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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『“大きくなった”の“見える化”』
               2021年4月28日

新しい春の始まり……。春休みには、3月に卒園した1年生がランドセル姿を見せに来てくれたり、中学・高校・大学受験を突破した卒園児達が報告に来てくれたりして様々なスタートを切る子供達の頼もしい姿に元気をもらえたような気がしました。幼稚園でも2021年度がスタートしました。新しい生活に胸を膨らませて元気いっぱいに遊ぶ進級児、初めてお家の人達と離れて過ごす事に不安を隠せない新入園児達。歓喜の声や泣き声、友達や先生を呼び合う大きな声──いろいろな声が幼稚園中に響き渡って賑やかです。

昨年度の終わり、卒園を迎える年長組の子供達に、『おおきくなるっていうことは』(作:中川ひろたか)という絵本を読んであげました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から卒園式の時間短縮、規模縮小等の制限もあり、本来なら卒園式で子供達に伝えたかった事を前もって各保育室を回りこの絵本と共に話をしておきたかったからです。幼稚園を卒園して小学1年生になるという大きな変化は、子供達にとって大きくなる事を実感できる出来事です。それまでの自分と今の自分、そしてこれからの自分のどんな事が違ってきたか?何をもって“大きくなる”というのか?改めて大きくなる自分と向き合って考えて欲しかったからです。『おおきくなるっていうことは…』のフレーズで始まるいろいろな出来事、身体の変化だけではなく心の変化を言葉にして伝えてくれる絵本です。卒園前にその絵本を通していろいろな事を子供達なりに感じて欲しいと思いながら読みました。

大きくなったのは、卒園児だけではありません。進級児達も前よりお兄さんお姉さんになっています。どの子もみんな一つずつ大きくなっています。また、幼稚園に入園したばかりの不安気な新入園児達も、それまでのその子より大きくなっているのです。「大きくなったね」「成長したね」と言うけれど、子供達にとってその言葉はとても嬉しくて誇らしい事なのに、実は抽象的で実感しにくい言葉かもしれません。“大きくなった”“成長した”はそのもの自体が見えないからです。例えば、誕生日を迎え4歳になった。去年まで着ていた服が小さくなって着れなくなった。前はできなかった事ができるようになった。──こうした見える変化を共感してあげる事で子供達は体感しながら(本当だ!私、大きくなってる!)と、大きくなった自分に気づくのです。

満3歳児クラス(さつき組)に入園してきた男の子のお世話を一生懸命にしてくれる年長組(さくら組)のある男の子がいます。名前がたまたま同じなので、先生達が「同じ名前の男の子が今度さつき組に入園して来てくれるからよろしくね。」と頼んだ事がきっかけでした。入園してすぐ手をつないでいろいろな所へ案内してくれたり、一緒に付いて回ってくれたり、あの手この手で泣き止ませたり楽しめたりできるように考えてくれたりもしていました。そのうち、涙が出るそのさつき組の男の子は幼稚園にも慣れてひとりでも楽しく過ごせるようになりました。独り立ち(?)したその子を少し寂しげ(笑)に見守るさくら組の男の子に「○○君がいつも優しく遊んでくれたり、いろいろな所に連れて行ってくれたりしたから、あんなに元気で遊べるようになったんだね。きっとあの子は○○兄ちゃんの事が大好きだと思うよ。ありがとうね。」と言うと、「うん。また、泣いてたら遊んであげる。」と誇らしげでした。大きくなった自分を実感してくれたと思いました。それからも、彼は毎日さつき組の男の子を気にかけてくれています。

さくら組の子供達がトイレに行くと、丁度、大勢の年中組(もも組)の子供達がトイレに居て、順番に出て来るのを並んで通り道を開けてあげていたそうです。さくら組の先生はお兄さんお姉さんらしいその姿が嬉しくて私にも教えてくれました。自分の事より小さい子を優先させてあげようと考えられる──これも大きくなるという事。それがしぜんにできる事も成長したという事。そんな時、「ありがとうね」「嬉しいよ」「助かったよ」というさりげない言葉や態度で返してあげる事は、子供達自身に“(ぼくは)大きくなった”“(私は)成長した”という事を実感させるための“見える化”となります。

今、そんな“大きくなった”子供達の姿をあちらこちらで見かけます。朝、中門でお家の人と離れるのが辛くて泣いている小さな子を見て「連れてってあげようか?」と言ってくれたり、保育室に行って着替えを手伝ってくれたり、泣いている子がいれば先生の所に「あの子が泣いてるよ!」と教えに来てくれたりしています。頼もしいお兄さんお姉さんです。先生達も遠慮なくそのお兄さんお姉さんに頼ります。「これからも、小さなお友達の事をよろしくね」と頼りにする事で“見える化”しているのです。

そして、新しい環境に戸惑っている新入園児達だって、去年までのその子よりぐーんと大きくなっている事を感じてあげてください。中門で大きな声で泣いても、「幼稚園に行きたくない!」と言っても、お昼ごはんがなかなか進まず食べていなくても、みんなと同じ事ができていなくても、それでも、集団生活に一歩踏み入れたその事だけで入園するまでのその子とは違っているのです。「成長する」入り口にいます。大きくなったからこそ!の一歩を踏み出したのです。昨日より今日、今日より明日…とほんの少しでも、変化した様子を認めて喜んであげましょう。子供達のちょっとした日々の成長を…大きくなった事を“見える化”してあげてください。急激に成長を見せてくれる子もいれば、じわじわじっくりタイプの子、3歩進んで2歩さがるタイプの子……といろいろです。お子さんの成長していく様子をお家の人達が余裕をもって見守り、我が子なりのあり様を受け入れる事が大切だと思います。そのたびに、“大きくなった”事を実感させてあげてください。

進級児達も新入児達も、この三次中央幼稚園の環境全てを思いっきり使い、人としてより良く「進化」「深化」して行けるよう、私達も子供達を応援していきます。

今年度も『葉子えんちょうせんせいの部屋』で毎月お付き合いいただきたいと思います。子供達は未来ある宝だと思っています。幼児期の今できる事、今でないとできない事、この時期にこそ必要な事は何か?子供達にとって真の幸せとは何か?を問いながら、保護者の皆様と共に考え合うきっかけとなればと思いながら書かせていただきます。読んでいただく事で子供達の事を更に愛おしく感じてもらえたら嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

田房葉子





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