期の子供達の知っている社会はまだまだ狭いし、多方面に目を向けたり経験したりするにも限界があります。自分の住んでいる楽しい世界の中だけで夢を描くのです。しかし、成長するにつれて世の中を幅広く見ることができるようになって、“○○レンジャーになれるはずがない”と知る日が来ます。そして、さらに自分をみつめる事もできるようになると、自分がこの世界でどう生きられるかと考えて悩んでしまうのでしょう。悩むのは当たり前なのかもしれません。その時に自分が幼稚園の頃に描いていた夢がベースにあれば、発想の転換によって“叶うはずがない夢”の続きでも描けるかもしれないのです。○○レンジャーになりたいのは、正義の味方に憧れているから…とか強くなりたいから…、と自分を見つめた時に気づけたら、警察官や消防士に夢を持ち目標を置くかもしれません。そう考えると、夢のまた夢のような、“夢”を見たり語ったりする事はとても必要な気がします。「そんなものなれるわけないでしょ!」ではなくて、「そうかぁ、正義の味方はかっこいいよね。」と聞いてあげてください。ピアノが弾けない子が「ピアノの先生になりたい」と言えば、「教えてあげられる程いろんな曲が弾けたら楽しいもんね。」と希望を持たせてあげてください。具体的に考えるのはまだまだ先でいいのです。そのうちに、世界を広げて自分の目で見て考えるようになるのですから、今は、夢を見る事や描く事が楽しいしウキウキしてくるという事を実感させてやってほしいと思います。
そしてさらに、お父さんやお母さんの仕事は何か、どこでどんな事をしているのかも話してあげてください。一番身近にいるお父さんやお母さんの事には特に興味を持って聞くでしょう。朝、お父さんは決まったように仕事に行っているけれど、その生活はその子が生まれた時からそうなのだから、当たり前過ぎて逆に関心をもっていないかもしれません。「お父さんの仕事は何?」と聞かれて、「会社」と答える時に、お父さんがそこで働く姿がイメージ出来たり、かっこいいお父さんを想ったりできる事って大切だと思うのです。また、お母さんの働く姿は、家で一生懸命に自分達のために動き回ってくれている姿とまた違って素敵に見えたりすると思うのです。ある男の子が「僕のお父さんは、道路を作ってるんだよ。ずーっとつながっている道路を作ってるんだよ。」と教えてくれました。その子は、汗いっぱいかいて働くお父さんの姿といつも歩く道を見るたびに、お父さんの力を尊敬したり憧れたりするのかもしれません。その憧れが夢に結びつくかもしれないし、夢を描くひとつの選択肢となるかもしれません。
年長の子供達はもうすぐこの幼稚園から巣立っていきます。憧れのランドセル…これを背負って学校へ毎日通う事だって、この子達にとっては夢だったのです。そして、これまでに一緒にしてきた経験が子供達の夢へとつながったり、夢を描くきっかけとなってくれれば、こんなに嬉しい事はありません。夢を語る今の輝く心がどうか、なえる事なくこの子達の数十年先の姿や生き様を素敵にしてくれますようにと祈らずにはいられません。

田房葉子



BACK



(C) Miyoshi-date Gakuen Educational Foundation Miyoshi, Japan 2001-2008 (C) ASTOK JAPAN,INC. Osaka, Japan 2001-2008
(C) Chuo Fukushi-kai Welfare Miyoshi, Japan 2001-2008